Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊日記(7月27日)

米国航空会社で、小型旅客機の副操縦士を務める裕坊です。
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7月のアメリカは旅行シーズンの真っ盛り。裕坊が乗務する便も満席になることが多く、平均の搭乗率は90%を超えています。5日勤務を終えて帰ってきたのですが、デトロイト空港の旅客ターミナルもご覧の通り…

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旅行へと向かうお客さんで、ごった返しておりました。

 

裕坊が乗務するのはボーイング717型機で、社内で最も小型(客席は110名仕様)。中短距離路線が多く、就航都市も小、中、大規模とバリエーションには事欠きません。こちらはニューアーク空港へ向かう送迎シャトルからの一コマ。
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社内の最小型機ですので地方都市への就航も多く、前回勤務ではノースカロライナ州のアッシュビルへの担当便なども入っていました。
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当日は日が暮れた後の到着。

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アメリカ国内ではボーディングブリッジのない空港はめっきり減りましたが、アッシュビル空港はターミナルが改装真っ最中で、ボーディングブリッジはなく簡易のスロープで乗り降り…

 

車椅子などでも安全に乗降できるよう、傾斜の緩やかな幾重の構造になっています。
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山間の中腹に位置するノースカロライナ州のアッシュビル。ダウンタウン周辺でも周りは山々が取り囲んで、朝の景色はなかなか見応えがありました。
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翌日の勤務も、簡易スロープを使っての搭乗。アトランタまでは所要時間35分とあっという間のフライトでした。
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ところで前回の裕坊のブログにて、有給を利用しての家族旅行の一部をご紹介しましたが、今回はその続き。初日から2日目にかけて訪れていたのは、ルイジアナ州ニューオーリンズ

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18世紀、19世紀のフランス領だった当時の面影を残すフレンチクォーターは、タイムスリップしたかのような錯覚さえ覚えてしまう独特の世界。

 

ミシシッピ川下流に面しているので、遊覧船なども出ています。
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ニューオーリンズの目抜き通りといえばキャナル通り。フレンチクォーターへの入り口にも隣接しています。
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椰子の木が生えている通りの中心には路面電車も走っていますので、市電にてニューオーリンズの街並みを観察するのもいいかも知れません。
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南部の街に、赤や緑の車体が本当に彩りを添えてくれています。

 

2日目の夕方にはニューオーリンズを出発。搭乗した時には、何と煙が機内に充満……
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実は水蒸気が、機内に吹き出されていたのでした…

 

地上では第3エンジン(業界ではAPUと呼んでいます)を使ってエアコンを使用。外気が水蒸気をいっぱい含んでいると時々起こります。当日は5メートル先すらほとんど見えないほどに機内が真っ白になっておりました。
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前日には豪雨も降っていたので、湿度が相当高くて起こったというカラクリ…

 

でもフライトには影響はありません…目的地到着、こちらはニューヨーク・ケネディ空港。
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座席の空き具合を見ていて、これ以外に選択肢がありませんでした…

 

到着はほぼ日付が変わる夜遅く。深夜になってマンハッタンへと行くのは気が引ける、ということで、ケネディ空港の旅客ターミナルに隣接されるホテルで1泊。
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数年前に開業したばかりの空港内のホテル、TWAホテルへと滞在しました。

 

開業は2019年5月。2023年8月現在では、ケネディ空港敷地内に唯一存在するホテルとなっています。
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元々はTWAフライトセンターと呼ばれていた、トランスワールド航空(Trans World Airlines:TWA)の旅客ターミナルで、1962年から2001年までは旅客ターミナルとして機能していました。当時の発着便案内掲示板だったり、

 

時代背景をよく示す当時の代表的な車なども、展示されています。
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TWAのロゴなどは、当時のまま。
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天井が高く、上から見ると鷲が羽を広げたような形をしています。

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2階へと上がると、当時のトランスワールド航空乗務員の制服なども展示されていました。
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フロントの反対側へと行くとゆっくりと寛げるスペースもあり、

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TWAの主力機としても活躍していたプロペラ機なども展示されています。
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ちなみにこちらは4発エンジンのプロペラ機、ロッキード社製のコンステレーション
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大陸横断飛行も可能な航続距離を備える高性能機ですが、ボーイング707型機やダグラスDC-8デハビランド・コメットなどジェット機の黎明期に重なりこそしたものの、販売数はそれなりに善戦、総生産機数は856でした。

 

アクセスはケネディ空港内を走るエアトレインに乗車し、第5ターミナルで下車。プラットホームからは地上へ降りて向かう方法もありますが、もう1つの行き方がオススメ。

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ジェットブルー航空の到着ロビーを通り抜ける行き方の方がベター。車道を横切る必要がないので、時間は少々かかりますが遥かに安全です。到着ロビーを過ぎエレベーターを上ると赤い絨毯がすぐ目に入ってくるので、案内板の通りにフロントへと向かってチェックイン。全て自動の手続きで部屋用のキーも自分で作成するという、なかなかの優れものでした。

 

 

ニューヨークでの観光は、次回以降改めて紹介します。