Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、日帰りのフライトから帰宅

アメリカの地域航空会社で、小型旅客機に乗る、裕坊といいます。こんにちは。

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土曜日は1日の出勤で日帰り。12時ごろに空港に出勤して、夜8時ごろにデトロイトに帰ってくるスケジュールをこなしました。

 

今日のお題目は『チャーター便』。アメリカで定期航空会社がチャーター便を運航する時は、座席数が多い利点をして、各種スポーツチームをお届けする確率が圧倒的に高いです。

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聞くとデルタ航空では、各種スポーツ関係をかなり網羅しているらしく、メジャーリーグNBAプロバスケットボールチームをお迎えして移動することも、日常茶飯事なのだとか……

 

今日土曜日は、まずお昼頃にデトロイト空港へ出勤して、Cコンコースを北端へと向かいました。
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出発は、ゲートC27から…
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チャーター便は、お届けするチームの本拠地の最寄りの空港から、対戦相手の本拠地球技場の最寄りの空港までお届け、といったパターンになることが多いので、
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デトロイトのような定期航空会社が拠点としている規模が比較的大きい空港にて、乗客の方をお迎えすることは、あまりないそうです…

 

裕坊が乗るCRJシリーズのリージョナルジェット機は、元々がビジネスジェット機などでよく使われる小型ジェット機の派生型なので、

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今日のように、1便目が回送便だったりすると、ボーディングブリッジが据え付けられないことも多いです。

 

なぜかというと…
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CRJの搭乗口には、階段が付いているから……ちょっと急な階段を使って、昇り降り…

 

チャーター便には、旅客便を運航するのに必要となる乗務員(パイロットに客室乗務員)に加えて、

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ちなみにパイロットは2名、客室乗務員は50座席ごとに1人が乗務しないといけません。座席数が50を超えると、もう1名。

 

裕坊が本日乗務したのは70名仕様のCRJ−900型機。ですので、乗務してくる客室乗務員は2名。ここまでは、通常の旅客便と同じ…

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それに加えてデルタ航空管轄内のチャーター機には、もう2名の従業員が同乗してきます。

 

1人は、整備員。

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今回のチャーター便で立ち寄った空港は、通常の旅客便でも就航がある空港ばかりでしたが、旅客便の就航がない空港に発着していて予期せぬ故障等が発生したら、ということを想定しているそうです。 

 

お客様が乗って来られる時は、整備士は操縦室内にある、ジャンプシートと呼ばれる第3の座席に座って移動…

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もう1人は、「チャーターコーディネーター」と呼ばれる、会社を代表して顧客をお迎えするお世話係。
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飲料水やサンドイッチなどの注文などの手続きも、チャーターコーディネーターが全てを一括して処理します。

 

今回お届けすることになったのは、ミシガン州立大学の男子バスケットボールチーム。

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大学キャンパスは、ミシガン州の州都ランシングに近いところにありますので、まずはそこへと立ち寄って、

 

今日は通常の旅客ターミナルではなく、小型機などの給油サービスなどを請け負う事務所の前に駐機しました。

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この事務所はアメリカではFBO(Fixed Base Operator)と呼ばれ、小型チャーター機の手配や自家用機の給油、点検整備などを請け負ってくれます。ジェット機の離発着が可能な1,500メートル以上の滑走路がある空港であれば、大抵1箇所はこんなサービスを請け負う事務所があり、裕坊たちもバスケットボール選手を、こちらでお迎えすることになりました。

 

大きな整備庫、収納庫に事務所、あとはだだっ広い駐機場があり、ボーディングブリッジなどはありません…

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目の前に広がるのも、ひたすら駐機場のみ……
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取り扱いの中心になるのは小型機がほとんどで、こんなプロペラ機であったり、
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小型ジェット機だったり……プライベートジェット機や企業お抱えのビジネスジェット機なども、大抵はこんな事務所で給油をしてもらって、定期点検なども委託できます。
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今日は予定では夕方5時に出発のはずだったのが、いろいろと事情があったようで、予定より1時間ほど遅れると告げられ……
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せっかくですので、飛行機を降りて、事務所の中へと入ってみました。

 

事務所の中の様子。裕坊がフロリダ州で飛行訓練をしている時も、クロスカントリーと呼ばれる長距離飛行をこなす時には、こんな事務所に立ち寄って給油をお願いしておりました。
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航空関係以外でも、アメリカの事業所の建物の中は、大抵こんな雰囲気になっています。
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ゆったりとした待ち合いスペース。

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スナックやコーヒー、ドリンク類などはすべて無料。
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コンピューターも完備されていて、ここで飛行計画を航空管制に登録することなども可能になっています。
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3時間ほど待たされることになり、皆お腹も空いていたので、今日のコーディネーターはわざわざピザを注文してくれました。
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ちなみに今日のコーディネーターだったニックという男性、デルタ航空の社員で、普段は旅客ターミナル周辺の無線交信で、航空機整理を行なっているという、ちょっと異色の経緯をお持ちの方でした。

 

バスが姿を見せたのは、5時過ぎ……予定より、ほぼ1時間の遅れでした。
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選手たちを乗せたバスは一旦事務所前で選手たちを降ろして、選手たちは搭乗前に簡単な保安検査を事務所にて受けます。そして荷物を駐機場にて受け取り、搭乗…普段から飛行機での移動に慣れているのか、それとも試合のことに集中しているのか、記念撮影などしないあたりはさすがでした…

 

乗ってきたのは、選手13名、監督、コーチ、スタッフなどが17名の合計30名。70席のリージョナルジェット機は、その人数にはちょうどいい座席数ということなのでしょう。

 

行き先は、対戦相手となるオハイオ州立大学のキャンパスの最寄り空港となるオハイオ州コロンバス。
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飛行時間はわずか30分ほどと、あっという間……こちらでも到着地はFBOとなり、選手たちをお見送りしました。

 

そしてデトロイトへと帰ってきて、デトロイト空港での到着は通常の旅客ターミナル。
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ちょっと変わったチャーター便運航の1日でした。
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しばらくの間、お休みです。