Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊日記(2月8日)

米系の地方路線航空便を担当している、裕坊といいます。

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今週のフライトは、先週と先々週に多く雪が降ったところをたくさん訪れています。

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それは裕坊が拠点とするデトロイトも例外ではなく、従業員駐車場にもたくさん雪が残っておりました。

 

最初に立ち寄ったのは、オハイオ州シンシナティ(空港そのものはオハイオ川の南側にあるので、所在地はケンタッキー州になります)。
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人気のチキンバーガー屋さんが、とうとう完全に閉店…
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最近レストランでは従業員確保が間に合わず、店舗を絞って営業しているところが増えているというニュースが入ってきたばかり。アマゾンを始めとするオンライン販売会社に勤務すると、お給料などの条件が既存のレストランなどと比べると遥かに良くなるらしく、人材がそちらに流れているらしいです…

 

ミネアポリス到着。1月2月は極寒の世界で、気温も氷点(摂氏0度)を上回ることは、ほとんどありません…

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この日の気温も、マイナス16度でした…

 

もしこんな気温の中でサッカーをやっていたとしたら…
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フィールド内を走っている選手はまだいいかも知れませんが…

 

ほとんどゴールポストから動かないキーパーは、寒さ対策をせんといかんのやろな…
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観客の皆さんも大変やろな…
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ところが、あろうことか…

 

それが現実に起きておりました……
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実はカタールサッカーワールドカップの、北中米カリブ海地域の地区予選……

 

2月2日(水)のアメリカ代表対ホンジュラスの一戦。開催地はミネアポリスのお隣、ミネソタ州の州都、セントポール。外気温、なんとマイナス18度………

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雪景色のミシガン州に住んでいても、コートを羽織っていても外に出たくない気温だというのに…

 

ましてや北アメリカ大陸南アメリカ大陸のほぼ中間に位置し、年間の平均気温が25度という熱帯地方に住むホンジュラスの選手にとっては、ツラいなんてもんやなかったやろな…
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どんなに気温が下がった時でも、気温が1桁台になることがないホンジュラス
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よほどの気候変動でもない限り、ホンジュラスという国では雪をお目にかかることは絶対にございません…

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試合当日は雪こそ降ってはいなかったものの…
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雪が街じゅう至る所に残る中での、試合開催だったそうです…

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国土が広いアメリカであれば、
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温暖なマイアミでも開催は可能でしたし(ちなみに、当日の気温26度)、

 

西海岸のサンディエゴ(当日の気温24度)という選択肢もあったはずなのですが、
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蓋を開けてみると、““なぜか”“開催地となったのは極寒のミネソタ州
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”“アメリカの勝利に対する執念””をしっかりと見せていただきました…(試合は3−0でアメリカの勝利)。アメリカもワールドカップに出たいんやなぁ〜……よかった…よかった…

 

ニュースを読んでいると、ホンジュラスのサッカー関係者の皆さま、相当お怒りだったようで……

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腑が煮えくり返る思いもしっかりと伝わってまいりました……

 

 

 

次回は開催地もしっかりと交渉しておいた方がいいのは間違いないでしょう……

 

 

 

裕坊はその日は、アイオワ州のデモインにて宿泊。
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ダウンタウンのホテルに宿泊して、翌日はフライトがない1日でした。
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そしてその日は、アメリカの航空業界に新たな動きが始まった1日でもありました。

 

格安航空会社同士の合併の発表…

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対象となったのは、スピリット航空(本社、フロリダ州)と、

 

コロラド州デンバーに本社を置く、フロンティア航空。
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直近の旅客輸送実績などを見ていると、

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スピリット航空がフロンティア航空のそれを大きく上回っていて、

 

例えば旅客輸送人員実績では、2019年度のスピリット航空がおよそ3,400万人だったのに対して、フロンティア航空が2,100万人。
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運航規模でも、稼働機数がスピリット航空の157機に対して、フロンティア航空が112機(2021年12月末現在)。

 

ただフロンティア航空の親会社は、計4社の格安航空会社などを傘下に収めるインディゴー・パートナーズ。その影響力が大きく、合併後の新会社はフロンティア航空が主導権を握ることになるんだそうです。
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12名の新しい重役クラスのうち、7名がフロンティア航空からの選出。

 

そしてその実質的な権限を握ることになりそうなのがこの方。インディゴー・パートナーズの創設者であり代表者でもある、ビル・フランク氏。

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昨年11月、傘下に収める航空会社向けのエアバス機の大量発注で航空業界における注目を一身に浴びた方なのですが、ここでも大きなサプライズを成し遂げました。

 

フロンティア航空の現在の稼働機数は112機なのですが、発注機数がなんと242。
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全機の納入が終わる2029年末には、現在の3倍にも及ぶ稼働機材になることからも、格安航空会社ビジネスへの思い入れが伝わってきます。

 

フランク氏の思惑通りにビジネスが拡大すれば、アメリカの航空業界の勢力図が大きく変わることだけは間違いありません。
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どこまで路線網を広げるのか、大西洋路線、太平洋路線を含む国際線へも大きく進出していくのか、既存の大手航空会社への影響は、同業他社との新たな合併などまで模索するのか、などなど、裕坊も固唾を飲んで見守っています。

 

 

フライトが入らない宿泊滞在の日は、ダウンタウンをちょっと歩いて、
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近くのスーパーまで…
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こちらはお惣菜類がとても充実していることで、お昼などは近くのビジネスマンたちがしばしの休憩を取っているのをよく見かけます。
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裕坊はここでパック詰めのお寿司を買って、
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再びダウンタウンをホテルへと戻り、
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翌日の早朝出勤に備えるだけの、しばしの充電時間となりました。
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土曜日まで、残り3日勤務です。