Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊日記(5月25日)

米国地域航空会社に勤める小型機操縦士、裕坊です。

f:id:Yuichibow:20210526125527j:image

5月もいよいよ終わりに近づいてきました。5月後半は、5日勤務をこなして2日お休みのパターン。

 

実をいいますと、ここ最近裕坊の頭にこびりついていたことと言えば…

f:id:Yuichibow:20210523023418j:image

庭の散水装置。俗にいうスプリンクラー

 

比較的広い庭を多く持つアメリカ中西部の家庭。広い庭の大部分を芝が覆い、水やりの装置として地中に埋め込むタイプのスプリンクラーを多く見かけるのですが…
f:id:Yuichibow:20210523023410j:image

この装置の設置に当たって重要になるのが、逆流を防止する仕組み。

 

タイマーを設置して自動的に散水する家庭が多いのですが、

f:id:Yuichibow:20210526111257j:image

常に水道の水が一定の方向に流れるように設置しておかないと、水が逆流しだすと汚染された土の成分などが水道管の中に流れ込む可能性が出てきます。付近の家庭の飲料水を汚染しないために、時々行われる逆流防止装置の検査。裕坊が住んでいる地域が、この春は対象となりました。

 

逆流防止のカギになるのが、この金具。英語でもそのまま逆流防止装置(Backflow Preventer)、俗にチェックバルブとも呼ばれます。
f:id:Yuichibow:20210526111540j:image

 

仕組みは本当に単純。
f:id:Yuichibow:20210526111537j:image

 

水圧を利用して、片方の向きにはスムーズな流れを阻害せず、反対の方向には流れが行かないようにする仕組み。スプリングなどを利用している金具もあります。

f:id:Yuichibow:20210526112332j:image

DIYとも呼ばれる日曜大工をする人であれば作業自体は簡単なのですが、市からの通達で特定の認可を受けている水道屋さんに頼んで、水圧を計測する必要があるとのこと……水道を止めた状態でも、正の値の水圧が計測できれば合格ということらしいです。

 

5月末が水圧測定の期限とあって、水道屋さんは今月は休む間もなく出ずっぱりだったらしいのですが…

f:id:Yuichibow:20210526112423j:image

タイミングがいいことに、フライトを終えたその日に来ていただけました。ただ実は番地が1つ違いのお向かいさんのお宅に訪ねていたという、おっちょこちょい水道屋さん……作業道具をいっぱいに積んだ車も、お向かいに止まっとるし…

 

こちらが我が家の逆流防止装置。
f:id:Yuichibow:20210526111254j:image

中に装着されているバルブのうち、留め金に装着されているゴムがいくつか緩んでいたために交換が必要になり、お値段180ドルなり……それでも悩みのタネが1つ消えたから、いいとしよう……

 

ちなみにこの逆流防止装置、裕坊が乗務しているリージョナルジェット機にも使われていて、

f:id:Yuichibow:20210526120024j:image

与圧装置や燃料系統などに組み込まれています。特に与圧装置は、エンジンで圧縮された高圧空気の流れで制御するので、とても重要。

 

高圧に耐えられる金属を使用しているので、お値段も一個あたり数百ドル(日本円にして数万円)するシロモノなんだそうです……f:id:Yuichibow:20210526120022j:image
高圧縮空気に常にさらされているだけあって、ジェットエンジンが高くつくのも分かる気がする……

 

ちなみに我が家では、散水には家の外壁から伸びている蛇口に、市販のスプリンクラーを取り付けて水撒きをしています。
f:id:Yuichibow:20210523023405j:image

 

初期費用が安くて済むのはいいのですが、毎回すごく手間がかかるのが欠点…
f:id:Yuichibow:20210523023345j:image

 

ただ我が家の場合は、庭はそれほど広くはないので、
f:id:Yuichibow:20210526125029j:image

 

しばらくは “手動式“ のスプリンクラーで頑張ってみます…
f:id:Yuichibow:20210526125034j:image
体力が続く限り………

 

 

先日月曜日に終わったばかりの5日勤務のフライトでは、アイオワ州シーダーラピッズという街で、1日丸々の宿泊滞在が入っていたので、

f:id:Yuichibow:20210526125507j:image

ほんのちょっとダウンタウンを探検。

 

ただ土曜日だったとあって、お店はほとんどが閉まっていて、人影もほとんどなくひっそり…
f:id:Yuichibow:20210526125448j:image

歴史的建造物にも豊富で、チェコスロバキアからの移民も多いことで知られるシーダーラピッズ。

 

冬は寒さが厳しくなるアイオワ州の都市とあって、スカイウォークと呼ばれるビル同士を結ぶ渡り廊下同士が、たくさん張り巡らされておりました。

f:id:Yuichibow:20210526125501j:image
f:id:Yuichibow:20210526125519j:image

 

けたたましい警笛音が聞こえると思ったら、宿泊していたホテルの近くに線路が走っていたり……
f:id:Yuichibow:20210526125511j:image

 

ただし通っているのは貨物列車のみで、旅客用の駅舎などはどこにも見当たらず……

f:id:Yuichibow:20210526130420j:image

 

かつては旅客列車も走っていたらしいですが、それも調べてみると60年以上も前の話でした。
f:id:Yuichibow:20210526130416j:image
アメリカで線路を見ても、走っているのは貨物列車のみ、というところは多いです。シーダーラピッズもその1つでした。

 

1日丸々滞在になったあとは、必ず超早朝の早起きがついてきます…
f:id:Yuichibow:20210526125454j:image

最初の2日間を午後シフトで過ごして、後半の2日間が午前シフト。

 

コーヒーが手放せません…

f:id:Yuichibow:20210526132023j:image

 

最近のアメリカの旅客航空業界では客足の戻りが急激で、午前中のコーヒーショップではかなりの行列もできるようになりました。
f:id:Yuichibow:20210526132006j:image

 

先日のアトランタ空港では、今まで見たことがないような行列がスタバにできるほどになり、
f:id:Yuichibow:20210526132027j:image

営業を再開したところでは、てんてこまいの状態が続いています。

 

その急激な客足の戻りに供給が追いつかないところもあり、
f:id:Yuichibow:20210526125522j:image

機内ドリンクサービス用の供給車の運転手が足りなかったり…

 

最近では給油待ちで時間を消費したりなど…
f:id:Yuichibow:20210526125527j:image

何事もあまりに急すぎると、どうしても無理が出るようです。

 

 

 

 

次の5日間勤務のフライトは、木曜日の出勤です。