アメリカの地域航空会社で、小型旅客機操縦を担当している、裕坊といいます。
東京オリンピックの終了、インターネット上のニュースを通じて、映像で拝見しました。
日本にとって金メダル27個を含む合計58個のメダル。パフォーマンスを最大限に発揮した選手の皆さん方、また大会を支えた多くの関係者の皆さん方に、大いに頭が下がる思いです。
ただ日本での開催であったにも関わらず、外国からの日本への入国の制限が今も続いていて日本が遠いと感じていたせいか、どこか遠いよその国で開催されているような感覚で映像を見ている自分がいました。
オイル交換で車の整備屋さんを訪れた時には、テレビで時間潰し。その時チャンネルでは、オリンピックが中継されていたのですが、
米国における視聴者数は、ロンドンオリンピック時に比較すると半分程だったんだそうです…メダルの数では、アメリカは今回も群を抜いて多かったのですが…
裕坊にとって画像から日本開催を感じたといえば、野球の開催地となった横浜スタジアム。
外野席越しに見る夕焼けは、記者の方にとって、とても印象的だったそうです。ただ全体的には、日本での開催をほとんど実感することがなかった2週間…あっという間に終わってしまった感が残るオリンピックでした。
その間も、アメリカの航空業界における『狂騒曲』状態は続いていて、
行くところ行くところ、あちこちで大混雑…こちらはアトランタ空港の、Bコンコース。
こちらの写真は、イリノイ州のブルーミントン空港。周辺に風車がたくさん並んでいるのが見える空港です。
ビジネス需要もそれなりに回復しつつはあるのでしょうが、大半は旅行での利用の皆さん。
昼食や夕食を買うのですら最近は一苦労で、
先日は人気のチキンバーガー屋さん「Chick Fil-A」というお店の列に並んで…
やっとのことで、チキンバーガーをゲット…
人員不足は航空会社だけの問題ではないようで、飲食店でも人手不足の影響は出ているそうです。ですので、空港内の飲食店の開業状態もまちまち…
いつも同じ時間まで営業しているとは限らず、開いているお店に長い行列を見るのが、最近では日常になってしまいました。
一時は航空会社を利用する方が蒸発するかのようにいなくなり、
各航空会社とも旅客便を軒並み欠航し、早期退職を募集することによって生き残りを図っていた、昨年のアメリカの航空業界…
状況はまさに180度反転して、現在では乗務員が確保できないことによる欠航が、各社とも軒並み相次いでいます。
その「乗務員不足を補う」ために、各社とも「過剰なほどの」採用数を発表。
例えばアメリカン航空を例に挙げると、今後1年半ほどの間にパイロットだけでも1,500名ほどを外部採用するんだそうです。
ユナイテッド航空は、さらに積極的に採用を進める計画のようで、
今後2年間の間に、3,000名を採用すると発表…単純に24ヶ月間でこの数のパイロットを育成するとなると、1ヶ月あたりでなんと125名。1週間あたりで換算すると、ほぼ30名。
ちなみに、新しく航空会社に入社したパイロットは最低限2ヶ月ほどの座学が課され、さらには飛行訓練にほぼ1ヶ月近くが必要になり、その間にも、現役のパイロットたちが航空法上課される座学研修、飛行訓練なども並行して進めていかなくてはならないので、それらを全て考慮すると……
現実的ではない……正直お手並み拝見ということになりそうです…
というよりデルタ株による感染を中心に、新規に陽性と診断される人の数が増えているアメリカ。今後のこと自体がまだまだ流動的で、秋以降のことですらまだ分かりませんから、状況がまたしてもガラリと反転する可能性も大いにあり……
特定の州では、コロナウィルスでの陽性診断が激増中なのですが、その中でも顕著なのがフロリダ州。先週の金曜日には、21,683件の新規陽性の診断があったんだそうです。免疫の力が落ちてくる秋から冬にかけて、デルタ株やラムダ株などがどんな影響を及ぼすのかは、未知数…
州や各自治体などによっては、マスク着用義務の法律の再施行を実施し始めたところもあり、こちらも流動的。コロナウィルスによる影響は、まだしばらく続きそうです。
月曜日に終えたばかりの5日勤務でのフライトは、アトランタを起点にする旅客便を担当するのがほとんどでした。
こちらは、エアバス機の工場がすぐ至近距離にある、アラバマ州モービル。
北米向けの1列通路型のエアバス機は、ほとんどここモービルにある工場で最終組み立てが行われていて、
空港内にも、エアバス社による広告が大きく目につきます。
3日目には、ペンシルベニア州の州都、ハリスバーグに宿泊滞在。
翌日は夕方の便の担当だったのですが、
76名の乗客が乗ってこられて、満席での出発でした。
ちなみに日曜日にはカナダの最大都市、トロントでの宿泊が入っていたのですが、
しばらくは閑散としていた国際線にも、徐々に客足が戻りつつあるのを実感するフライトでした。
国際到着での荷物受け取りでも、結構な人の数。
最終日となった月曜日は、トロントからのデトロイト行きを担当したのですが、
一時は閉鎖されていたBコンコースの出発ゲートの運用が再開になっていました。
一部で入国条件などが緩和されていることもあって、外国からの航空機も飛来するようになっています。
写真はブリティッシュ・エアウェイズのドリームライナーこと、ボーイング787型機。まだまだ本格的な制限緩和には時間がかかるかも知れませんが、カナダでは都市再開の兆しは見せ始めています。
デトロイトに戻ってきてゆっくりできるのは、
正味1日…
次回は水曜日に出勤の予定です。