Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、4日目

アメリカの小型旅客機専門の航空会社に勤める、裕坊といいます。こんにちは。

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先週の金曜日に始まった5日勤務のフライト、あっという間に3日間を終わってしまいました。

 

裕坊が勤めるような地域航空会社の場合、大手航空会社の拠点空港での乗り継ぎのお客さんをお届けするのが主な役割なので、担当便の時刻は深夜か早朝になることが多いです。

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我が社の場合、5日連続勤務のフライトをこなす場合、契約の規定で初日の出勤時刻は早くてもお昼以降、最終日は夕方5時には勤務終了。これは州外から「飛行機通勤」してくる乗務員に対する利便性を考慮しています。勤務初日に自宅を出て「飛行機通勤」し、勤務終了とともに、再び「飛行機通勤」して、その日のうちに自宅まで帰る、というのが狙い…

 

そのため通常は空港への出勤時刻が毎日少しずつ早くなり、最終日の出勤は5時台になることも少なくないのですが、今回は例外的に毎日午後出勤となりました。

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初日に泊まっていたのは、インディアナ州第2の都市、フォートウェイン。アメリカ独立戦争後期に西部戦線最後の砦として18世紀末に作られていた都市なので、中西部の中では歴史がある都市の1つ。写真は2日目の出勤時の風景…

 

ダウンタウンの一角にあるホテルに宿泊していたのですが、18世紀に作られた都市ということもあるのか、教会がかなり集中して並んでおりました。
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こちらは、ホテルからも見えたダウンタウン中心部に聳え立つ教会。アメリカでは豪華な造りの教会は、カトリックであることが多いです。

 

 

写真の上が切れとるし………

愛妻ちゃんから突っ込まれそう………………

 

 

 

撮影の腕をもっと上げます💦………

 

 

 

角を曲がったところで、また別の教会が建ち、
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空港へと向かう道のずっと向こうにも、もう一軒の教会……
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敬虔なクリスチャンが多い名残であることは、想像に難くないです。

 

フォートウェイン空港、到着……
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実はここの空港は、50名仕様のCRJ−200型機に乗務していた頃以来とあって、訪れたのはもう7年ぶり…

 

ですので、空港内のことは全く覚えておりませんでした……
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こんな飛行機が、吹き抜けに飾られてたんやなぁ〜〜……

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ちなみにフォートウェイン空港は、地元のお菓子会社と提携しているのか、出口でクッキーのサービスがあります。
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ミニクッキーが5つほど入って、チョコレート付き…
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出発ゲート4からの出発で、
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2日目の1本目の担当便となったアトランタ行き。

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計器パネルが1つ故障した機体でのフライトでした。

 

ここ最近は、どんより曇り空が続く中西部。降下の時に主翼や尾翼等に氷結することも少なくないです。計算上の揚力を得られなくなることもあるので、出発する頃になっても氷が付着したままの時には、離陸前に除氷作業……こちらは格安航空会社の1つ、アリージャント航空機。

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裕坊の担当便も、出発前に同じ作業を施しての離陸となりました。

 

アトランタ到着…

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別のターミナルへと移動します。


使うのは、コンコース間を結ぶ地下鉄『プレイントレイン(Plane Train)』。
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途中までは、裕坊1人だけの貸切状態でした。
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実は今回の勤務では、もう1箇所裕坊にとって久しぶりとなった空港がありました。

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デトロイトから車でやってくるとすると、およそ南に3時間ほどのオハイオ州デイトン。

 

工業都市が多いオハイオ州にあって、産業にやや陰りがあるデイトンは、1960年台に26万人になったのをピークに人口は減少を続けていて、2019年度の人口統計では概算でおよそ14万人。
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ピーク時に比べると、人口はおよそ半分にまで減ってしまいました。

 

それを反映しているのか、ターミナルもこじんまり……
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乗客の姿もまばらとあって、ターミナル内のレストランやファーストフードのお店なども、休業になっておりました。
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ただオハイオ州デイトンは、航空業界に名だたる功績を残した人たちが生まれ育っています。

 

それは、世界初の有人動力飛行に成功した、かのライト兄弟
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ライト兄弟肖像画は、アメリカの連邦航空局が発行する操縦士免許証カードに、そのまま掲載されています。
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左側が兄、オーヴィル・ライトで、右側が弟、ウィルバー・ライト。

 

こちらは当時デイトンにあった、ライト兄弟の生家。現在はミシガン州にあるグリーンフィールド・ビレッジ(ヘンリー・フォード博物館に隣接)に移転されています。
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現在のライト兄弟生家。
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実はライト兄弟はその当時、自転車屋さんでした。この写真にある自転車屋を共同運営しながら、動力飛行機の開発もやっていたそうです。
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自転車屋さんは、デイトン市内の博物館敷地内に保存されています。

 

写真の「ライト・フライヤー号」に「搭乗」して、人類初の「動力付きで、しかも操縦系統のある航空機」としての初飛行が記録されたのが1903年12月17日。

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風がたくさん受けられる場所を選んだため、実際の飛行はノースカロライナ州キティホークの丘の上で行われました。
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動力飛行自体は、気球や飛行船などでライト兄弟以前に既に達成されていますので、ライト兄弟がやったのは「操縦系統付きで動力源付きの航空機」としての世界初飛行成功でした。スミソニアン博物館などではライト・フライヤー号に対して、「空気よりも重い空飛ぶ機械」という注釈も付け加えています。

 

こちらはレプリカのうちの1つ。アメリカでは様々な空港で、ライト・フライヤー号のレプリカが展示されています。
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ちなみにオハイオ州デイトンには、ライト兄弟に因んで名付けられたライト・パターソン空軍基地もあり、
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その空港内には、国立アメリカ空軍博物館というのがあり、

 

戦闘機、攻撃機爆撃機などが大きな整備庫に数多く展示されています。

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アメリ政府専用機なども展示されていますし、

 

実はこちらには、日本が誇る名機、ゼロ戦の展示もありますので、
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要チェック……
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ただしコロナ禍の影響で、オハイオ州の博物館は軒並み休業になっておりますので、開館時間も調べておいた方がよさそうです……

 

 

 

 

4日目は夕方の空港出勤です。