アメリカ地域航空会社で、小型ジェット旅客機に乗る、裕坊といいます。こんにちは。
日曜日は4連休の最後のお休みの日で、明日から4日間のフライトに出勤します。
元々裕坊は、普段の休日でも家でのんびりタイプ……今年はコロナウィルスの感染で、愛妻ちゃんが勤めていた幼稚園も休園が続き、結局そのまま退職して、現在は専業主婦。高校2年生になる1人息子も今年度は1年間を通じて、全てオンライン授業。そんなわけで、今まで以上に休日は家で過ごす日が多くなりました。
この4日間のお休みでやっていたことといえば、お買い物に行って、
日本のとほとんど変わらないみかんを発見…
あとは息子くんが練習用に借りてきた、マリンバを家に持ち込んだことくらい…
ただ一旦パーツを外してそれぞれを毛布に包み、車の椅子の一部まで取り外して、車内のスペースを使い切っての大移動…
我が家にしばらく、こんな楽器が来ることになりました…
最近では休日になると、日本の塾に相当する授業までオンラインで受けておりますので、ほとんど勉強部屋に息子くんはこもりっきり…
モニターを数台ノートパソコンに繋げて、参考書や教科書などを一度に複数の画面に立ち上げ、課題なども効率的にこなしているようです。
ピアノのレッスンなども、全てオンラインになりました。ピアノは既に6年ほどやっているので、ある程度の基礎はできているので、これで十分なのかも……
レッスンが終わって、すぐに課題を復習できるのはオンラインレッスンならではの強みになっているようです。
かくいう裕坊も、先日引退後に備えての財政設計を、相談役とオンラインによるミーティングでこなしました。
ビジネスの場面でよく利用されるようになってきたという、マイクロソフト社製の、とあるアプリを使ってのミーティング。
どんなものになるのかと思っていたのですが、いざやってみると……
アドバイザーが使っている画面が、そのまま受信側のスクリーンにもそのまま表示される仕組み…
金銭の動き、市場予測、金融商品の種類に、様々な説明が、画面を通して次々に繰り出されてきました。
よくビジネスの世界で、業界の常識を変える新しいアイデアや商品のことを『ゲームチェンジャー』という言い方をしますが、これらのツールが交渉の場における「ゲームチェンジャー」であることを実感…
アメリカでは新しい契約の際には、幾つもの書類に次々に署名をしていかなくてはいけないのですが、
それなども契約内容に同意をして、同じ画面を共有しながら次々と必要項目に署名。ここ最近の旅客航空需要は、アメリカの国内線に限っていうなら旅行目的の移動にははっきりと需要が戻ってきているのを実感していましたが(またコロナウィルス感染が爆発的に拡大して、大きく縮小する可能性も大いにありますが…)、ビジネス利用に関していうなら、裕坊が見る限りまだまだ弱含み。
こういったオンラインによるビジネス用のアプリやソフトウェアがビジネスの場における標準になってきているのだとしたら、
ビジネス利用の回復が遅れているのにも納得……
裕坊はパイロットへと転身するまでは、薬剤師として7年間勤務していたのですが、当時は医薬品の購入にあたっては、病院や薬局などを医薬品メーカーや医薬品取扱卸業者などが直接資料などを持参して、交渉したり資料提出をするのが当たり前でした…
薬剤師をやっていたのは20年以上前の話ですので、既にその業務スタイルが大きく変わっているのは間違いないですが、
コロナ禍にあってはさらに変化が起き、オンラインによる交渉や資料の提出が新しい常態へと変化、なんてことにもなっているかも知れません…
定期航空会社のパイロットの世界でも、10年以上前ですと、出勤日は所属先となる空港の会社事務所へと出向いて、
そこで事務所の担当者に直接会うなり、専用のコンピューターを使うなりして出勤報告。
インターネットの活用こそあったものの、まだまだ限定的でした。
会社の規約に始まり、空港のレイアウトやら出発経路に到着経路などを示した案内情報なども、
使われていたのは、当時は全て紙の媒体…
裕坊の場合は、6冊ほどのマニュアルを、
こんなパイロットケースに入れて、持ち歩いておりました。
それが4年前から全ての情報が集約されたタブレットが、会社から乗務員全員に対して供給されるようになり、
出勤報告なども、このタブレット一枚で済ませてしまいます。
出勤日は、直接空港の出発ゲートへと赴いて、
フライトを数日間こなし、
管理職の人たちとやり取りが必要な時でも、これ一枚あれば通信可能。
直接会うことはおろか、電話で話をする機会すら以前に比べると激減してしまいました。
フライトが終わると、空港の到着ゲートから直接駐車場へと向かって、そのまま帰宅…
日帰りのフライトでは、同乗のクルー以外とはほとんど誰にも会うことなく仕事が終わってしまうこともあるほど……
ちなみに我がエンデバー航空では、客室乗務員にもiPhoneを使ったデバイスが支給されています。
機能や役割はパイロットが持っているタブレットと基本的には同じ。ただ機動性を重視して、客室乗務員には会社支給でスマホが常備されるようになりました。
ゲート係員やフライトオペレーションセンターにも繋がりますし、我々パイロットとも通信可能。
乗客数や各座席の予約なども、このスマホ1台で確認ができます。
かつてマイクロソフトの元会長であるビル・ゲイツ氏は、「インターネット上に上がってこないビジネスは、いずれ廃業になる運命にある(If your business is not on the internet, then your business will be out of business)」と言いました。
これはあくまでも、自分が今やっているビジネスがインターネット上に上がってこないのであれば、生き残りの機会はこれからは極端に減っていってしまう、ということを示唆していて、必ずしもビジネスの場にインターネットが入り込んでくる、と言った訳ではないのでしょうが、裕坊自身はオンラインツールの存在感を、この4日間のお休みを通じて改めて感じることになりました。
明日はお昼頃に、4日間のフライトへ出勤です。