Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、5日間のフライトへ出発

デルタ航空の子会社で、小型旅客機に乗っている、裕坊といいます。こんにちは。

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しばらく連休をいただいたあと、今日火曜日から5日間のフライトへと出勤しました。今回の5日間では、全部で担当する便数、18便……今日1日目と最終日5日目土曜日は3便を担当して、2日目から4日目は4便ずつを担当。短距離路線が多い地域航空会社ならではの典型的なスケジュールになっています。まさに……

 

 

ザ・リージョナル…………

 

 

5日連続のフライトへと出る場合は、我が社のパイロット契約の中に出勤時刻と勤務終了時刻に関して締結になっている項目があり、どんなに早くても出勤時刻はお昼以降、勤務終了は夕方6時までという契約になっています。そんな訳で州外から『飛行機通勤』する連中に人気。初日の出勤時刻がお昼以降であれば、前日から宿泊をする必要がなくなり、最終日も6時までに終われば、また当日のうちに家まで帰れるとあって、『飛行機通勤』する者にとっては、とても助かるという計算。

 

航空会社の乗務員には、勤める航空会社のフライトに空席がある場合は、無料で飛行機に搭乗できるという特典があるので、遠隔地に住んでいる乗務員は、それを使って「通勤」するのです。

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この1ヶ月間で一緒にパートナーとなった6名の副操縦士のうち、4名が「飛行機通勤者」でした。

 

実はかくいう裕坊自身も、2年半デトロイトからニューヨークまで「飛行機通勤」をしていた時期がありました。現在勤めるエンデバー航空の前身であるピナクル航空が破産法下に置かれ、所属していたデトロイト空港での運航便数が縮小することになり、裕坊も強制的にニューヨーク・ケネディ空港に異動……様々な手段を駆使して、ニューヨークまでの通勤をこなしておりました…

 

アメリカの航空業界では、『飛行機通勤』することを、「コミュート(Commute)」する、という言い方をします。

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コミュート(Commute)というのは、本来「通勤する」時に使われる単語。車や電車、バスなどで通勤する場合も、もちろん含まれます。なのに、アメリカの航空会社の世界では、飛行機で通勤をする時の用語……よく使う言い回しとしては『Commute to work』が代表的。じゃあ普通に、所属する空港まで自家用車を運転して通勤する場合は、どういう言い方をするか、というと……

 

 

『Drive to work』…

 

 

ちなみに航空会社の乗務員にとって、車通勤ができるのって『夢の中の世界(Living the dream)』……

 

初めてパートナーを組むパイロットとの会話は、ほぼ95%の確率で、『コミュートしてる?、それとも近くに住んでる?』で始まります。それで「近くに住んでるよ。車で20分ほどなんだ」と返すと、

 

 

「夢の中の世界やなあ〜〜〜』……………

 

 

裕坊も、今はひと時の夢を見ております。仕事がなくなりませんように…

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国内線需要は確実に回復基調にある、アメリカの旅客航空業界。コロナウィルスの感染再拡大は気になるところですが、需要が戻るのを見るのは嬉しいことです。

 

 

ちなみに4名の「飛行機通勤」をしてきた副操縦士のうち、3名はミネアポリスから……出身の学校名を聞くと、一同揃って「マンケイトー」。

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ミネアポリス国際空港からですと、車でおよそ1時間半ほど南西へと下ったところにある、ミネソタ州立大学が運営する航空操縦学プログラムらしいです。ただキャンパスは車で15分ほど離れたところにあって、座学はそちらのキャンパスにて受けると言っておりました。

 

昨年までは各航空会社とも慢性的なパイロット不足に悩まされておりましたので、我がエンデバー航空も、宣伝を兼ねて何度も訪れていたらしいです。
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訓練機は、ほぼ例外なくパイパー・エアクラフト社製(本社、フロリダ州・ベロビーチ)を使っているそうで、双発機の主力は写真のパイパー・セミノール(PA−44)。

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単発機は、ほとんどがパイパー・チェロキー(PA−28)。

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高翼型が圧倒的に多いセスナと違って、パイパーはほぼ例外なく低翼型。開放感に溢れて、見晴らしがとてもいいので、飛行機に乗っているという実感はパイパー製の機体の方が圧倒的に上です。ただし後部座席に座ると、主翼に視界をかなり遮られてしまうので、後部座席から外の景色を眺めたいのであれば、セスナの方が裕坊的にはオススメ。

 

実は今回の5日間のフライトのパートナーになるマディソンさんも、ミネソタ州の生まれ育ちで、出身はマンケイトー。ミネソタ州は東部時間に属するデトロイトよりも1時間遅い中部時間帯。今日の空港出勤時刻は1時過ぎでしたので、裕坊はお昼過ぎにゆっくりと我が家を出たのですが、マディソンさんは家を6時過ぎに出発していたそうです……

 

 

これが『コミュート、飛行機通勤する者の運命』………

 

 

ただ最近になって社内で行われた配置換えで、ミネアポリスへの転勤が決まったらしく、来月からは「車通勤」ができるようになる、と喜んでおりました。

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『夢の中の世界』まで、あと2週間‼️

 

 

 

この5日間は、ずっと走り続けるようなスケジュールが組まれています。

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今日は屋外駐車場へと止めて、バスにてターミナル入り。

 

AコンコースのA31からの出発になり、
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まずやってきたのは、ミズーリ州カンザスシティー。
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こちらが到着ゲートの60。
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ちょっと向きを変えてカメラを向けると、出口がすぐ目の前に見えます。
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ガラス越しには、路線バスが走っているのまで見えておりました。飛行機を降りて、お迎えの車に乗り込むまで、5分で行けてしまう便利さ……ただ老朽化が激しくターミナル内が極端に狭いので、建て替え工事が既に始まっています。

 

その新ターミナルビルの輪郭は、徐々に見えるようになってきました。
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デトロイトに戻ってくる頃には、辺りはすっかり暗くなり、
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今日の最終目的地は、デトロイトからすぐ近くのオハイオ州クリーブランド
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ここはいつも工事が続いているので、ホテルの送迎シャトル乗り場もコロコロと変わります…

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前回来たときは、出発階へのお迎えだったのですが……
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どうやらまた変わってしまったらしい……

 

行き掛けの駄賃やあ〜〜…
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余計な写真を一枚撮影…

 

再び到着階へと降りて、
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エスカレーターを降りて、道路の下をくぐり…
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やっとシャトル乗り場が見えてきて……
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ホテルのロゴが入ったワゴン車も、やっと見えてきた…
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ホテル到着…
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明日は4便を担当です。