Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、休日(10月27日)

アメリカの地域航空会社で、地方路線を中心に飛んでいる、裕坊といいます。こんにちは。

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今日火曜日からは、本当に久しぶりの3連休。昨日月曜日は休日を返上して、日帰りでフライトをこなしてまいりました。

 

月曜日は朝出勤して、まずは『デッドヘッド(Deadhead)』で、デトロイトからミネアポリスへの移動。「デッドヘッド」とは乗務員が客席に搭乗して、次の担当便に備えるという、業界用語のことを指します…

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『デッドヘッド』の語源は色々あるようですが、乗務員にとってはスケジュールの中に組み込まれた中で客席に乗っての移動、ということになるので、「乗務員自身は運賃を払わない」ということを意味するところから来ているらしいです。「トムソーヤの冒険」の著者であるマーク・トウェインとチャールズ・ワーナーの共著『金ぴか時代(Gilded Age)』(1873年初版)の第4章で、国会議員の移動の際に乗車券が鉄道会社から議員に対して無料配給されるというシーンがあるのですが、そこで初めて「Deadhead」という単語が使われました。

 

ちなみにトラック業界では、

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配送が終わって荷台が空になった状態で、トラックを運転する際に使われる用語なんだそうです。

 

昨日搭乗したのは、エアバス321型機。

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かつてはボーイング社、マクドネル・ダグラス社製とアメリカの航空機製造メーカーの旅客機だけを運用していたデルタ航空。2010年のノースウエスト航空との合併後は、エアバス社製の旅客機へと主力を次々にシフトしています。特にその中でも存在感を増してきている、エアバス321型機。

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現在導入しているのは104機。新世代機を含めての発注残は123機。全機が納入されると、デルタ航空で最も導入機体数が多い、1番の主力機になります。

 

従来の中距離エアバス機と比べてもかなり全長が長くなっているので、それだけでもひときわ違いが目につきますが、
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主翼上の非常口がなく、乗降口が両側に4つずつあるので、それだけでも簡単に判別できます。

 

ちなみに従来からある中距離路線用エアバス機は319型機と320型機。

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319型機は、主翼上に非常口が片側1カ所ずつあり、

 

320型機は片側2カ所ずつ。

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ちなみに319型機と320型機は、ほぼ全機ノースウエスト航空からの継承機材になっています。


ミネアポリス空港にはお昼前に到着。デトロイトからの便は、大抵Fコンコースへの到着で、
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こちらは人の往来が多いせいか、ファーストフードのお店などは、ほぼ全店が営業中。上の写真は全米でも人気が高いチキンバーガーのお店『チックフィレー(Chick Fil−A)』。いつ来ても行列…ちなみに日曜日は全米の全店で、例外なくお休みになります。従業員の方達に、家族ととともにゆっくりして欲しい、というのがこのお店の方針。昨日は月曜日でしたので、営業しておりました。

 

中華料理屋さんも…
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午前中とあってまだ人はまばらでしたが、こちらも人気は高く、夕食時になると、いつも行列ができます。

 

 

Fコンコースはちゃんと営業しているのに……

 

 

メインコンコースのフードコートがまだ閉まっている、というのがよう分からん……
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こちらはしばらくの大改装を経て、昨年営業が始まったばかり……

 

ちなみに、こちらのお寿司屋さん、ポケ丼が10ドル以下で買えるなど、裕坊も営業中はけっこうお世話になっておりました…
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また再開するんやろか……

 

天井が高くなって開放感に溢れるようにはなったのですが、正直言うとかつてのミネアポリス空港のフードコートを知っている者としては、以前のフードコートの方がよかった気がする…
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仮に全店が営業を再開したとしても、お店の数は以前の方が断然多かっただけに、物足りない感が裕坊的にはハンパないです。

 

担当便の出発までに3時間ほどの地上での待機がありましたので、外をゆっくりと眺めておりました。
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先週雪が降って、しかも20センチ近くも積もっていたというミネアポリス……まだ雪の塊が一部で残っておりました…

 

裕坊が乗務するリージョナルジェット機は、Cコンコースの運用が主体。
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こちらのフードコートはAコンコースの入り口のベーグルのお店ですと、午前中も営業しているみたいです。

 

昨日はシンシナティを経由して、

 

デトロイトへと帰ってきました。

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こちらが到着階から、荷物受け取りロビーのある階を見下ろした時の様子。
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先日土曜日にフライトを終えた時は、この倍くらいのお迎えの車で賑わっておりました。ちなみに昨日の全米における旅客航空ターミナルの保安検査場を通過した方の合計はおよそ90万人。昨年の同週における月曜日の利用者数が235万人でしたので、ほぼ4割に匹敵する数字。

 

それを受けてサウスウエスト航空では、3人がけ座席の真ん中席を空席にしていたのを、12月1日搭乗分から全座席解放を始めると発表しました。

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需要の回復に、手応えを感じているという証なのでしょう。乾坤一擲のバクチに打って出たわけではない、と思いたい……

 

 

というのも、秋が深まるにつれ、コロナウィルスの状況は悪化の一途……

 

 

そんな中、デルタ航空では若干座席販売数こそ増やしこそしたものの、あくまで家族同士で搭乗の際に隣同士で座れることを想定して7割を上限にしているということで、来年3月まではそれ以上の開放の予定はないそうです。現在でも3人がけの真ん中座席は、基本的には全席空席。

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昨日の搭乗便も真ん中座席は、ほぼ全席空席となっておりました。

 

第3四半期においても50億ドルを超える赤字を出しているデルタ航空。焦りはあるでしょうが、それでもお客さんの安全第一優先。裕坊はこの姿勢、高く買っています。

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(写真はデルタ航空最高経営責任者エドバスティアン)

なかなかできることではないです。コロナ禍が収まった時、大きな成果が実りとして花開くことを、心から期待しています。

 

 

今週金曜日の出勤まで、もう2日お休みです。