Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、3日間のフライト

アメリカ国内線中心の小型旅客機操縦担当、裕坊といいます。こんにちは。

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水曜日から3日間のフライトに出ています。

 

実は日曜日からも3日勤務になるのですが、全くスケジュールの内容が同じという偶然…

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航空会社の乗務員のスケジュールは、各月の運航便全便をコンピューターが効率よくなるように組み合わせて、4日勤務だったり5日勤務の出勤パターンへと作り上げ、それを各乗務員に割り当てる仕組み。ここ最近はずっと4日もしくは5日勤務のスケジュールが続いていたのですが、久しぶりに3日勤務が続くことになりました。

 

木曜日は3便を担当。3便目を担当する頃には、外は真っ暗…

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春休みシーズンが終わって空港が落ち着きを取り戻す頃になると、中西部の各空港では必ず工事が始まります。年によって工事の箇所も変わり、
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今年は出発ゲート付近の誘導路。バリケードが張り巡らされて、コンクリートの掘り返し作業が始まっておりました。

 

そして4月14日(木)のハイライトといえば、

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フライト中のドリンクサービスの一部が復活したこと…

 

春休み期間中は、コロナ禍以降の過去最高の乗客数を何度も更新したとあって、超強気モードに出ているアメリカの各航空会社。

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デルタ航空でも当初の予定通り、3人がけ座席のうちの真ん中を空席にしての運航を4月30日(金)までは継続することを決めているようですが、来月以降はそれも撤廃…

 

一部残っていた停泊機も、ほぼ全機が運航再開を見据えて、整備点検へと向かうことになっているらしいです。
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これはコロナ禍真っ只中にあった時の様子。

 

こちらは先週の、アラバマ州バーミンガム空港。いまだに5機ほどのエアバス機が停泊したままになっていますが、

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ほぼ全機が再整備待ち。

 

そんな経済復活モード全開になっているアメリカにあって、ドリンクサービスも一部が復活しました。

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こちらはコロナ禍真っ只中で配られていた「ケアパッケージ」。

 

中身を開けると、小さな水のボトルにスナックが2種類。
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最近では速乾性の手指消毒液なども、加えられていました。

 

こちらは、裕坊が乗務しているリージョナルジェット機(76人乗り)のギャレー。

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客室乗務員さんたちの仕事場です。コロナ禍以前ですと、900マイルを超える中距離便では朝食や昼食のサービス用の食事の用意などもされていました。

 

ドリンク類が収められているカートの戸を開けてみると…
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ジュース類がぎっしり…

 

コロナ禍前と比較すると、およそ半分くらいの大きさ。このオレンジジュースは150ccの缶。

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ただ350ccの缶と比べると飲みやすいです。コロナとは関係なく、ドリンクサービスにはこれくらいがちょうどいいかも。コップに注ぐ必要もないので、客室乗務員さんの負担も少なくなるはず。

 

ちなみに、お水の大サイズのボトルも復活。今までの小さなボトルと比べると、大人と子ども…

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ただコップに注いでのサービスは再開していないので、どんな場面で使うのか、ちょっと想像しにくいです。乗務員たちは、お水を飲むとき大抵この大サイズのボトルからいただいているので、恩恵を受けるのは乗務員だけ、ということになるかも知れません…

 

春休みが終わって、空港ターミナル内もやや落ち着いてきましたが、

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ビジネスマン風の乗客の方の姿を見ることも、最近では多くなってきました。ただ居合わせた乗客の方達とお話をしていると、その機会はコロナ禍前と比較してかなり減っているそうです。

 

例を挙げるとすると、こちらは先日訪れていたサウスカロライナ州チャールストン

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こちらには旅客ターミナルのすぐ裏側に、ボーイング社の製造組み立てラインがある工場があります。

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ドリームライナーこと、ボーイング787型機の最終組み立ては、現在は全てここで行われるようになっているのですが、
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受注残こそ抱えているものの、各航空会社の減収の直撃を受けて、生産後も駐機したままになっている旅客機。
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未使用のままの劣化を防ぐために、窓は覆われたままになっていて、各種の計器類、エンジン、主車輪などにはカバーがかけられたままになっています。

 

そのドリームライナーを窓越しに見ながら、これから出張へシアトルへと出かけるというボーイング社の社員の方とお話する機会があったのですが、
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コロナ禍以降は出張の機会も激減しているそうで、今年はこの出張が初めてなのだ、とおっしゃっておられました。ボーイング社でも、リモート式による会議や商談の機会が、かなり増えているんだそうです。

 

ただ出張に出かけた際の滞在期間が、コロナ改善と比べて大幅に伸びているそうです。月に4回出張して一回あたりの滞在が数日、というパターンから、出張は半年に1回、ただし出張ごとの滞在期間が1週間から、長い時だと1ヶ月になることもあるのだとか…

 

ですので最近は、アメリカではよく見られる長期滞在型のホテルに宿泊していることが多いそうです。
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大抵1ヶ月やそれ以上の滞在でも、それに耐えうるだけの設備を備えるのが、アメリカの長期滞在型宿泊施設。

 

冷蔵庫に、
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電子レンジ、
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電気式のコンロなんかもあり、
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調理器具に食器類、
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食器洗浄機まで…

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ただこれらの長期滞在型のホテルは、むしろホテルというよりアパートの感覚なので、
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豪華さやリゾートの雰囲気とは、無縁……何ヶ月もの滞在ともなると、人によっては息苦しくなるかも知れません…

 

最近巷でもよく話題になるワークケーション、という雰囲気を出すには、

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既存のホテルの部屋を改造して、一部を長期滞在型仕様にするか、

 

もしくは新しいワークケーションを第一目的にしたホテルを開発してしまうか…

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ホテルを中心とした宿泊施設の世界にも、変革が訪れそうな空気が漂っています。

 

 

 

金曜日は、夕方の出勤で2便を担当です。