アメリカの国内線を中心に、小型旅客機に乗る、裕坊といいます。こんにちは。
今日から6日連続の勤務へと出勤しました。
ただし今日火曜日は、デトロイトからバージニア州への往復便を担当しただけで、そのまま帰宅…
お昼頃の出勤で、ちょうど出発便の谷間といえば谷間の時間帯ではありました。それでも目にしていた光景といえば……
閑散としたターミナル…
元々2月は一年の中で、航空機を利用する方が一番減る時期ではあり、火曜日は1週間でも最も少なくなる日ではあるのですが……
普段は我々のリージョナルジェット機が頻繁に発着するA35ゲートなどを見ると…
しばらく出発便の予定なし……ちなみに先週、先々週とも火曜日は乗客40万人台で、コロナ禍前と比較するとおよそ3割ほどでした。
やってきたのは、アメリカ海軍総司令部があるバージニア州ノーフォーク。
普段は海軍関係者の搭乗が多い路線なのですが、結局往復両便とも制服姿の兵士の搭乗はありませんでした。76名仕様の客席に対して、乗ってこられたのは往路便が28名で、折り返しのデトロイト行きは12名…
ちなみに現在でも親会社のデルタ航空は、損益分岐点への復活は達成できておらず、赤字状態が続いています。赤字額は1日あたりおよそ1,200万ドル(日本円で12億5千万円ほど)…
本来需要が減っている路線に、客席数が少なく、運航コストも安上がりなリージョナルジェット機を多く投入するなどの工夫をすれば、赤字額を最小限にとどめることが可能になるはずなのですが、ここが契約社会のアメリカの難しいところ…
デルタ航空のパイロット組合が、会社と締結している契約の中に、リージョナルジェット機が担当できる便数の割合というのが記載されていて、
リージョナルジェット機を使いたくても、契約に阻まれてしまうのが実情……特に76席仕様のリージョナルジェット機の使用可能な機体数が、デルタ航空本体の運航便数の減少に伴って契約の条項を超えてしまっているが故に、客席数がさらに少ないリージョナルジェット機が投入されて、急場を凌ぐことになっています。
普段裕坊が乗務しているのは、主翼の上にある非常用口が片側2つずつあるタイプのCRJ−900型機。
この機体が76座席を有する、我が社の主力機材……
それに置き換わる機材として現在投入されている機材のうちの1つが、客席数69のCRJ− “700型機“ 。
主翼上の非常用口は片側1箇所ずつ。
76名仕様ですと、客席前方にも化粧室があるのですが、
700型機には、前方には化粧室はありません…
アメリカで有名な某ライターに、2時間以上のフライトで化粧室が1つしかないことを指摘された記事が、話題になったこともありました。
平均機齢が13年を超え、整備点検費用が76席仕様の機材に比べると高くなっているのが現実……
整備員たちが、日夜機体の整備点検に全力で取り組んでくれています。
そして完全退役が既に決まっていた、50名仕様の元祖CRJシリーズ “200型機“ が、一時的ではありながら、『現役復帰』することに…
重整備施設がある専用の整備工場で、『現役復帰』再整備を受けてからの、路線再投入。再投入予定の10機のうち、既に2機が復帰しました。
ただこれらは、あくまで付け焼き刃的な措置…
航空会社も、抜本的な路線改革が必要な時期に来ている、と最近では感じるようになりました。
やはり影響が大きいのが、ビジネス利用の激減…
コロナ禍以前ですと、当たり前のように見かけていたスーツ姿のビジネス客。
ただビジネスそのものが消えてなくなった訳ではなく(規模の縮小自体は、どの業界でも大なり小なりはあるのでしょうが…)、
今までなら直接会議へと赴いたり、
直接、対面式にて交渉をしていたものが、
リモート式にての会議や交渉などに置き換えられている、というのは想像に固くないです。
ビジネスに関わる方にとってみれば、対面式ならではの対人関係の構築がしにくい、直接商品を手に取ってみることができない、などのデメリットがある一方で、
移動の費用が節減でき、肉体的な負担も大きく軽減するというメリットがあります。
パソコンやタブレットの使い方に長けていれば、リモート式の方が数台の機器類を同時に扱いやすいでしょうから、ファイルなどの整理などもやりやすくなるでしょう。
既に多くの局面で、新しいビジネスの形式を構築しているビジネスマンたち。
その新たなビジネス様式を確立したビジネスマンたちを、いかにして取り込めるかが、航空会社の生き残りのカギを握るような気がしています。そのためには、“新しい産業作り“ を構築してみるのが、一番近道なのではないか、というのが裕坊の考え。
例えば、ホテル産業を取り込んでみたり、
レンタカー産業や、
あるいは鉄道などをビジネスパートナーとして、取り込んでみるのもいいでしょう。
もちろん長距離を移動する以上は、出向いた先での食事も必要になってきますから、
レストランとタイアップするのも、“新たな産業“ の担い手の1つになるでしょう。
今までは個々に単独で独立した産業を、“人の移動を手助けする総合媒体“ の1つとして確立し、その中に長距離移動の主役を担う “航空部門“ が存在する。短期出張が激減している今のビジネス界にあって、それに置き換わるものを航空会社がいかにして見つけるのか、いかにして掘り起こすのか、ここが今後のカギを握る気がしています。
今までデルタ航空は、米系の航空業界の様々な局面において、リーダーシップを発揮してきました。
コロナ禍をいかにして切り抜けるのか、これからの打開策に注目しています。
火曜日に担当したのは、バージニア州ノーフォーク行きの往復便。
空港から車で15分ほどのリゾート地、バージニアビーチのお土産物がたくさん並んでいる売店で、
今日、見つけたものとは、こちら………
アリ・キャンディー…………
よくできているなぁ、と感心して店員に尋ねてみると………
「入っているのは、本物の『アリ』だよ」……………
え???………………………………
こちらには、本物の『蜂さん』が入ってらっしゃいました……
勇気ある方は、是非このノーフォーク空港内売店で販売されている、「アリ・キャンディー」をお試しください…
ちなみに、裕坊は購入しておりません………
明日水曜日からは、宿泊滞在が絡む5日連続の勤務です。