Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊日記(4月4日)

米国国内専用小型旅客機で、副操縦士を務める裕坊です。

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4月2日(日)から始まった1日のお休みを挟んでの10連勤。実はそのうち日帰り勤務が1日入っているのでそこを他の日に振り替えたいのですが、なかなか希望が通らずにずっと待ちぼうけになっています……救いは30時間の宿泊滞在が、2回入ること…

 

今日4月4日(火)はメイヨー・クリニック(Mayo Clinic)で知られるミネソタ州の地方都市ローチェスターで、担当便が入らない1日を過ごしています。ちなみにメイヨー・クリニックとはその名から小さな規模の町のお医者さんなどを想像してしまいますが、実際には大規模の総合病院。

 

ミネソタ州は先週大きな吹雪があったばかりで、今日はその名残を留めるかのようなお天気。気温は4月に入ったというのにまだ一桁台でした。

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写真はホテルの部屋から見える景色です。ダウンタウンのほぼ中心部にあるホテルで周りにはレストランなどもあるのですが、外の気温は3度でしかも小雨がパラつくあいにくのお天気……歩いている人の気配もない……明日の空港への送迎シャトルのお迎えの時間が午前3時50分と強烈な早さなので、まだ夕方5時だというのに既に寝支度を整えてしまいました。

 

ローチェスター行きはミネアポリスからの出発になります。直線距離でおよそ120キロほどにしかならないので、飛行機だとあっという間。ちなみに昨日の離陸から着陸までの飛行時間は20分でした。地域航空会社時代はよく訪れていた典型的な地方都市の1つで、旅客ターミナルは基本平屋建て。

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最近は大手航空会社、貨物航空会社、格安航空会社も挙って競うようにパイロットを雇っているので、労働条件で劣る地域航空会社からは人材が流出しがち……地域航空会社での人材不足が深刻になる中、大手航空会社による地方都市への就航便もここ最近では多くなりました。

 

 

そのミネアポリスからやってくる前に、実はちょっとしたハプニング…シカゴからのミネアポリス行きを担当していた便のことなのですが、着陸後ゲート入りするまでの間に、30分ほどの足止め…

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その理由とは、この方の訪問があったから…バイデン大統領が、ミネソタ州に本拠を置く発電機制作会社を訪問していたということでした。クリーンエネルギーを創出に力を入れているというバイデンさん。先週から3週間に渡って、米国内での雇用創出も含めて精力的に全米を回っているということらしいです。

 

そして米国大統領が公用で各地を訪問する時に使用される機材がこちら…

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大統領が搭乗する時は、航空無線では『エアフォースワン』の扱いになり、航空業界では俗に『VIP』とも呼ばれます。実は「エアフォースワン」が飛来する時は、保安上の理由から民間の航空機は旅客機といえども全て足止めになるという、航空界の掟というものも存在します。

 

ミネアポリスでの訪問を終えて、次の訪問先へと向かうのにバイデン大統領だ一旦「エアフォースワン」に搭乗すると、離陸して滑走路を飛び立つまでは旅客機は一切の例外なく足止め……昨日はミネアポリス空港着陸の後、滑走路横にある駐機場でしばらく待ちぼうけでした…

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これがゲート到着後の、操縦室内搭載のコンピューターの写真。2143とあるのが着陸時刻。世界標準時を表示しているので、実際の現地時刻は午後4時43分。2221Zとあるのがゲート到着時刻で、現地時刻では5時21分。ミネアポリスでは着陸してからのゲート到着は国際空港としてはかなり短く、通常時は5分とかからないのですが、この便ではほぼ40分という異例の長さでした…

 

旅客航空会社ならではのあるあるです。

 

 

 

明日は恐怖の午前3時50分のホテル出発です…