Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、2日目

アメリカの、国内線中心の地域航空会社に勤める裕坊といいます。こんにちは。

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3日間のお休みをいただいて、金曜日からの4日間のフライトに出勤。デトロイトからは夕方の出発になりました。ちょっとどんより曇り空の中での出発でしたが、

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ミシガン湖を西へと越えると、あとは雲一つないお天気。

 

まず最初の目的地、ウィスコンシン州のアップルトンに到着した時は、快晴…
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こんな日は、フライトに出ていても、とても気持ちがいいです。

 

 

ただ晴れてる時は、フライトに出る時も気をつけておいた方がいいことも、たくさんあります…

 

 

特に大統領選挙を控えた最終週ということにもなれば、なおさら…

 

 

再選を目指す現職大統領のトランプさんも、民主党から立候補しているバイデンさんとも、激戦区となる州での票獲得のため、終盤戦で忙しく東奔西走中…

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よくフロリダ州の浮動票が選挙の行方を占うと言われますが(それをアメリカでは、スイングステイト(Swing state)と呼びます)、今年の場合はウィスコンシン州ミネソタ州ミシガン州などの票も選挙を大きく左右しそうな勢い…

 

この地図でいうと、黄色になっている中西部3州が激戦区。実をいいますと、昨日30日(金)は、トランプ、バイデン両氏ともミネソタ州入りして選挙演説にやってきておりました。

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トランプ大統領は、お昼にはウィスコンシン州グリーンベイへとやってきて、夕方からはミネソタ州のローチェスターまで。f:id:Yuichibow:20201101025825j:image

 

方やバイデン氏の方は、ミネソタ州のセント・ポールで演説。

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トランプ大統領は現職ですので、この機体でひょっとすると移動していたかも知れません…

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お馴染みのエアフォースワン。ジャンボジェット機こと、ボーイング747型機からの派生型です。

 

ただ実を言いますと、エアフォースワンとは空軍パイロットが操縦する機体に現職のアメリカ大統領が搭乗すると自動的に与えられる、無線交信用の符号を指します。

 

すなわち、もし空軍のパイロットが写真の2人乗りセスナに乗り込み、それに大統領が同乗すると、このセスナに与えられる無線交信の符号も………

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エアフォースワン…………

 

 

まぁ、身長190センチのトランプ氏がこの飛行機に収まることは、物理的な点からして考えにくいですが………

 

 

 

そしてエアフォースワンが忙しく飛び回る時、特に選挙戦大詰めの時には、パイロットとして気をつけておかないといけないことがあります。

 

 

それは一時的飛行空域制限の発令。英語ではTemporary Flight Restrictionsといい、普段は略してTFRと呼ばれます。

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通常でも、定期航空会社の旅客便の離着陸が多い空港だったり、ジェット機の巡航高度(アメリカ国内の場合は、海抜18,000フィート以上(およそ海抜5,500メートル))などでは、その空域内を飛行するための必要条項が定められていたりするなど、空域には様々な規定というのがあります。それが、大きなイベントごとだったり、救助活動、山火事などの消火作業などの際には、特別な空域制限が発令され、空域の制限が追加されるという仕組み。

 

フライトサービスステーション(Flight Service Station)と呼ばれる、航空情報の管轄機関に電話をすることによって、空域制限に関する情報などは通常得られるのですが、最近ではインターネットでも手軽に検索できるようになりました。
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昨日金曜日は、お昼下がりにトランプ氏が演説のためにウィスコンシン州グリーンベイ入りしていて、
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裕坊がアップルトンに到着する際にも、空域制限の注意を喚起する情報も上がっておりました……

 

 

ところがそれに気づかず、のほほんと遊覧飛行にでも出ている飛行機も多かったのでしょう。無線に耳をすませていると、制限空域から即刻立ち退くように警告する無線が何度も発せられていたのですが、どうやらそれすら気づかない飛行機も多かったようで………

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そんな時は戦闘機が追尾してきて、警告を受けることになります。

 

余程危険な行為をしない限りは、撃墜されることはまずないらしいですが、最悪パイロット免許の取り消しに至る可能性はあります。
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小さな空港から飛行機をレンタルして、ちょっとお散歩がわりにフライトへ出発、なんていう時は、この手の空域制限には本当に注意する必要があります。晴天時に気軽に軽飛行機で、というのは本当に楽しいですが、必ずフライトサービスステーションに電話を入れて、空域に関する情報は得ておきましょう。

 

昨日金曜日は、アップルトンに到着してからミネアポリスへと向かうフライト。普段ですと乗ってきた飛行機でそのまま向かうのですが…

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運用の都合から、飛行機乗り換え……

 

デトロイトーアップルトン間は70名仕様の機材で、ミネアポリスーアップルトン間は76名仕様、ということらしいです。

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ちなみにアップルトン空港内にあるこちらのお店のハンバーガー、けっこういけます。
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昨日はお弁当を持ってきていたので、素通り……

 

デトロイトからの到着は、5番ゲートでしたが、

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ミネアポリス行きは、3番ゲートからの出発でした…
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ミネアポリス到着……
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リージョナルジェット機をご利用の際は、Cターミナルから先は、レストラン等もほとんど閉まったままなので…

 

もし夕食などを買うのであれば、空港内に時々あるこんな看板で、営業中のお店の確認はしておいた方がいいです。
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そしてやってきたのは、ノースダコタ州のマイノット…
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真新しいターミナル。
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8階建ての吹き抜け式のホテルにいるのですが…
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風が強く、現在の最大瞬間風速は、およそ25メートル……

 

 

台風並みやな……

 

 

 

あと2時間ほどで、ホテルを出発です。