アメリカの国内地方路線を中心に飛んでいる、小型旅客機の操縦士、裕坊といいます。こんにちは。
今日日曜日のお昼過ぎに出発して、5日間のフライトへと出勤しました。
中西部地方は、お昼過ぎから大荒れのお天気。数日前にミネアポリスに雪を降らせた前線は、デトロイトには雪こそもたらさなかったものの、午前中に雷雨をもたらし……
そのあとには、西からの暴風が吹き荒れまくる大嵐……季節外れのハリケーンでもやってきたかのような荒れ狂いようでした……
裕坊が通勤用の使っている自家用車は、やや大きめのセダン……少々の強風であれば、左右に揺すられることなど滅多にないのですが、流石に今日は左右へとユラリユラリ……
ただごとではないなと思って、気象情報を見ると、何と最大風速30メートル……
今年の秋以降の『大寒波』の到来を予感させるように、大嵐になっていたミシガン州……
コロナウィルスの感染拡大状況を見ていても、ミシガン州でのそれは、到底理想的と呼べるものではありませんでした…
夏の時期は、新規に陽性と診断される報告数も州全体で平均600ほどにまで抑えられ、かなり下火傾向にあったのですが、11月に入ってまたも急拡大…とうとう先日11月13日(金)には、7,000名を超える新規の陽性者報告が入る事態にまでなりました(7,072名が新規に陽性と診断され、65名が1日で死亡)。
緊急事態宣言にまでは至らなかったものの、ミシガン州では新たな経済封鎖を発表することに…
別の表現方法を使うことによって、一部で施設の閉鎖に踏み切ることになりました。
主な内容としては、高校、大学の閉鎖、映画館や劇場などの閉鎖、レストランやバーなどでの店内飲食の停止措置、さらには在宅勤務が可能な職種の場合は、自宅での勤務を要請する、などなど……
グレッチェン・ウィトマー、ミシガン州知事は、「3週間における『停止措置』(3 week pause)」という、ちょっと柔らかめの表現を使って、一部の施設を閉鎖することになりました。これはウィトマー知事自身の経験を踏まえてのものでしょう。
今年の春、都市封鎖に反対して起こった超保守層による経済再開を求めてのデモは、ミシガン州に端を発しました。
一部では武装集団までが蜂起して、
州議会議事堂を占拠する事件まで……
過激派を刺激しないように、それでいてこれ以上の感染拡大を防ぐための手を打たなければならず、苦渋の決断になったことは想像に難くないです。
ミシガン州における病院や医療施設においては、感染の急拡大に伴って病床の占有率も急激に上がってきていて、一部では既に通常の病棟が満床になってしまったところもあります。さすがに何も手を打たないで、事態を見過ごすということもできなかったでしょう。
振り返ってみると、今年の3月にはニューヨークなどで感染爆発が起き、病院内のほとんど全てのスペースが集中治療室になっただけでなく、
病院内での遺体の安置が追いつかなくなって、苦肉の策として冷凍トラックが病院に横付けされ、
一時的に遺体が安置されていたということもありました。
病院でのスペースがいよいよ足りなくなって、本来なら憩いの場であるはずのセントラルパークに、一時的に野外病院が設営されたこともありました。
この苦い体験を間近に見てきているので、早めに手を打っておきたかったというウィトマー知事の思いが、よく伝わってきます。施行は11月18日(水)から12月8日(火)までの3週間。
ただ現在の急拡大ぶり、さらに低温乾燥という条件の元、ウィルスはこれからさらに活発になってくるところからすると、延長措置は避けられないかも知れません……経済活動再開が本格化していたアメリカですが、またここにきて急ブレーキ、ということになってしまいそうな怪しい雲行きになっています。
今日日曜日は、デトロイトを出発して、まずサウスカロライナ州のチャールストンまで。
こちらはハリケーン一過とあって、気温がすごく上がっていて、夕方になっても26度…
折り返しのデトロイト行きでは、綺麗な夕焼けを横に見ながらのフライトになったものの、
デトロイト地方は、かなり風が荒れていて、着陸時は速度計が上下に振れまくり……それでも夕方以降はほんのちょっとだけ風も弱まっていました。
その遥か上を行ったのが、今日の最終目的地となった、ニューヨーク州の最西端の都市バッファローでの着陸時…
突風の最大風速が秒速30メートル(60ノット)を超える中で着陸したのなんて、記憶にない……
着地するまで、激しく速度計が上下に振れておりました……
でも取りあえず着いた…
写真ではほとんど分からないのですが、ホテルの送迎シャトル乗り場へと行く道のりでも、嵐のような風が吹き荒れておりました…
やっとのことで到着。
明日は4便を担当の予定です。