Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、自宅待機(その2)

米国リージョナル航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

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コロナウィルスの影響で、航空会社は各社とも大幅減便……裕坊が勤めるデルタ航空の子会社でも、最初の計画からはほぼ80%の欠航で、しかも各便とも搭乗率は一桁台……裕坊自身、担当している旅客便は大幅に減っています。それでもアメリカ政府による緊急支援が決まって、とりあえず9月まではなんとか首が繋がりそうにはなりました。ただ、その後のことは流動的………

 

気になるのは、『投資の神様』とまで呼ばれる著名な投資家、ウォーレン・バフェット氏が、保有するデルタ航空株の半分以上を売却してしまったこと……一時は株価が大幅に下がって、「優良企業の資産が安く買えるのだから」と買い増ししていたのを一転、大幅売却……

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昨年2019年度の総売上高は470億ドルを超え、純利益はほぼ40億ドル……2015年以降は着実に利益を上げ、2017年以降は毎年30億ドル以上の純利益を出すなど、経営は順風満帆だったはずなのですが……連邦政府からの助成金の受け取ることになった際、自社株の買い付けがかなりの金額に上っていたことが、ここにきてアメリカのマスコミでも取り上げられるようになりました……

 

いろいろと調べていると、過去5年間の間に110億ドルもの自社株買い戻しをしていたということで……手持ちの現金はかなり枯渇しているようです……有利子負債比率(有利子負債/純資産)で見ると、0.89……財務状況が危険水域にあるといわれる格安航空会社の老舗サウスウェスト航空ですら、有利子負債比率は0.28……緊急助成金を受け取っても耐えられるかどうかは流動的……経営改善をしてどうにかなるレベルの減収ではないだけに、子会社に勤める裕坊としても、覚悟を固めておかなくてはいけません……

 

そんな状況の中で、バージン・オーストラリア航空が、日本の民事再生法に相当する「任意管理」に入りましたね。アメリカの航空会社とは違う財務状況に置かれ、オーストラリア政府による財政支援を得られなかったのだとか……

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最近破綻することになった、イギリスのFlybeなどのように、元々財務状況自体あまりよくはなかったようですが、求めていた14億オーストラリアドルの財政支援を断れられてしまい、とどめを刺されることになってしまったようです。

 

各航空会社の財務状況が急激に悪化する中、この状況が1年以上続くとなれば、航空会社に限らず健全な経営をしている企業といえども、財務的に体力が持たなくなるでしょう。民間では限界があるとなると、主要産業の一時的な国有化、などの抜本的な改革が将来的には現実のものとなるかも知れませんね。

 

 

大きな変革の流れが来ているといえば、教育の世界でもそれは同じ……既にミシガン州における教育機関は、今年度(2019年から2020年にかけて)一杯の学校封鎖が、ミシガン州知事によって正式に発表されているのですが、かと言って教育を止めるわけにはいきませんので、各学区ごとに様々な試行錯誤が始まっています。

 

我が家の息子くんは、4年制の高校の一年生。一部ではありますが、インターネットを使っての選択式の授業も取り入れられるように、なってきました…

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zoomなどのアプリを使うことによって、先生だけでなく、授業に参加している生徒の顔も一度に見ながらの授業を行なっているようです。

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ただこのご時世にあっても、まだインターネットを引けていないという家庭も多いらしく(ミシガン州、特にデトロイト周辺ですと、いまだに3割ほどの家庭でインターネットを引けていないそうです)、オンライン授業をするにはインフラの基盤が弱いため、オンライン教育の法制化の足枷になっているそうです。ですからオンラインの授業は、科目を限定した選択科目のみ、というのが現状………

 

ただコロナウィルスの経験を踏まえ、このような緊急時でも対処できるように、インターネットを使った教育方法は、今後充実してくることでしょう。
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むしろインターネットによる受講が標準になってくると、将来的には親とともにリゾートなどでパソコンを開いた状態で、
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こんな受講の仕方が、当たり前の世の中になって来るかも知れません。大学とかなら、十分アリやな〜〜。

 

また、こちらアメリカの高校では、大学の単位の一部で通用するAP(advanced  Placement)という制度があり、大学の履修基準に達するAPの科目を受講し、テストにおいて一定の水準を達成すると、高校のうちから大学の単位を取得することができます。今までですと、通常のテストと同じく受験会場に赴いての筆記試験だったそうなのですが、狭い密室に受験生を抱えるわけにはいかず、今年度より新しい方法が採用されることが決まったそうです。

 

試験はインターネットを使うことが前提になり、試験時間は45分間。

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あるテーマを一つ与えられ、それに対する考察をして論文を書き、45分以内にまとめるのだそうです。ただインターネットが切断された場合などを考慮し、試験終了後も15分の間、作成した論文をアップロードするだけの猶予は与えられるのだとか……

 

試験の合格基準は、息子くんがいうには64%。どのような基準を当てはめた上で点数を算出するのかはまだ分からないのですが、今年から新しく始まる試み……このテスト様式が一度浸透すると、今後試験なども自宅にいながらにして受けられるようになるかも知れません。いつの時代でも、大きな流行病が世界で蔓延した時には、世界の生活様式などに大きな影響を与えてきましたが、このコロナウィルスもインターネットを使って、仕事や授業の様式の常識を覆すことになるかも知れませんね…

 

 

今日はお天気がよかったので、ほんのちょっとだけ庭仕事……

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玄関周りを少し春らしく整え、

 

荒れた芝生に、栄養剤などを蒔く、のどかな1日を過ごしました……
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我が家のロビンさん、今日も3つの卵を、しっかりと暖めています…
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