皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。
明日から裕坊は、我がリージョナル航空会社の本社があるミネソタ州ミネアポリスまでお出かけして、フライトクルーには例外なく課される年に一度の研修を受けて参ります。期間は3日間。
ただ自ら操縦席に座って操縦桿を握ることはないので、制服ではなくビジネスマン風の格好をして……
一般の乗客の皆さんとともに……
フライトには搭乗……
学習するのは、飛行機に備え付けの緊急装備品の扱いだったり……
緊急装備品の設置位置の確認…………
飛行機のメカニズムもおさらいの項目に入ります。
我が社ではオンライン学習を受けることによって、座学でおさらいをすることはほとんどなくました。
現在は座学も3日間に短縮されましたので、なかなか時間は取れなくなりましたが、かつては整備工場の見学の機会があったり………
また最近、我がエンデバー航空会社では、座学は全て本社があるミネアポリスのビルにて行われます。フライトを管理する運航管理部もありますから……
その運航管理の実際を見たり、担当者と直接会話をしてこちらの要望を伝えたり、運航管理担当者の要望を聞いたりする絶好の機会にもなります。
また本社には運航管理部と同じ部署に、各乗務員の担当便や拘束時間をモニターする乗務員管理部もありますので……
乗務員管理の業務の実際を見学することも可能……
大抵こんなソフトを駆使して、各乗務員の動きを追います。もし拘束時間を超えた場合や、担当便が欠航などになった時は、青い部分が赤色になって、担当者が一目で分かる仕組みになっているそうです。
そして座学期間中、フライトクルーは大抵ここにかなり集まります………
頭の中はいつも、いかにしたらサボれるか……………
仕事しようや…………………………
最近の座学で重点を置かれるようになっているのが、悪天候時の対処について……
積乱雲にマイクロバーストなどの風雨を伴う悪天候は、フライトに何がしかの影響をもたらしますので、対処法を知っておくのは、とても大切…………
かつて御巣鷹山に日航機が墜落した1985年……その同じ年に、マイクロバーストと呼ばれる風向、風速の急激な変化を伴う天候に巻き込まれたデルタ航空191便がダラス付近にて墜落。これを教訓にマイクロバーストは重点を置かれる項目の一つになっています。
風雪による影響も決して無視することはできません。特にこれからの季節、滑走路にもたらす降雪は飛行機に対する影響大………
こちらは2005年、シカゴ・ミッドウェー空港で起きたサウスウエスト航空による滑走路逸脱事故。
住宅地の一角にある立地条件上、ミッドウェー空港は滑走路がとても短く、降雪時の滑りやすい条件の下では、操縦技術もさることながら、滑走路全長が安全着陸に耐えうるかどうかをしっかりと見極める必要があります。
エンデバー航空の前身でもあるピナクル航空時代に、同士が同じように滑走路を逸脱したこともありました。
これはミシガン州の北西部にあるトラバースシティ空港で起きたものですが、この時も滑走路は滑りやすい状態。
雪だけでなく、大雨の後などに滑走路上に浮きやすくなる水たまりの影響も場合によっては考慮する必要が出てくることも……
主要空港では除雪作業が頻繁に行われ、必要最低限の滑走路の状態は大抵の場合確保されます。連邦航空局が定めた滑走路の状態に関する情報を駆使することによって、最低限必要になる滑走路の距離を瞬時に計算できるようにはなりました。
ただこういった路面状態では、数値との誤差が出ることを考慮しておくことは必要…………
最近ではコックピット内のコミュニケーション、或いは客室乗務員、本社運航管理部、航空管制などとの意思疎通も大いに重点が置かれるようになっています。そのきっかけの一つになったのが、1972年に起きたイースタン航空401便墜落事故……
着陸時に降ろされる主脚が降りたことを確認できるランプが点灯せず…………………
クルーは緊急時マニュアルを取り出し、原因解明と対策に講じるのですが、その間ひょんなことから自動操縦装置はオフになっていました。飛行機は徐々に高度を下げていくのですが……………
3名いたフライトクルーは誰1人として気がつくことなく……………
原因は主脚が降りていることを表示するランプが切れていただけでした……………
過去の事故を教訓に、今後の安全へ生かしていくことは、とても重要。飛行機の仕組みや緊急時マニュアルの扱いなどを覚えておくことはもちろん重要ですが、こういった過去の事故例から教訓を得ることに、最近の座学は重点が置かれています。
午前中にデトロイトを出発し、午後から始まる座学へと出発します。
裕坊