Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊日記(1月25日)

アメリカの地域航空会社に勤める、裕坊といいます。

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長い長い連続勤務をこなして、昨夜帰宅しました。

 

連続勤務の最後の日となった月曜日夕刻の、従業員専用駐車場。
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空港はデトロイト市も属するウェイン郡(Wayne County:行政区分上は日本でいう県と市の中間の存在ですが、役割は日本でいう市とほぼ同じです)によって運営されているのですが、空港従業員駐車場もウェイン郡の管轄下。

 

雪が直前まで降っていて、除雪隊は空港滑走路の除雪にかかりきりでしたので、従業員駐車場は全くの手付かず状態でした。

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裕坊の愛車、アウディくんは駐車場の中でポツン…

 

積雪は見た感じで、5センチくらい…

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20分ほどかけて、雪落とし…

 

普段はフリーウェイと呼ばれる無料の高速道路を10分ほど走る経路で通勤するのですが、昨日は一般道を通って、倍の時間をかけて帰宅。
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地図アプリを開けてみると、あちこちで事故が発生しておりました。

 

そして今朝、目を覚ましてみると……
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雲一つない快晴のお天気に、眩いばかりのお日様の光…
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若かりし頃、スキーに行くたびに雪のある景色に憧れていた裕坊。この景色が見られるから、ミシガン住人はやめられない……それを今朝愛妻ちゃんと話したのですが……

 

 

 

愛妻ちゃん:私は、いつでもやめられるわ……………

裕坊:……………………

 

 

 

ミシガン州に住むからには、雪対策はしておいた方がいいです……

 

 

 

今回の連続勤務、実を言いますと14日間に渡りました。

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さすがに連続でこの日数をこなしたのは、現在の会社に入社して以来(勤続16年になります)初めて……

 

サラリーマン時代(裕坊はこの業界へと入る前は、製薬関連に従事しておりました)、特に営業を担当している当時は休日を返上するのは珍しいことではなく、時には30日以上の連続勤務をこなしたこともありました。

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ただそれは、裕坊が当時まだ20代だったからこそできたこと(ちなみに現在の裕坊は、50を超えております)…

 

そうでなくても20代の頃といえば、体力が有り余っていましたので、

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冬の週末ともなると、ほぼ毎週のようにスキーへと出掛ける日々。

 

金曜日の深夜にスキー板を乗せて、他社の営業担当と共に出発すると、

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スキー場の駐車場に着くなり車内で仮眠を取り、

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土曜日は1日じゅう、目一杯スキーを楽しんで、
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写真のイメージとはちょっと違いますが、土曜日の晩は近くの民宿で一泊…
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日曜日も夕方ギリギリまでスキーを楽しんだ後、
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日曜日の夜に家路に着くという超強行軍……

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会社員時代は九州に長くいましたので、広島県北のスキー場までは片道約5時間…多い時は、3週続けて通ったこともあったほど…

 

それでも翌朝は、普通に出勤しておりました。

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振り返ってみると、我ながら20代の頃の体力に驚かされます。

 

今そんなことしようものなら……

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朝はまともに起きられず…

 

出勤しても、こうなっとったやろな…
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ただ体力のあるないに関わらず、お客様を乗せての運航に携わるとなると、疲労の影響は直接安全に関わってきますので、

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旅客航空会社に勤務するパイロットには、拘束時間、総飛行時間の規定が連邦航空法で細かく定められていて、さらには必要とされる休息時間に関する規定もあります。

 

総飛行時間の原則は国内線担当ですと1日当たりが9時間以内で、1ヶ月あたりだと100時間まで。拘束時間の規定は出勤時の条件によって変わってくるのですが、多くの場合1日あたりが13時間で、1ヶ月だと190時間まで。
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そして休息の規定はというと、1晩当たりが最低10時間。そして1週間で30時間のまとまった休息を取ることも義務付けられます。

 

普通であれば丸1日お休みをいただいて、30時間の休息時間の要件を満たすのですが、

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この2週間の裕坊はというと、フライトが早朝に終わって帰宅したあと、翌日の空港出勤が夜遅い時間だったり、
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宿泊先での滞在時間が32時間で、休息の規定を満たしてしまったり……
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この時はホテルで、オムレツにパンケーキの朝食…
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お昼はお寿司屋さんと、ささやかな贅沢…
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2週間、家から空港を行ったり来たりの状態が続いたのですが、なんとか乗り切りました。

 

ただ締めとなるフライトがデトロイトでの降雪の影響を受けて遅延…結果的に拘束時間の規定を超過することに……

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結果的に会社から勤務日程の調整が入り、木曜日から6日間で組まれていた勤務は1日削られ、2日だった休日が1日延長されて、3日間お休みをいただけることになりました。。

 

せっかくいただいた、1日の余分なお休み…そんな時は、
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目一杯ゲームタイムやぁ〜………

 


もとい………
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ウチには、ゲーム機ないやんか……

 

 

そんな時間あったら、お勉強…
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3ヶ月おきに課される課題を、早いうちに片付けます……

 

さらには、昨年度分の確定申告も…

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早いうちに片付けます……

 

 

 

 

 

次回の出勤は、金曜日です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊日記(1月16日)

アメリカ国内地域航空会社に勤める、裕坊といいます。

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定期航空会社に勤めるパイロットであれば、誰もが課される年次飛行訓練。

 

出発から帰宅まで、計5日間で組まれていた予定をこなし終わって、日曜日の午前中に帰宅しました。

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出発していたのは、先週の水曜日。

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最終便のミネアポリス行き搭乗で、空港出勤は夜遅く…
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時期的なこともあり搭乗率が落ち着いていて、半分以上の空席…

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ガラガラのミネアポリス空港へと到着後、
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ホテルへと向かう送迎シャトル待ち…
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落ち着いた佇まいのホテルでの4泊でした。
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オミクロン株を中心とするコロナ禍が癒えないアメリカ…朝食サービスはあるものの、ミネソタ州ではコロナ禍前のようなバイキング式は復活しておらず…
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オムレツなどを注文して、箱詰めでいただく方式…
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ちなみにオレンジジュースは有料でした…

 

そして2日目から4日目にかけて通ったのが、こちらの施設。
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飛行訓練センター。ミネアポリス空港のすぐ南側にあり、滑走路30Rへとアプローチしているとコックピットから眼下に見えます。裕坊が勤める航空会社、エンデバー航空の前身の一部でもあるメサバ航空が運営していた訓練センターで、

 

現在はカナダ・モントリオールに本社があるCAE(Canadian Aviation Electronic)によって運営されています。

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CAE社は世界全体で50ヶ所ほどのパイロット訓練施設を運営し、地域航空会社だけでなく格安航空会社のパイロット訓練施設なども提供。中には航空会社の名前が付与された施設などもあり、

 

代表的なのがフロリダ州オーランド国際空港北側にある、ジェットブルー・ユニバーシティ。

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ちなみにジェットブルー航空といえば、アメリカ国内でサウスウェスト航空に次ぐ規模の運航便数、旅客数を誇る、代表的格安航空会社。本社はニューヨークにあります。
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シミュレーターは旅客機実機に引けを取らないほどの購入費がかかる上に、点検や管理にも費用が嵩むので、格安航空会社にとっては悩みのタネ……そのため飛行訓練提供会社に委託するケースも少なくなく、

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ジェットブルーの施設はその一例。ただジェットブルーは運航規模が大きくなって乗務員数も多いために、オーランドの施設は専属契約で使用している、というのが実態のようです。

 

施設内はシミュレーターだけでなく、機体胴体の模型なども設置されていて、搭乗口の開閉、緊急設備の取り扱い訓練などはこれらを使用。
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客席も本物を使用してみたり、
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客室乗務員さんの訓練用に、ギャレー設備までが提供されるほど、中身は充実。
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そしてこちらは、裕坊が通ったミネアポリスのCAE訓練センター。写真はロビー。
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現在エンデバー航空だけでなく、ミネアポリスに本社を置くサン・カントリー航空も、パイロット訓練をこちらの施設で行なっています。

 

休憩室。
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コーヒーはセルフサービスで、おかわりも自由。
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ジュース類やスナック類、サンドイッチまで販売されていて、
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自ら商品を手に取ってスキャン。アップルペイなども受け付けてくれるので、
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気軽にジュース類なども買えるようになりました。
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そしてこちらが、シミュレーターが立ち並ぶ大部屋…

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裕坊は5基あるCRJ用シミュレーターのうち、第4シミュレーターを3日連続で使用。
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中へ入ってみると、操縦席と全く同じ作りになっています。
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スイッチ類から計器用画面、操縦席コンピューターまで、作りは実機と全く同じ。
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ちなみに初日は機長資格を持つ同僚と合同で訓練になったために、裕坊は10年ぶりに副操縦席(右側の操縦席)に2時間ほど座ることになりました。

 

最近は窓からの景色の画質も、かなり向上しています。
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ただ実機ではまず行うことがない操作を頻繁に繰り返すため、油圧系統への負担が大きく、どうしても故障がち…

 

案の定故障が発生して、整備員を呼ぶ羽目にまでなり…

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その時はたまたま他のシミュレーターに空きがあり、幸い残りの訓練を済ませることができました。
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また裕坊が訓練を受けている期間中、ミネソタ州では降雪警報が出たりするなどし …
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教官が30分以上遅刻…

 

そんなハプニングがありながらも、3日間の訓練は無事終了しました。

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ちなみに訓練内容については、操縦技術よりも危険予知や危機管理、危機回避から安全着陸などを重視する連邦航空局の意向を反映したものが多く盛り込まれるようになり、10年前と比較すると大幅に改訂されたものになっています。

 

訓練が終わって、一番ホッとする瞬間…
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翌朝には、改装が終わったばかりのミネアポリス空港から、
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まだ日が昇らないうちに客席に落ち着いて、
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午前中には到着…

 

 

午後には息子くんの用事にお付き合い。助手席に乗ってお出かけなどもしておりました。

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ミシガン州では14歳8ヶ月から運転が可能。息子の同級生には既に単独で運転する者も多く、学校の駐車場を観察していると、日本との文化の違いを大いに感じます…

 

今日の息子くんは高速道路も臆することなく、自らナビのルートの一部に入れて走っておりました…

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そして10月に仮免許を取得してからというもの、とうとう運転時間50時間を達成。

 

お祝いでゆっくり外食しようとも考えたのですが…

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レストラン内があまりにも混雑しておりましたので…

 

お持ち帰りで、我が家で食事をいただくことになりました。

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ちなみに居酒屋三平さん、メニューが大幅に増えていて内容が大いに充実しています。

 

 

 

 

 

数日お休みの予定でしたが、まだ乗務員不足が深刻な米旅客航空業界…明日早速出勤です…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊日記(1月10日)

米国内の地域航空会社に勤める、裕坊といいます。

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お正月の2日間のお休みをいただいたあと、6日勤務をこなし終えて帰宅しました。

 

 

冒頭の写真は、今年の初出勤、従業員駐車場から撮った一枚。

 

 

初日となった3日月曜日は、中西部から東海岸にかけて雲一つない快晴のお天気になり、

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到着地となったニューヨーク・ケネディ空港でも、澄み渡るような青空が広がっておりました。

 

しかもそのケネディ行きには、休暇でニューヨークを訪れていた元同僚が乗ってくる偶然。記念すべき、今年の初フライトとなりました。

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当時からのクルーでもある客室乗務員さんと共に、記念撮影(掲載には、ご両名の快諾をいただいております)。

 

 

 

これは今年の幸運を示す予兆になる、と思いきや………

 

 

 

実は2日目以降、いろいろとありました…

 

 

 

その中でもハイライトになったものといえば、

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アメリカへ入国する際、別室での再審査を受けたこと…

 

カナダ・トロント空港で起こったハプニングでした。

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カナダの主要空港では、アメリカ行き国際線に搭乗する際、カナダ側の米国入国管理局で審査を出発前に済ませます。

 

旅客機の乗務員は、大抵簡単な審査で通過するのですが、
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何らかの事情があったのでしょう…
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別室へと通されて、パイロット2名、客室乗務員2名とも再審査…現在の航空会社に入社して16年目にして、初めての出来事……

 

 

保安上の問題があったのかどうかは分かりません…理由は敢えて教えられない、と審査官自らが口にしておりました…

 

 

最終日、6日目のハプニングだったのですが、

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実を言いますと、米国入国管理局を同じ日に2回通過したのも16年目にして初めての体験…

 

これは前日5日目にトロント入りした時の、ホテルの送迎シャトル待ちでの風景。
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気温が氷点下4度の中、40分ほど待ちぼうけ。数ヶ月前までは人影すらほとんどなかったのが、嘘のような混雑ぶりでもありました。

 

翌朝トロント出発。カナダでも航空機を利用するお客さんの波は確実に戻りつつあり、ボーディングブリッジ付きの発着ゲートが足りなくなって、
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CRJシリーズの旅客機は、階段を使ってお客様をお迎えすることも多くなっています。

 

ニューヨーク・ラガーディア空港までやってきて、
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とんぼ返りでトロントまで折り返しておりました。カナダ入国管理局へと向かうの巻き…
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昨晩に続いて入国審査を済ませ、

 

今朝通ったばかりの出発ターミナルを、再び米国入国管理局へと向かいます。
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ちょうどお昼時に差し掛かっていたので、客室乗務員さんはハンバーガー屋さんで腹ごしらえ…
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そして当日2回目となった入国審査で起こったハプニング…ほぼ1時間の足止めとなりました…

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パスポートを一時預けたまま別室での待機。それでも折り返しが2時間だったとあって、定刻で折り返せたのはある意味奇跡でもありました。

 

トロント到着から約1時間半をかけて、やっと飛行機へと到着。

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荷物棚の戸が一部故障中…6日勤務の締めとなる、デトロイト行きのデルタ4667便でした。
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実はデトロイト発着便を担当したのは、初日のケネディ行きとトロントからのデトロイト行きの2便だけ…

 

その他は、例外なくニューヨーク発着便の担当でした。

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実をいいますとニューヨークには大きな降雪もやってきていて、
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これは雪が降り出す前の、機体外部点検の時に撮った一コマ…

 

行き先は、ミシガン州グランドラピッズ。

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ミシガン州西部にある州第2の都市でもあり、比較的需要も高く、ニューヨーク直行便が毎日2往復運航されています。
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ホテル送迎シャトルに乗り込む乗務員は4名。

 

そして翌朝の空港出勤時。
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シャトルには、乗務員8名が乗車…

 

ラガーディア空港到着…

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雪の影響で欠航になり、足止めになっていた乗務員4名を客席に乗せてのフライトでした。

 

ただ降雪量は思ったほどにはならず、裕坊が担当した便には、往復とも影響なし…
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ただかなり早いうちから夜間停泊していた機体には、至る所に霜や氷が張り付き、
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グランドラピッズでは、離陸前の機体除氷作業を済ませての出発。
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離陸までに要した時間、およそ40分(通常ですとおよそ15分)。

 

ニューヨーク到着……除雪作業の影響で、ラガーディアに2本ある滑走路のうちの1本が閉鎖になり、
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航空管制による速度調整やレーダー誘導などで、着陸までにいつもより40分ほど長くかかって、到着は定刻からほぼ1時間の遅延…

 

遅れているので、間髪入れず折り返し…
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そんなハプニングがありながらも、6日間予定担当便を1便も欠航させることなく終わったのは、かなり奇跡的でした。

 

ただ各社とも軒並み乗務員不足は深刻になっているようで、
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特に人材不足が顕著になっている地域航空会社の運航する便に、かなりの影響が出ています。
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主要空港での出発便案内板には、どこかで欠航便を見るようになりました。

 

そしてこちらはトロント空港を出発する便の案内板。
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アメリカだけでなく、カナダにも同じような乗務員不足の波はやってきているそうです。

 

そんな訳で、アメリカの航空業界では各航空会社が乗務員の奪い合い…

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オミクロン株を中心とした蔓延が続いていて、コロナ禍が終わったとは到底言い難いアメリカ国内……そんな中アメリカの航空会社は、昨年までとは違ったサバイバル競争を課せられています…

 

 

 

 

水曜日から、年次シミュレーター研修へ出発します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年 新年明けましておめでとうございます

米系地域航空会社で、操縦担当を務める裕坊といいます。

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新年明けましておめでとうございます。昨年は29日(水)が裕坊にとっての仕事納めになり、2年続けてゆっくりのお正月を迎えました。

 

テーブルにはおせち料理を並べて、

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これをいただいてこそ迎えられるお正月🎍
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ちなみに、裕坊は大の角餅派。お餅は3ついただきました。そんなゆっくりの新年を迎えていた裕坊とは対照的に…

 

裕坊が勤務する地域航空会社の本社、ミネアポリスの乗務員管理課では…
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恐らく皆さん、この状態…

 

昨年の春以降、アメリカの旅客航空需要は急激な回復基調。

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年末には全米における1日の利用客数がとうとう200万人を突破。コロナ禍前と比較しても全く遜色ない水準へと達しました。

 

旅客便は、どの便もほぼ満席。
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ただ旅客機では、一度の便でお迎えすることができるお客様の数は限られています。

 

航空機ではこんな風に乗客の皆さまを運ぶことはできません…
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かといって、臨時便などを出す余裕などは、今はどこの航空会社にもなく…

 

予め組まれていた旅客便に必要な乗務員を確保するので精一杯…
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それでもその便ですら乗務員が確保できているわけでは決してなく、そんな時は休暇中の乗務員に電話をかけて、応援を呼んだりすることもあります。

 

このブログを書いている最中も、乗務員が足りない便を告知するメッセージが上がりっぱなしでした…

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休日を返上して出勤すると、若干の加算はつきますので、裕坊もクリスマスのあとの数日間、休日を返上して出勤してまいりました…

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旅行客でごった返す、デトロイト空港のマクナマラターミナルの搭乗手続きカウンター階。

 

保安検査場を通過すると、真正面にクリスマスツリーが見えます。
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年始の休み明けまで飾られています。

 

メイン州ポートランドで宿泊滞在が入ったり、
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ちなみにこの時の翌朝の出勤は、午前4時58分でした…
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その日はニューヨークのケネディ空港を経由して、
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カナダのモントリオールへの滞在。

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翌朝は午前9時発、デトロイト行きが担当。
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雲一つない快晴のお天気ではありましたが、

 

霜が機体全体にビッシリと張り付く朝で、離陸前の除氷作業を終えての出発でした。
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主翼などに張り付く氷や雪は、専用のトラックから除氷液をかけてからの離陸になります。

 

デトロイトに到着して、昨年の勤務が終了しておりました。
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前日にけっこうな雪が降っていて、それが固められていた従業員専用駐車場。

 

気温が5度にまで上がっていてほとんど溶けていたので、雪かきをする必要まではありませんでしたが、我がアウディくんにも雪が一部残っておりました。
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裕坊にできるのは、せいぜいこれが精一杯…

 

本社での必死の乗務員確保は、今も続いています。
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我が社も人材を確保しきれないことが原因で、一部の便が欠航…


乗務員不足がもっと顕著な航空会社もあるようで、
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一部の地域航空会社では、1日の欠航便が400を超える事態にまでなってしまいました。

 

裕坊の友人の中に、クリスマスの休暇を利用してラスベガスへの旅行を計画していた人がいたのですが、
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予約していたデルタ航空デトロイトからのラスベガス行き直行便は、前日に急に欠航が決まり、

 

急遽、アメリカン航空へと予約を変更せざるを得なくなったそうです…
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それでもその友人は、何とかラスベガスまでの足は確保…

 

景気の変動の影響を大きく受けやすい航空業界。一昨年は需要がほぼゼロに近い状態で大幅な赤字を出し、人員整理をせざるを得なかったのが、一転して予期せぬ需要の大幅回復…
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航空会社の経営の難しさを、この年末年始は如実に示すことになりました。もう数日、乗務員確保に各航空会社が奔走する日は続くことになりそうです…

 

 

年末の仕事納めのあとは、デトロイトダウンタウン周辺で家族と束の間のひととき…

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こちらは、夏の週末になるといつも人で賑わうイースタンマーケット。冬季は土曜日だけの開催で、元旦はお休み…

 

開催日はいつも順番待ちになる駐車場も、閉鎖になっておりました。
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目指すはこちら、イースタンマーケット横にあるデブリーズ・カンパニー。
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創業は1887年。

 

中に入ると、タイムスリップしたかのような空間が広がっておりました。

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こだわりのチーズが豊富に揃っているお店なのですが、
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裕坊はこちらに惹きつけられてしまった…

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1904年に供用を始めたという、エレベーター。

 

ゴンドラ横にある紐を引いて、上へ登るか下へと降りるかを決める仕組みだそうです。
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紐を引き切って、あとはボタンを押すとゴンドラがスタート。ボタンを離すとゴンドラが止まるので、止める位置は今のエレベーターのようにピッタリとはなりません…

 

また入り口にドアがないので、ゴンドラが去ったときに柵が降りてきて、転落を防止する仕組み…
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少年に戻ったような気分で、その動きをずっと追っておりました…

 

そのあとは、そのすぐ横にある帽子屋さんで…
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革の帽子を1つ大人買い

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ちょっと足を伸ばして、日本食風のレストランにまでやってきて、
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ちなみにそのレストランの横には、煉瓦造りの重厚な建物。

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元々は高校用に建てられた建築物らしいです。(現在は、ウェイン郡大学の校舎の一部になっています)

サーモン丼をいただく、ちょっと贅沢なお散歩を楽しんできました。
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15年もデトロイト周辺に住んでいながら、なかなか家族と訪れる機会がなかったダウンタウン周辺の歴史あるお店。家族と休日をやっと合わせられるようになった日々を満喫です。

 



 

もうしばらくお休みをいただいて、週明けにいきなり怒涛の6日勤務のフライトです。

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊日記(12月22日)

アメリカの地域航空会社に勤める、裕坊といいます。

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裕坊の年末の追い込みの業務は、まずは2日間を跨ぐフライトと日帰りの研修の計3日勤務でした。

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空港の出勤は、15年間勤務してきた中でもほとんど記憶にない遅い時間で、外は真っ暗……勤務を終えて駐車場へと戻ってくる人と交代するように、従業員駐車場送迎バスに乗り込み、

 

ターミナルに着いたのは、ロンドンやアムステルダム行きですら出発したあとの、午後10時…
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トンネルをくぐってBコンコースからの出発でした。クリスマス仕様に飾られた我が社の事務所で、マスクを補充。
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午後11時に出発し、ナイアガラの滝から近い、ニューヨーク州バッファローまでやってきて宿泊していました。
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そして翌日はお昼頃の出勤。
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クリスマスが近づき、搭乗手続きカウンターは人で大混雑していました。

 

2日目も担当は1便だけで、ニューヨークのケネディ空港まで。デルタ航空が管轄する便が発着するのは、主に第4ターミナル。
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西側にあるBコンコースには、2軒のシェイクシャックがあるのですが、南側にあるお店も再開しています。

 

ハンバーガーをいただいてもよかったのですが、ケネディ空港まで来ると、自然と足が向いてしまうのがこちら…

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パック寿司のお店。

 

最近ではメニューが増えてポケ丼なども買えますし、
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すき焼き丼なども買えます。ただし、ニューヨークですので、やはりお値段は高めで、税金を入れるとおよそ17ドル…薄めのプラスチックの容器に、熱々のおつゆをたっぷりと入れてくれるので、容器はとても熱いです…テーブルを探して食べるのがオススメ…

 

ケネディ空港からはお客さんとしてデトロイトに戻ってきて、夜8時の到着。
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翌日早朝には、また従業員駐車場へと戻ってきておりました。

 

その日はダウンジャケットに身を纏って、私服で空港へと出勤……この日は初めからお客さんとなっての移動です。
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A75ゲートからは、カンクン行きが出発…当日のカンクンのお天気は、晴れ、気温摂氏25度。

 

でも乗ったのはお隣A76ゲート出発のフライト。やってきたのは、雪が舞うミネアポリス……
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当日のミネアポリスのお天気、雪、気温摂氏マイナス8度……お勉強のためにやってきたので、それもガマン…

 

向かったのは、我がエンデバー航空の本社でした。

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ミネアポリス空港の敷地内の南西端にあります。かつてのノースウェスト航空の整備課の本部。緊急装備品の取り扱い実技訓練のためにやってきていました。かつては本社で行われていた座学講習の一部だったのですが、


年に一度の座学講習は、コロナ禍をきっかけに全社オンライン化が進み、

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我が社ではパイロット向けが昨年6月から既にオンライン化していて、客室乗務員の座学講習も2022年1月から全面オンライン化することになっています。

 

連邦航空局(FAA)ミネアポリス支局からの承認を受けて始まった、オンライン形式による座学講習。一時的な許可の元で始まっていたものの、それを恒久的に継続できるかについては、長らく交渉が続いていました。
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比較的スムーズな折衝ではあったそうですが、1つだけ航空局が懸念していたことがあり、

 

消化器の取り扱い、酸素マスクの使い方、非常口の取り扱いなど、緊急装備品取り扱いの実技訓練だけがなかなかまとまらずに長引いていました。

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実技を年に一度実施を求める航空局側と、オンラインでの復習で済ませたい航空会社側のせめぎ合いがしばらく続き…
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折り合いがついたのが今年の3月。2年に一度、実践形式での訓練をすることでまとまりました。

 

ちなみに裕坊が乗務しているリージョナルジェット機の場合、搭乗口が他の旅客機とは違っているのが特徴。

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ここのおさらいと実技が、航空局にとって一番大きな懸案事項だったらしいです。

 

CRJシリーズ旅客機の搭乗口は階段がついていて重量が重いため、通常のジェット旅客機で採用されている密閉式ではなく(密閉式だと、機体胴体にかかる負担が強すぎるため)、採用されているのは、金属ロック固定方式。

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8箇所ある留め金が固定されていることを確認するのは、重要項目の1つ。各箇所がロックされていることを示す緑色の線があるので、ドアを閉めた際に各箇所を確認します。

 

普段お客さんが乗っている状況でのドアの開閉は、客室乗務員さんのお仕事。ただ回送便担当時は、客室乗務員さんが乗らないで出発することも稀ではなく、パイロットがドアの開閉を担当することも…仕組みはおさらいしておかないといけません。

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ドアトレーナーと呼ばれる本物と同じドアの仕組みがついた訓練器具を使って実技。

 

機体の胴体の一部を切り取ったような訓練器具でかなりスペースを必要とするので、大抵は飛行訓練用シミュレーター施設に設置されているのですが、

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我が社の場合は本社ビル内に訓練器具があるため、シミュレーター飛行訓練にスケジュールが組み込めないことがネックになっていました。

 

結果として日帰りでミネアポリスまでを往復し、実質30分ほどの訓練を受けて家路に着くことに…

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デトロイトに着いたのは、夜の7時…
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長らく航空会社に勤務していると、こんなこともあります。

 

 

本来であれば、ここで今年1年の勤務の締めくくりだったのですが……各社とも人員不足が顕著で、それは我が社といえども例外ではなく……

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しばらく休日を返上してのフライトに出勤します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊日記(12月17日)

アメリカの地域航空会社に勤める、裕坊といいます。

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これは今朝、我が家で撮った樹氷の一コマ…午前中は雨氷と呼ばれるものが降っておりました。

 

英語ではフリージングレイン(Freezing Rain)と呼ばれます。下の図の左から3番目。

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雲の下で一部だけ空気の層の温度が高くなり、それが地表面に近づいてくるにつれて再び氷点下になるために起こる現象で、

 

厄介なのが、地面などに当たった瞬間に氷になってしまうこと…
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道路などでは一瞬で氷となって張り付いてしまうため、実は雪よりも厄介なのです…
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大型トラックに除雪用のシャベルを取り付けて、豪快に除雪をしてくれるデトロイト空港専属の除雪隊といえども、地表面の着氷にはかなり手を焼きます。
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10年ほど前には雨氷にさらされ続けて、デトロイト空港が2日続けて完全封鎖になったことまでありました…

 

幸いなことに、今朝はほんのちょっと芝生の上が白くなる程度…
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愛妻ちゃんは今年最後となる、日本語教室のお仕事に出かけておりました。一度だけスリップする場面があったそうな…

 

教鞭を取っているのは、継承日本語。町中にある日本語教室とは趣旨が違っていて、元々日本人の血を引いていながら日本語を話す機会が少ない子供たちが主な対象。

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クラスはほとんどの子が、日本人とアメリカ人のハーフだそうです。

 

坂がやはり滑りやすくなっているみたいでした。それでも今年最後の教室を終えて、お昼過ぎには帰宅。
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もう2021年も終わりなんや……

 

 

息子くんは、金曜日で今年の授業が全て終了しています。ただ、リモート授業を選択しているので、授業終了の境界線がかなり曖昧ではありました…

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その息子、高校生活もあと残すところ1年半……

 

来年には、大学への入学願書提出なんかも始まります…月日が経つのは早い…

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いろんな大学から学校の宣伝のダイレクトメールなんかも次々に届いたりしています。大学からの宣伝というのが、いかにもアメリカらしい…

 

アメリカらしいといえば…

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つい先日学校からメールが届いたのですが、

 

それを開けてみると…

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卒業用のガウンの「購入手続き」……

 

アメリカの高校や大学卒業の時によく見かける、例のアレです…学校によって、それぞれカラーも違うそうです。息子くんの学校のカラーは、やや深めの青色。

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ところが、これは学校から支給されるものでは決してなく……

 

自費購入……

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義務教育ではないので、仕方ないといえば仕方ないのかも知れませんが…

 

ガウンだけでなく、その他もろもろの備品等も合わせて購入すると…

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けっこうな金額になったりします…

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日本の大学を卒業した裕坊にとっては、新鮮なことだらけ……

 

 

 

本当は画質が格段に良くなってる最新版のiPhoneに、そろそろアップグレードしたいんやけどなぁ〜……

 

 

 

しばらく見送り……

 

 

 

高校生ながら、大学の授業でも受講可能なクラスなどがあるらしく、

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先日は大学の講堂などを訪れたりしてみました。

 

オンラインで受講申し込みなどは済ませていたので、当日は学生証の作成で訪れておりました。
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場所の確認も含めて、大学の校舎まで家族で訪問…
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ちなみに本人の運転でした…車に乗り始めてからほぼ2ヶ月になりますが、加減速や右左折などは十分安心できるレベルに達しています。

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裕坊が15年乗り続けてきたセダンを、大事に大事に乗っています。今では本当に少なくなった自然吸気エンジンを積む旧式セダン。3,800ccという、今ではほとんど見かけなくなった大きめの排気量。アクセルに素直に反応してくれるエンジンなので、本人はとても乗りやすそうにしています。

 

ガソリンも自らの手で給油。
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親がカードで支払って、自らの手で給油…

 

 

『財を残すは三流、名を残すは二流、人を残すのが一流』。昨年お亡くなりになった故野村克也監督の有名な座右の銘の1つですが、裕坊も1人だけでも立派な若者を育てて羽ばたいてもらえるよう、日々奮闘しております。

 

 

最近はお休みを利用して、野村さんが生前書かれていた本をたくさん読むようになりました。そして先日は野村さんをしのぶ会を、ウェブサイトというウェブサイトをハシゴして閲覧。
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改めて野村さんの遺されたものの大きさを感じる会でした。

 

その中でもやっぱり目を奪われたのはこの方。日ハム新監督に就任された新庄ビッグボス。
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野村監督が生前愛用されていたというベルサーチのジャケットに身を纏っていた新庄さん。元々見た目のイメージとは全く正反対で、義理堅い方だという印象は持っていたのですが、ここ最近の新庄さんの一言一言が、とても心に響いてくるのを感じるのは裕坊だけでしょうか。

 

主砲の中田翔選手がシーズン中に巨人へと移籍し、他にも主力だった3選手が自由契約になってしまうなど、戦力の大幅ダウンは否めない日本ハム

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それでもチームの若手が躍動する姿が、既に裕坊の頭に浮かんできたりしています。

 

弱小チームをいくつも率いてきた野村さんならではの、座右の銘といえば、

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「1年目には種を蒔き、2年目には水をやり、3年目には花を咲かせましょう」

 

その野村さんの教えが骨の髄にまで染みている新庄ビッグボス。ここ最近は、改めて野村さんの考えをインプットされていると聞きました。現役時代の外野守備の緻密さを見ていても、元々新庄さんが持っている野球脳は間違いなく高いはず…

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その新庄さんの頭の中にあるのは、きっと来季へ向けての『種蒔き』作業なのではないでしょうか。そして3年目にいかにして花を咲かせるのか、その絵を今はしっかりと描いているはず。新庄さんなら必ずや目に見える成果に結びつけてくれるものと確信しています。来シーズンが今から楽しみで仕方がないです。

 

 

 

 

 

明日から2日間のフライトで、その翌日は日帰りの研修でミネアポリスまで。裕坊の今年最後の追い込みです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊日記(12月12日)

アメリカのリージョナルジェット機を操縦する、裕坊といいます。

4日勤務のフライトを終えて、先日帰宅。

 

冬至が近くなって、帰ってくる時間は真っ暗なことが多くなりました。

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従業員駐車場でお迎えしてくれるのは、現在の裕坊の愛車、アウディくん。

 

今年の7月に購入しました。新車ではなく3年落ちの2018年式、A4シリーズのステーションワゴン、オールロード。エンジンは2000ccのターボ付き。

通勤で主に乗っている裕坊にはちょうどいい大きさ。

 

これまでずっと自然吸気のエンジンに慣れてきたので、ターボエンジン独特の加速までのタイムラグに慣れるのにちょっと時間がかかりましたが、最近やっと馴染んできました。

休日を利用して、オイル交換にやって来たのですが、

 

1万マイル(およそ16,000キロ)か、1年ごとでいいらしい……

でもせっかく整備工場までやってきたので、オイルは交換してもらうことに…

 

とても風が強い1日でした。冬だというのに夜になると季節外れの入道雲が上がり、外は大雨…

 

ケンタッキー州を中心として、中西部では竜巻が次々に発生し…

 

何人もの方が命を落とす程の大被害を出しています…

 

ローソク工場では何日も従業員が生き埋めになったままの状態が続く大惨事…

 

州知事のアンディ・ベッシャー氏も会見で沈痛の表情でした…

まだ生き埋めになったままの方などもいらっしゃるそうですので、1人でも多くの方が救出されることを願うばかりです…

 

そしてミシガン州を今揺らしていることといえば…

先月起こった、とある高校内での銃乱射事件…

 

閑静な住宅街の中にある高校での出来事だったとあって、裕坊の住む地域にまで衝撃が波及することになりました。

 

裕坊の息子は、4年制となる高校の3年生(オンライン受講式を選択)。対面式を取っていたとしたら息子がいたはずの校舎内でも、きっとその事件で持ちきりだったのでしょう…

先日は武器を持った不審者が敷地内に入ったという情報が入り、学校は一時的に全面封鎖……1人も出入りができない状態に陥りました。

 

登校中の学生や教師などは校舎内に閉じ込められたまま、

 

ずっと缶詰め……

 

警察車両が一般道を完全に封鎖し、各校舎を隅々まで捜索する事態にまでなりました。

 

元々こちらの学校は、3つの高校が1つの敷地に集まった全米でも珍しい高校で、3高校を合計した総学生数は、なんと6,144名。1つの敷地内における学生数では、ミシガン州最大の高校です。

航空写真を見ると、敷地の作りはまさに大学そのもの……そのため警察による各校舎の点検にも時間がかかったようで、封鎖解除に至るまで要した時間、なんと4時間でした……

 

幸い武器を持った不審者はおらず、全員無事下校。ただその時間にはすっかり辺りは暗くなり、警察官が監視する中での下校になりました。

木曜日の出来事だったのですが、

 

翌日金曜日は全校休校…

冬休み前1週間の授業は、全員がオンラインでの受講に切り替わることになっています。

 

閑静な住宅街においても、銃とは切っても切り離せないアメリカ社会の現実が突きつけられることになりました。

乱射事件が起きるたびに巻き起こる銃規制論…ただ実はそれほど事は単純ではなく、大きな障害はいくつもあり、

 

その中でも最大の壁となるのが、アメリカ合衆国憲法の修正第2条(2nd Amendment to the United States Constitution)。

人民の武装権とも呼ばれます。

 

独立宣言が発令された1776年から僅か15年後の1791年には採択されていることもあり、アメリカ国民、とりわけ保守層に於いてこの意識が強く刻まれています。アメリカでしばらく生活してきた裕坊にまで、保守派の意識の根強さがひしひしと伝わってくるというのが、アメリカという国の現実。

国の生い立ちに深く関与し、アメリカ国民の大切な権利というのが、保守派に深く刻まれた論理。その意識を変えるのは、並大抵のことではありません。

 

もう1つが銃犯罪などに遭遇した時に、警察官はすぐにはやってきてくれない、というアメリカの現実。

保守派でなくとも、護身用に銃を持つ人は少なからず存在します。自らの命は自らで守れという意識も、また深く刻まれているのです。

 

普段は銃を全く意識することがないアメリカ生活ですが、周辺地域がちょっと揺らされることになりました。

 

根本的解決策には程遠いですが、最近の銃乱射事件は高校、大学に集中しているので、少なくとも高校、大学においてオンライン授業を積極的に導入することによって、銃乱射事件が起きる確率を減らそうと試みるのは1つの選択肢になる、というのが裕坊の考え。

残念なことにオンライン授業は、アメリカではまだ対面式授業の代替策にしか過ぎません。

 

よく言われるのが学校内における人間関係形成の大切さ。確かに学生時代の貴重で大切な過程ではありますが、それがストレスになっていることもまた事実。多くの乱射事件で大きなきっかけになっていることを考慮すると、人間関係のストレス軽減の効果は小さくないはず。

遠隔授業が本格導入されれば、同じ能力を持った学生たちを集めて、州全体で講義を開催することも可能。

 

インターネットさえ繋がれば、大学なら全世界から授業を受けることも可能になります。

クラス内の学生間の能力差も必然的に小さくなり、学生側、教師側双方にとって能力差に起因するストレスは減らせるはず。

 

対面式を一定数確保しつつ、同時にオンライン授業を積極的導入することによって、まずは学校の安全確保の確率を上げる。検討の余地はあると思います。

出来ることを試してみて、効果の程を見てみよう……裕坊の考えです。

 

 

 

 

しばらくお休みをいただきます。