Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊日記(1月10日)

米国内の地域航空会社に勤める、裕坊といいます。

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お正月の2日間のお休みをいただいたあと、6日勤務をこなし終えて帰宅しました。

 

 

冒頭の写真は、今年の初出勤、従業員駐車場から撮った一枚。

 

 

初日となった3日月曜日は、中西部から東海岸にかけて雲一つない快晴のお天気になり、

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到着地となったニューヨーク・ケネディ空港でも、澄み渡るような青空が広がっておりました。

 

しかもそのケネディ行きには、休暇でニューヨークを訪れていた元同僚が乗ってくる偶然。記念すべき、今年の初フライトとなりました。

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当時からのクルーでもある客室乗務員さんと共に、記念撮影(掲載には、ご両名の快諾をいただいております)。

 

 

 

これは今年の幸運を示す予兆になる、と思いきや………

 

 

 

実は2日目以降、いろいろとありました…

 

 

 

その中でもハイライトになったものといえば、

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アメリカへ入国する際、別室での再審査を受けたこと…

 

カナダ・トロント空港で起こったハプニングでした。

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カナダの主要空港では、アメリカ行き国際線に搭乗する際、カナダ側の米国入国管理局で審査を出発前に済ませます。

 

旅客機の乗務員は、大抵簡単な審査で通過するのですが、
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何らかの事情があったのでしょう…
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別室へと通されて、パイロット2名、客室乗務員2名とも再審査…現在の航空会社に入社して16年目にして、初めての出来事……

 

 

保安上の問題があったのかどうかは分かりません…理由は敢えて教えられない、と審査官自らが口にしておりました…

 

 

最終日、6日目のハプニングだったのですが、

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実を言いますと、米国入国管理局を同じ日に2回通過したのも16年目にして初めての体験…

 

これは前日5日目にトロント入りした時の、ホテルの送迎シャトル待ちでの風景。
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気温が氷点下4度の中、40分ほど待ちぼうけ。数ヶ月前までは人影すらほとんどなかったのが、嘘のような混雑ぶりでもありました。

 

翌朝トロント出発。カナダでも航空機を利用するお客さんの波は確実に戻りつつあり、ボーディングブリッジ付きの発着ゲートが足りなくなって、
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CRJシリーズの旅客機は、階段を使ってお客様をお迎えすることも多くなっています。

 

ニューヨーク・ラガーディア空港までやってきて、
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とんぼ返りでトロントまで折り返しておりました。カナダ入国管理局へと向かうの巻き…
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昨晩に続いて入国審査を済ませ、

 

今朝通ったばかりの出発ターミナルを、再び米国入国管理局へと向かいます。
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ちょうどお昼時に差し掛かっていたので、客室乗務員さんはハンバーガー屋さんで腹ごしらえ…
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そして当日2回目となった入国審査で起こったハプニング…ほぼ1時間の足止めとなりました…

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パスポートを一時預けたまま別室での待機。それでも折り返しが2時間だったとあって、定刻で折り返せたのはある意味奇跡でもありました。

 

トロント到着から約1時間半をかけて、やっと飛行機へと到着。

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荷物棚の戸が一部故障中…6日勤務の締めとなる、デトロイト行きのデルタ4667便でした。
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実はデトロイト発着便を担当したのは、初日のケネディ行きとトロントからのデトロイト行きの2便だけ…

 

その他は、例外なくニューヨーク発着便の担当でした。

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実をいいますとニューヨークには大きな降雪もやってきていて、
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これは雪が降り出す前の、機体外部点検の時に撮った一コマ…

 

行き先は、ミシガン州グランドラピッズ。

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ミシガン州西部にある州第2の都市でもあり、比較的需要も高く、ニューヨーク直行便が毎日2往復運航されています。
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ホテル送迎シャトルに乗り込む乗務員は4名。

 

そして翌朝の空港出勤時。
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シャトルには、乗務員8名が乗車…

 

ラガーディア空港到着…

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雪の影響で欠航になり、足止めになっていた乗務員4名を客席に乗せてのフライトでした。

 

ただ降雪量は思ったほどにはならず、裕坊が担当した便には、往復とも影響なし…
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ただかなり早いうちから夜間停泊していた機体には、至る所に霜や氷が張り付き、
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グランドラピッズでは、離陸前の機体除氷作業を済ませての出発。
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離陸までに要した時間、およそ40分(通常ですとおよそ15分)。

 

ニューヨーク到着……除雪作業の影響で、ラガーディアに2本ある滑走路のうちの1本が閉鎖になり、
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航空管制による速度調整やレーダー誘導などで、着陸までにいつもより40分ほど長くかかって、到着は定刻からほぼ1時間の遅延…

 

遅れているので、間髪入れず折り返し…
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そんなハプニングがありながらも、6日間予定担当便を1便も欠航させることなく終わったのは、かなり奇跡的でした。

 

ただ各社とも軒並み乗務員不足は深刻になっているようで、
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特に人材不足が顕著になっている地域航空会社の運航する便に、かなりの影響が出ています。
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主要空港での出発便案内板には、どこかで欠航便を見るようになりました。

 

そしてこちらはトロント空港を出発する便の案内板。
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アメリカだけでなく、カナダにも同じような乗務員不足の波はやってきているそうです。

 

そんな訳で、アメリカの航空業界では各航空会社が乗務員の奪い合い…

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オミクロン株を中心とした蔓延が続いていて、コロナ禍が終わったとは到底言い難いアメリカ国内……そんな中アメリカの航空会社は、昨年までとは違ったサバイバル競争を課せられています…

 

 

 

 

水曜日から、年次シミュレーター研修へ出発します。