Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、5月最初のフライトに出発

皆さんこんにちは、航空会社サラリーマン、裕坊です。

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昨年12月から、欠員補充のための交代要員である『リザーブ』と呼ばれるシフトを、5ヶ月連続で続けてきた裕坊。

 

勤務先の航空会社の飛行機の保有数は増えず、そのためフライトも増えず。その間も将来の運航拡大を目論んで、ずっとパイロットの採用は続けている我がリージョナル航空会社。当然のようにパイロットの数は少しダブつき気味になり、交代要員の出番も少なくなって、裕坊はこんな日々を長く過ごしておりました……

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航空会社のフライトクルーのお給料は、基本的に実績制。実績が少ない場合は、支払われるのは保障給。

 

ただ保障給だけですと、家や車のローン、ガス、電気代などを払ってると、あとはほとんど残らず、生活はギリギリ………
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しかも、もうとっくに終わっていると思っていた、昨年の息子の救急治療の支払い請求が未だに送られてきていて………
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4月には屋根の葺き替えまでが入り………
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このままじゃ、さすがにヤバい……………

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ということで、『令和元年』最初の月の今月は……
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既に担当便が確定している、通常のスケジュールに復帰することを決意しました………

 

定期航空会社のパイロットとして、実務に就くにはいくつかの資格も必要になるのですが、

 

まずはパイロットのライセンス……

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こちらがパイロットライセンス。

 

運転免許証は、アメリカも日本と同じく顔写真入りになりますが、パイロットライセンスには写真はなし。その代わりに、保有するライセンスの種類、操縦ができる機体の種類などが細かく記載されます。上の写真の下側に写っているのはライセンスの裏面なのですが、そこに写っている人物こそ、人類初めての動力飛行を成し遂げた、ライト兄弟

 

そしてもう一つ、安全飛行に欠かせないのが、パイロット自身の健康管理。定期航空会社のパイロットの場合、3段階あるライセンスのうちでも、一番厳しいとされる定期検診に合格する必要があります。
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基本的には1年に一度の更新ですが、40歳の誕生日を過ぎると、定期航空会社のパイロットは、6ヶ月に一度の更新が義務付けられます。
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今日の出勤は午後遅く。午前中はちょっと余裕がありましたので、

 

どんより曇り空の中を、クリニックへと出発……
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日本や他の外国での、パイロット向けの定期検診ともなると、まずは病院に到着するなり、人間ドックでも使われるような検査服へと着替えた上で……

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各科の検診を受けていくのが普通……大抵1日がかりのようですが、

 

アメリカの場合……

 

まず行くのは町医者の装いのクリニック。裕坊がお世話になっているのは、我が家から車で5分ほどの至近距離。
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アメリカにはどこにでもあるような、家庭医の佇まい。
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中もこじんまり。基本的に病気や怪我をした患者が来るところではなく、健康なパイロットの定期検診が主な業務とあって、待合にも人はあまりいないこのクリニック。
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アメリカの定期検診の場合、タバコをやらず、お酒も飲まず、薬の服用もない健康な状態を維持しているのであれば、本当に簡単に10分ほどで終わってしまいます。

 

尿検査を済ませて、血圧を測り…

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こちらが視力測定。

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中を覗き込むと、
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こんなものが見えて、

 

遠隔視力、至近視力などを測定。
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色盲の検査もあります。
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40歳を過ぎると、年に一度心電図も測定。

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そして聴診器を当てて、異常がなければ……
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こんな健康診断書を発行してもらって、終了……

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ただし検診料はしっかりと請求されます。

 

今日の支払い………

 

125ドル…………

 

 

次回は11月に検診となりますが、心電図を受けなければなりませんので、その時はなんと………………

 

185ドル…………………………

 

 

ちなみに、自費での支払いでございます……………f:id:Yuichibow:20190502084454j:image

 

取りあえずまた6ヶ月間は、飛行機に乗ってのお仕事が可能になります………

 

 

今日は夕方ゆっくりの出勤。5月1日になって、デトロイト空港のAターミナル内を走るトラムも、運用を再開しておりましたが………

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しかしそんな日に限って、Aターミナルからではなく……………
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トンネルを挟んで向かい側にある、B/Cターミナルからの出発………
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かつて50人乗りを担当していた頃よく発着していた、Cコンコースのゲートからの出発でした。
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今日は乗客の皆さんとともに、客席へと座って、
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インディアナ州エバンズビルまで……
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明日はまた早朝5時の出発ですので、
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これからシャワーに入って、明日に備えます。

 

裕坊