Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、4日間勤務のフライト

アメリカの国内線を中心に、小型機に乗務している、裕坊といいます。こんにちは。

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6日間連続のまとまったお休みをいただいて、日曜日から4日勤務のフライトへと出勤しました。

 

裕坊が所属する拠点空港デトロイトデルタ航空の子会社であるエンデバー航空のデトロイト空港事務所は、保安検査場を通ってトンネルをくぐり抜けたCコンコースにありますので、そちらでまずはマスクの補充。

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事務所内は、3月17日(水)のセイント・パトリック・デーに備えて、緑一色仕様になっておりました。

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アイルランドキリスト教を広めたセイント・パトリックの命日でもあり、アイルランド共和国では祝日ともなっているセイント・パトリック・デー。

 

町中が緑色になって、川が緑色に彩られたり、緑色のビールまでが出てきたり…
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そのあとはイースターなので、きっと事務所内はウサギとたまごだらけになることでしょう……

 

そしてゲートまでやってきて、操縦室まで来ると……
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どうやら何らかの故障があったらしい……
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定期航空会社で使用される旅客機は使用頻度が高いので、
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どうしても細かな故障は起こります。

 

読書灯や…

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座席のリクライニング用のボタンなども……
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故障した以上は、整備簿には記録をしないといけないのが、航空界の掟。

 

これらの細かな部品であれば、飛行には全く差し支えがないので、
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整備員がやってきてくれて、

 

整備簿に記入。故障品リストに登録されて、一定の期日までに再整備をすることが義務付けられます。読書灯などであれば、故障発生から100日以内の修理、と時間的にはかなりの余裕…
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飛行に支障のない細かな部品ですと、各便の出発前に印刷される飛行用書類にも上がってくることはありません。


余談ですが、肘掛けについているリクライニング用のボタンも、

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最新のファーストクラスやビジネスクラスともなると、電動式。
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実は数年前家族で旅行した時に、たまたま2席ビジネスクラスに空きがあって、愛妻ちゃんと息子くんが招待されたことがあったのですが、
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ちなみに最新式ともなると、リクライニングが完全にフルフラットになり、ベッドのようにゆったりと寝ることも可能…

 

 

ところが当日は、そのうちの1席の電動式のリクライニング装置が故障していて……

 

 

息子くんは、切り立ったままの座席で数時間を過ごしていた、なんてことがありました…
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息子よ……乗れただけでも、よしとしようや……

 

最近では信頼性が飛躍的に上がった、第3エンジン。APUとも呼ばれるタービン式のエンジンは、地上にいる際の電源を取ったり、主エンジンの始動の際に必要となる圧縮空気を送り込んだりする機能があるのですが、
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これも度々故障することがあります。ただこちらも故障したとしても、外部から圧縮空気を送り込むことによって主エンジンを立ち上げさえすれば、通常のフライトには出られるので、ほとんど問題になることはありません。

 

この時も整備簿には記入し、出発前の飛行用書類にも、故障品リストに登録された部品として記載がされます。

 

運航の主要部品、重要となる部品、例えば飛行機の重量を地上で支える主脚であったり、
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主エンジンなどが故障した場合は、さすがに修理が完全に終わって、飛行できる状態に再整備できなければ、フライトに出ることはできません…

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固定されるべきパーツが、しっかりと固定されていることも、安全飛行の絶対条件の1つになります。

 

つい先日、デンバーからホノルルに向かっていたユナイテッド航空ボーイング777型機から、
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エンジンの吸気口のカバーが外れて、住宅地に落下したという事故がありました。

 

怪我人が出なかったのが、不幸中の幸い……
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当然のことながら、同型機は運航停止の措置になって、エンジン部品の精査が行われることになりました。
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日本でも国土交通省の指示によって、合計32機のボーイング777型機の運航が停止になったそうですが、

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措置の対象になっているのは、ユナイテッド航空の機体と同型のエンジンを積んだ機体(プラット・アンド・ホイットニー社製)で、

 

影響を受けているのは、国内線用の機材にとどまっているそうです。
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国際線用の機材は、他社製のエンジン(ジェネラル・エレクトリック社製)を積んでいるので、影響は受けていないようです。

 


裕坊が乗務する機体は、与圧に使われるバルブが開閉を繰り返していた、ということで、一旦飛行機の電源を切って立ち上げ直し…
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故障も問題なく直って、定時に出発しておりました。

 

やってきたメンフィス。
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お土産がたくさん売られているこちらの売店で、
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時々裕坊が買っていくのが、こちらのバーベキューソースとスパイス。
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豚リブ肉をオーブンで焼き上げて、かけると最高…

 

ソースをかけてもすごく美味しいですが、
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スパイスでいただくのが、何といってもメンフィス流。
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エルビス・プレスリーがかつて住んでいた豪邸もメンフィスにはありますし、見所はたくさんあります。南部に訪れる機会がある際には、是非メンフィスでスパイスがかかったポーク・バーベキューを試していただきたいです。

 

そのメンフィス…
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南部にしては珍しく、先週は寒波に見舞われて…

 

20センチほどの積雪があったそうです。
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上空から眺めても、とてもメンフィスとは思えない光景でした…

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夜はトムソーヤの冒険で知られる、マーク・トゥウェインがこよなく愛したニューヨーク州の西部の都市、アルマイラに遅くの到着。
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2日目となる月曜日は、夕方に出発です。