Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、5日間勤務のフライト、2日目

アメリカ国内を、小型旅客機で中短距離路線を担当している、裕坊といいます。こんにちは。

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クリスマスイブ、クリスマスと2日間のお休みをいただいて、今年の締めとなる5日間勤務のフライトに出勤しました。

 

今年のクリスマスはイブの遅くから雪が降って、ホワイトクリスマス。

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イルミネーションも、雪の中でとても映えておりました。
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本当ならこんな日は……

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窓の外で降りしきる雪を眺めながら、幸せを噛みしめるのがいいのでしょうが……

 

 

裕坊のクリスマスの過ごし方といえば…………

 

 

食うか……

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寝るか……
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ちなみに今年は、どちらをも叶えてしまいました……

 

もしこれでお酒類を受け付ける体だったとしたら……
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こんな感じになっていたのは、間違いないでしょう………

 

サンタさんもお怒りやったやろな💢💢………
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気を取り直して………

 

 

 

クリスマス翌日のお昼下がりに出勤。5日間のフライトなのですが、4日目は宿泊滞在だけで担当便が入ってないので、実質は4日間。

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セキュリティーを通ったばかりの光景。
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アメリカではクリスマスを過ぎても、年が明けるまではリースもツリーも飾ったままにしているところが多いです。

 

年末の締めとなる5日間勤務のフライトは、「デッドヘッド」と呼ばれる客席の乗っての移動からでした。
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デトロイトから、お隣オハイオ州の州都、コロンバスまで。

 

コロンバスでは、裕坊がよく通っているオススメのラーメン屋さんの支店ができる予定になっているのですが、このコロナ禍の中で、どこまで準備ができているのやら……

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そして暗くなってから、ミネアポリス行きを担当。

 

オハイオ州でも雪がけっこう降っていたようで、駐機場付近はかなりの雪で覆われていました。
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滑走路や主な誘導路は除雪車がすぐに作業をしてくれるので、あっという間に雪も片付くのですが、駐機場付近ともなるとスペースの関係もあって除雪車が入れないので、どうしても雪がかなり残ります。

 

 

そして昨日は、裕坊にとってこの冬初めてとなる、出発前の飛行機の除氷作業を行いました。
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飛行機の翼面は角度からデザインまで、飛行機が空を飛ぶのに必要となる揚力を生み出すために、航空力学を緻密に計算された上で作られているので、

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ちょっとした障害物が付着しただけでも、大きく揚力は損なわれてしまいます。

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たとえ雪や氷といえども例外ではなく、機体全体を付着物なしの状態にしておかなくてはいけません。

 

裕坊が以前乗務していた、50人乗りのCRJに付いていた氷の様子。
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こんな状態ですと揚力そのものがほとんど生まれないので、空に飛び上がることすらできません…

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そんな時に行うのが除氷作業。
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専用のトラックから、係員がホースを機体に向けて除氷液を撒きます。

 

使われるのはグリコールが主成分となっている粘性の高い液体。除氷液の種類に寄って色分けがされています。左側のオレンジ色の液体、タイプ I となっているのが、氷や雪などを溶かすのに使われる液体で、大抵は液体を温めて使って作業効率をよくすることがほとんど。

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1番右側の緑色のタイプ IV は、降雪が続いているときなどに、主翼上面などに作業後積もった雪を離陸滑走で振り落とすために、防氷の目的でかけておく液体。ちなみにアメリカの旅客航空業界では、タイプ II、タイプ III と呼ばれる液体は、ほとんど使われてないです。

 

緑色のタイプ IV は、一旦除氷作業で雪などを振り払ったあとにかけられ、離陸を準備……
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降雪が続いているときに、主翼上面が緑色になるのはそのため。
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これで少々の雪でも離陸が可能……
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ただ積雪が激しい時は、この液体といえども効果が数分しか持たなかったりするので、早めに離陸することが肝要になってきます。最もブリザードのようなお天気になると、まずフライトそのものが欠航になってしまいますが……

 

ちなみに上空で飛行機が氷結しそうになった時は……
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エンジンから取り入れられた圧縮空気の一部を使って、溶かします。
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圧縮の過程で既に温度が上がっている空気を使い、温度を調節しながら主翼の前面などに空気を送り込みます。温度は50度前後に保たれることがほとんど。これなら、主翼にもダメージがなく、効率よく融氷もできるという仕組み。冬場で活躍する、飛行機のシステムの1つです。

 

コロンバス空港で、機体の除氷作業を終えて、
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やってきたのがミネソタ州ミネアポリス
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数日前にブリザード級の積雪があったばかりで、地上にもかなりの雪が残っておりました。

 

そのあとミネアポリスから、車でおよそ1時間ちょっとのローチェスターには、夜遅くの到着。
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ちなみに今回の5日間のパートナーとなる副操縦士は、この地域の生まれ育ち。ホテルに向かうことなく、嬉々として親の元へと向かっておりました。

 

ホテルの送迎シャトルの運転手が確保できなかったらしく、昨日はタクシーにてホテルまで。
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先週にかなり似たパターンのフライトをこなす2日目は、またも遅い出勤です。