皆さんこんにちは、リージョナルジェット機窓眺め人、裕坊です。
連続で5日間のフライトへと出ている裕坊。今日は中日。マラソンでいうなら、ちょうど20キロ過ぎの折り返し地点。今週は毎日が早朝のショーアップとあって、日が昇らないうちから、他のクルーとともに、ホテルの送迎シャトルに乗り込みます。
今日の担当は3便。直接こんなお天気にかかることはなかったものの、積乱雲はたくさん発生している、大気が非常に不安定な1日……
さすがにここまではなりませんでしたが………
あまり乗り心地のよくない、揺れがなかなか収まらない中、
何とかカンザスシティーに到着……
そのあとはニューヨーク・ラガーディア空港まで。
こちらが各フライト毎に受け取る、『フライトリリース』。各々のフライトに必要な情報は、ほとんどここに集約されています。
緑で囲んだところは、予定飛行時間に消費燃料、青く囲んだところは、出発時の搭載燃料、そして赤く囲んだところが、計画飛行経路。
そしてこれらの情報を、操縦室搭載のFMS(Flight Management System)と呼ばれるこんな機械に、全てを入力………
このFMS、ナビゲーションや燃料計算などの処理をしてくれる機械。最近の旅客機では、本社運航管理課や本社整備課とのメッセージまでをもこなしてくれるスグレモノ……
FMSに入力する情報は、基本的にはこれと同じ。
もし自家用飛行機を飛ぶのであれば、まずはこんな地図を買ってきて、
その中身を開いてみると、空港の位置や空域情報、またそれぞれの地上の大きな目印となる目標地点などの情報が満載されています。
目的地まで飛行するのに、把握しやすい大きな工場や本流となる川など、目標とするいくつかの地点を自ら定めて、それを結ぶように定規で線を引き……
方角を測ったり、距離を測ったり、そして風の情報などを見ながら、巡航高度を決めたり……
それをこんな器具を使って、今度は上空での実際の飛ぶ速さなどを割り出して、
こんな計画表が出来上がります。
パイロットのライセンスを所得する際には、誰もがする作業。情報が多くて、少しビビりそうになりますが、慣れてくるとかなり早く計算もできてしまいます。
最近は自家用機の世界でも、かなりデジタルの機械が入り込んできていて……
以前は自ら回していた円盤での作業も全てがデジタル化……
地図もiPadなどのタブレットなどにも、表示されるようになってきました。
中にはiPadが使用しているGPSレシーバーによるナビゲーションも可能になって、自分の位置が瞬時に把握できるスグレモノだったり……
世の中、本当に便利になりました……
今でもチャーター機のパイロットなどは、こういった飛行計画を自ら立て、飛行計画のファイルに至るまでの作業を自らやっているようですが……
定期航空会社の場合、本社の運航管理課が一括してフライトを管理して、飛行計画なども全て彼らにお任せ……
パイロットたちは、出発ゲートで印刷される『フライトリリース』と呼ばれるものを受け取るだけ………
ある意味、エアラインパイロットって、ずるい職業かも………………
オイシいとこ取りやん………
今日のカンザスシティーから、ニューヨーク・ラガーディア空港までの飛行計画を打ち込むと、こんな画面が上がってきて、具体的な経路を表示してくれます。
ちなみに赤く囲んだところに、総飛行距離が表示されています。1,000マイルをひとっ飛び……
海里での計算ですので、1.8をかけてキロに換算。飛行距離は1,800キロ……我がリージョナルジェット機、2,000キロくらいであれば…………………
追い風なら……
楽勝です…
向かい風のときは………
特に、到着地の天候が怪しい場合……………
目的地到着前に、途中着陸することがあります………………
給油のために…………………
2便目の目的となった、ニューヨーク・ラガーディア空港。
ターミナルビルの老朽化が激しく、今全面建て替えの真っ最中。
至る所に、完成図が掲示されています。
かなり力の入ったプロジェクト……
既に一部では供用も開始されているのですが、
デルタ航空が使用することになる、Cターミナル、Dターミナルは一部で輪郭こそ出来上がってきたものの、供用開始はしばらく先……
ただ一度完成すると、ニューヨークの名に恥じない、モダンなターミナルになるようですので、乞うご期待……
ターミナル内も、世界的に標準になっている天井の高い、とても開放感溢れるターミナルになるようです。
今日も日が高いうちに、3便を終了して……
明日はまた3時台起きです………
寝ます……