皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。
今日から4日間のフライトへと出かける裕坊。外はどんより曇り。季節がら、アメリカ国内でも比較的北にあるミシガン州はこの時期になると雪が降り始めます。
まだデトロイト付近では積もってはいませんが………
既に昨日は先日ご紹介したミシガン州のほぼ真ん中に位置するサギノーで、雪が数センチほど積もっていたようで………
一部ではニュースになっておりました……
デトロイト地域にも、いよいよ本格的な雪の季節はやってくる………裕坊が乗るセダンくんは、前輪駆動。こちらで売られるタイヤには若干コンパウンドが含まれていて、通常のタイヤでも何とか安全に乗れる仕様にはなっているのですが、やっぱりスタッドレスのグリップ力には敵わない………
あえて買うべきか……それとも普通のタイヤでガマンした方がいいのか…………四輪駆動なら文句ナシなんやけどなー……
今日は夕方出発のヒューストン行きを担当……
ホリデーシーズンとあって、出発ゲートにもリースが飾られています…
チラチラと雪が降っているので、まずは搭乗完了後は、除氷作業へと向かうことになります。
で、その除氷作業とは……………
日本でも北海道にお住いの方であれば、恐らく空港でこのような作業をやっている光景をご覧になったことがあるのではないでしょうか………
北国、雪国の空港の冬の風物詩……除氷作業…………
車であれば、少々車に雪が積もっていようとも………
フロントガラスから視界さえ確保できれば、通常の運転には支障はありません……
幸運を祈ります………………
飛行機の場合、主翼、尾翼は大変細かい航空力学の計算を取り入れた上でデザインされていますし、エンジンや機体胴体自体も一定の形を保っていることを前提での空気抵抗が計算されていますから、雪や氷などが表面につくと、揚力が生みにくくなるだけでなく、空気抵抗も大幅に増して、安全なフライトに必要な要素が各部品ごとに大幅に妨げられることになります。
上面にこんな風に氷がビッシリと張り付こうものなら……
この図のように主翼が飛行機を浮かせるために必要な揚力を得られなくなり、離陸は困難になり、飛行中の飛行機は飛行を続けるのに必要な揚力を失ってしまいます……
ですから降雪などで付着した雪や、夜間停泊の際に付着した氷などは、航空機の場合は例外なく離陸前に、完全に除去してしまうのです……このために行われるのが、除氷作業……
大型機に積もった10センチ以上の雪などを振り払う場合などは圧縮温風などを使うこともあるようですが、国内線用の中型・小型機などは、ほとんど例外なく除氷用の液体が使われます。
この除氷用の液体は、目的によっていくつか種類が分けられていて、基本的には4種類。そのうちアメリカの国内線で使われるのはタイプ1とタイプ4。
まず飛行機の上に積もった雪や霜、氷などを除去するのに使われるのがタイプ1。主成分はプロピレングリコールにエチレングリコール。
種類が一目で分かるように色付けされていて、オレンジ色の液体がホースから放たれます。液体の温度を高くしておくことによって、除氷の作業の効率を高めますが、大抵の場合80度前後にまで温められ、高圧噴射によって雪を勢いよく振り落としていきます。
降雪の激しい時などは、20分ほどの時間を要することも…………
でも、もし除氷したあともまだ雪が降っていたら、どうするの?…………………
この時に噴射されるのが、防氷剤。アメリカではほとんどタイプ4が使用され、緑色の液体が噴射されます。主成分自体はタイプ1とほぼ同じものが使われているのですが、液体の粘性を高めて、噴射後飛行機の翼面から滴り落ちにくくしているのが特徴。
除氷用の成分が含まれた液体を、翼面に留まらせておいて、離陸前に降ってくる雪などを取り込んでしまいます。除氷作業後も雪が降雪がある場合などは、こうして除氷後の離陸できる状態を保つのです。
粘性が高いとはいっても、飛行機の飛行速度でも翼面に留まれるほどには粘性は高くありませんから、飛行機が一旦離陸滑走を始めると、
除氷後の降雪などで翼面に積もっていた雪などが振り落とされるという仕組み。除氷作業が終わって緑色で覆われていた翼面も、離陸する頃には、きれいに液体が振り落とされて通常の翼面が顔を出すことになります……
今年の冬は、何回やることになるやろか…………
裕坊的には、回数が少なければ、少ないほどいい………
暖冬であることを願います………
スキー場の方には怒られるかも知れませんが…………
今日は2便を担当してシンシナティまで来て、宿泊滞在…
明日も今日に続いて、ゆっくりのショーアップです。
裕坊