Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、明日から5連休

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

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昨夜はシンシナティに宿泊していた裕坊。今日の空港ショーアップが午後2時と比較的ゆっくりで、しかも宿泊先はオハイオ川のほとり。ちょっと足を伸ばせば、こんな景色が見えるのかと期待して行ったのですが………………………

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実際着いたところが、ダウンタウンからちょっと離れた寂れた町並みの一角。しかもお隣は酒屋さん………………………

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歩けねーよ……………………………夜の町の散策……………………………………………中止…………………………………

ホテルの送迎シャトルの運転手さんが、ホテルの朝食は絶品だよ、とやたら自慢するので朝ロビーへと降りてみると、

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確かに朝食は充実していました。ただ何度も書くのですが、アメリカのホテルでの朝食では、野菜類を見ることはほとんどありません。ただここは果物類がとても充実していましたので、今日はその中からパイナップルをいただきます。これは確かにけっこういけました。
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それでも空港までやってくると、

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シンシナティ空港のBコンコースにあるフードコートで…………………………
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また買っちまった……………チリドッグ………………………………………やめられん……………………………
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実はこのフードコートでチリドッグを売るゴールド・スター・チリというお店、シンシナティのやや東にあるマウントワシントンという小さな町で、ハンバーガー・ヘイブンというお店で立ち上げられました。元々は名前の通りハンバーガーがメニューの中心だったらしいのですが、お客さんの間ではチリソースを使った料理が人気で、そのうちそちらが主力へとシフトしたそうです。

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このお店の名前が地元で名を馳せるようになったのは、1993年以降のことなのだとか。シンシナティ・レッズ一筋で活躍、自らも監督を勤めたビッグ・ドッグで知られた地元のスーパースター、トニー・ペレス。他のレッズ選手たちとともに大々的なキャンペーンを行ったのだそうです。

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3つのチリドッグにドリンクがついて9ドル。シンシナティにお寄りの際は、Bコンコースのフードコートですぐ目に入るこのお店で、一度試していただきたい裕坊のオススメメニューの一つです。

今日はそのシンシナティを出発してテキサス州ヒューストンを経由してデトロイトまで。ヒューストンのフードコートには、最近ビジネスを全米で拡大しているブレイズピザという、その場で注文をしてから調理をしてくれるという新しいタイプのピザ屋さんがあり、副操縦士のライアンくんがどうしてもそこでピザを買いたいというので、折り返しのデトロイト行きの出発前外部点検を、裕坊が引き受けました。
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旅客便、貨物便、あるいは自家用機の如何にかかわらず、飛行機では出発前には例外なく外部点検を行います。自動車であれば不具合があれば、車を道の脇に止めて応援を呼ぶことができますが、飛行機だとそう簡単にはいきませんから、不具合があればそれを離陸前に発見しておくのはとても重要。ですからパイロットは自ら外へと足を運んで、液漏れがないか、破損している箇所がないかなどを確かめます。

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機体がちゃんと飛行できる状態にあることを確認するのは、例外なく機長の責任。ただ外部点検そのものが機長に委ねられるのか、それとも副操縦士が担当するのかは様々。マニュアルは会社によって千差万別。裕坊が勤めるエンデバー航空の場合、責任は機長が負うが、それを副操縦士に委ねるかどうかは機長が判断するとあります。で、大抵の場合、ほぼ例外なく副操縦士に委ねられます…………………………

外に出ていると、いろんなものを見かけます。今日のようにファーストクラスの夕食の供給トラックが来ていたりするのを見ることも。
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ここは離着陸灯、その横には給油口もありますね。
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地上で飛行機を支えるランディングギア。先日、故障した飛行機をシンシナティへと回送するときは、左側のランディングギアを上げ下げするのに必要な油圧系統の油圧液漏れが見つかっていました。
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羽の先端もチェック。ここに歪みがあったりすると空気の流れが変わりますので、損傷がないかを確かめます。
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羽の先端には飛行機の位置を示すライトなどもついていますので、そんなところもチェック。
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主翼の後ろ側には補助翼などもついているので、損傷がないかを確認。
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ランディングギアを後ろから目視確認。ブレーキパッドがどれだけ残っているかは、ここから確認。
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ここの小さなドアを開けると、油圧液の補充などができます。ただここは整備課の専門領域で、パイロット自身で開けることはほとんどありません。
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白い文字を見れば、このドアが何をするのかお分かり頂けると思います。触らないようにしましょう………………………………
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エンジン……………ブレードに破損がないか、吸気口に破損がないかなどを確認。
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補助翼も同じように点検………
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後ろから目視確認をして………
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反対側へと回ります。ちょうどヒューストン行きの荷物を運び終えて、地上の係員もしばらく一息。
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同じように点検。ただしこちら側には給油口はありません………
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こちらはファーストクラスのほとんど最後列の下にある補助貨物室。リージョナルジェット機に搭乗するとき、搭乗ゲートで渡されるタグをつけてお預かりする荷物は、ほとんどこちらに収められます。到着地で1番にこちらの荷物が降ろされ、ゲートにて受け取り。
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写真では分かりにくいですが、若干傷が入っている部分があり、整備課がペイントを塗っています。これは整備課がこの損傷は記録にも入っていて、安全飛行には差し支えがないと整備記録にも登録されている箇所を示す印。飛行機に備え付けの整備簿にも記録が入っています。
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裕坊の乗っているCRJシリーズは、ドアが上下開閉式で、ボーディングブリッジがないところでは、自らの階段を使うこともできるスグレモノ。
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外部点検で異常がないことを確認した機体に乗り、デトロイトには到着予定よりも20分も帰ってきました。

今日は裕坊には嬉しいことが一つ。日本人の新人パイロットが1人今年入社してきていて、今日初めてデトロイト空港で会うことができました。もう1人いるHくんは既にデルタ航空の内定をもらっていて、我がエンデバー航空で機長を2年勤めると、デルタ航空本体へと移籍していきます。僅かな期間ではありますが、日本人パイロット3人体制となりました。いずれスケジュールを合わせて、日本人会みたいなものを企画しなくては……………

 

日本にはまたも列島を縦断しそうな台風が近づいていますね。

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まだ多くの地域では復興の真っ最中。とにかく被害が広がらないことを切に望みます…………

 

裕坊