Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、3日目

皆さんこんにちは、リージョナルジェット機運転手、裕坊です。

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昨日月曜日は3本のフライトを担当。デルタ航空が基幹空港として使っている空港から出発するときは、リージョナル航空会社で飛んでいる裕坊が担当するのは、地方路線がほとんど。地方空港から、あるいは地方空港への乗り換え接続のための乗客の皆さんを運びます。

 

そのため、空港出発は5時台だったり、到着が12時前後なんてこともザラ……閑散期になると、これ以外のフライトがなくなり、乗務員運用の関係で30時間の宿泊滞在が入ることもしばしば………このパターンが先週に続いて2週間続き、今週も長時間宿泊滞在が入ることになりました。

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やってきたのは先週に続いて、ケンタッキー州レキシントン。隣町にはトヨタのケンタッキー工場もあり、日本人の乗客の方も時々お見かけする路線。

 

レキシントンといえば、競馬用のサラブレッドの生産地で有名だそうで、いたるところに牧場が点在……
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レキシントン空港の入口横には、キーンランド競馬場があり、5月のケンタッキーダービーへの前哨戦となるブルーグラスステークスが行われる場所にもなります。
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4月、10月が、ここキーンランド競馬場での競馬シーズンなんだそうで、
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春の季節のいい時期にやってくると、桜やリンゴの花を見ながら競馬観戦なんてのも可能なんだとか……

 

ダウンタウンからは、車で15分ほどの距離。裕坊は足がないので、今日は先週に続いて、ダウンタウン付近をまたも散策……

 

先週はあいにくの雨で、ほとんど観光らしい観光もできませんでしたが、

 

今日はまずまずのお天気……

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外の気温も27度ほどにまで上がって、散策するにはちょうどいいお天気でした。

 

実はここレキシントンは、バーボンウィスキーの生産地としても有名なのだそうで、
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90パーセント以上がこの周辺の醸造所で生産されているんだそうです。

 

せっかくなので、醸造所までやってきて、
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ビジターセンターを訪問……
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製造行程が似ているせいか、バーボンウィスキーだけでなく、ビールもここで生産されているということでした。
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工場の醸造行程を見学できるツアーもあり、しかも格安のお値段で、試飲までできるということで、入ってみると………

 

もう入った瞬間から、バーボンウィスキーの匂いが、かなり充満………

 

普段全くアルコール類を口にしない裕坊、5分といただけで、酔いで目が回りそうでした………

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こちらは蒸留用の蒸留器。

 

そして熟成用に使用されている樽……
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バーボンウィスキー熟成に使われている木は、ホワイトオークという木に限定されるんだそうです。

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樽の中の様子も見ることができます。一旦火を起こして、焼き焦がした上で、熟成に使えるようになるのだとか……
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バーボンウィスキーの主原材料は、トウモロコシ。世界でも圧倒的にトウモロコシの生産が盛んなアメリカならでは。トウモロコシが主原料として51パーセントを超えて、初めてバーボンウィスキーと呼ぶのだと、強調しておりました。

 

こちらは試飲のコーナー。4種類の試飲で、お値段は8ドルとリーズナブル………
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ただ試飲は全てロック………ちょっとキツすぎて、2つ試飲しただけでギブアップ……

 

様々な種類のバーボンウィスキー。
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ビジターセンターには、お土産コーナーもあり、お土産類も充実しています。

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お土産コーナーで、裕坊は普段は全く飲むことがなく、醸造所に入っただけで酔いそうになっていたことを伝えると………

 

わざわざこんなものを作ってきてくれました………

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アルコールが入らない、アイリッシュ風のホワイトクリームたっぷりのコーヒー………

 

 

これでやっと歩いて帰れる…………

 

 

ごちそうさまでした…………

 

 

19世紀に、バージニア州の都市として始まった、ここレキシントン
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ダウンタウン周辺の建物からは、その歴史を感じることもできます。

 

そしてこちらが、メアリー・トッド・リンカーンの館。
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第16代アメリカ大統領のアブラハム・リンカーンの奥様、メアリー・トッドが13歳の時から暮らしていた家なのだそうです。

 

14部屋もある、当時としてはかなり広い邸宅だったようで、
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メアリーが21歳の時に、イリノイ州に移住するまでは、ここの邸宅で暮らしていたそうです。


ケンタッキー州の様々な歴史的建築物を保存する団体によって、現在はこの建物も保存されている、とのことでした。
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奴隷を抱える、当時としてはかなりの裕福な家庭だったらしく、

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立派なお庭もあり、紫陽花が咲き乱れておりました。
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19世紀にはバージニア州の都市として、既に確立していたというレキシントン

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古い町並みの情緒を掻き立てるように、
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あちこちに、バプテスト系の教会もたくさん並んでおりました。
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ホテル近くまで戻ってきて……
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今日はレストラン風でありながら、実際はファーストフードのようなお店で……
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こんなお食事……
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日本に一時帰国するまでの間に、ちょっとお腹周りを落とさんといかん…………

 

明日はまた3時起き……

 

 

先月から続いた「ほんのちょっとだけ過密な」なスケジュール。いよいよ明日が締めになります。

 

 

 

 

裕坊、2日目

皆さんこんにちは、航空会社サラリーマン、裕坊です。

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束の間のお休みを土曜日に頂いて、再び4日間のフライトへと日曜日から出かけている裕坊。この4日間のフライトが終わると、しばらくお休み……普段であれば休日返上で、ヘソクリ稼ぎを目論む裕坊ですが、恐らく今回の4日間が終わる頃には電池切れ。

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息子が出る音楽会が控えている上に、車の修理やら、ブログを書くのに使っているiPadの修理やらにも行かんといかん………

 

ちょっとは大人しくしといた方がええやろか………

 

髪ももうボサボサやし………

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今日月曜日は2日目。ボストンからの出発となりましたが、今日のボストンは快晴。

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昨日の日曜日も、こんな天気なら、すごく助かったのに…………

 

 

昨日はというと………

 

 

デトロイトをお昼過ぎに出発して、まずはピッツバーグまでは順調……

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そしてボストンまでも順調にやってきて………

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本来なら40分ほどで折り返して出発するはずが…………

 

 

こんなものをいただいておりました。

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ボストン・ローガン国際空港、Aコンコースにあるここのシーフード屋さん、

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お持ち帰りコーナーのレパートリーが最近増えて、野菜サラダも海老サラダやロブスターサラダなどが買えるようになりました……

 

海鮮物に目がない裕坊。もちろんお馴染みのクラムチャウダーもいただいていきます。

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実を言いますと、またこんなお天気が東海岸に「ご訪問」………

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アメリカのお天道様は、かなりの気分屋さんのようです…………

 

次の目的地、ペンシルベニア州フィラデルフィア行きのフライトに、航空管制による離陸制限がかかって、2時間待ちしておりました。出発する頃になってもすぐには雨雲が晴れず、今日は西へと大きく迂回………

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こちらがそのボストン発フィラデルフィア行きの実際のフライトの航跡。

 

さらに、到着地付近を大きく拡大してみると…………

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空港到着前に大きく楕円を描いているのが見えます……

 

 

実はこのフィラデルフィア空港。空港レイアウトはこんな風になっていて、着陸便が多い朝夕の時間帯は、南北方向の滑走路と東西方向の滑走路を、リージョナルジェット機と中型大型機が交差しながら着陸する仕組み………

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大抵は航空管制によって進入速度が調整されて、交差する着陸便はそれぞれ最低でもお互いが3キロずつの距離を保つのですが…………

 

昨日は間が悪いことに、交差する着陸便と、裕坊が操縦する便の滑走路へ入るタイミングがほぼ重なってしまい…………………

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管制官の指示により、ゴーアラウンド

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推力を上げて、再び上昇して着陸をやり直し…………

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そのあとグルリと滑走路の周りを一周するかのように戻ってきて、そのあと着陸……

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やっとフィラデルフィア到着……
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2時間遅れ……既に夜の10時を過ぎてはいましたが………

 

そのあとも紆余曲折を経ながら、ボストンまで満席の乗客の方を乗せて……
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戻ってまいりました……

 

 

しかも昨日は、それにとどまらず………………………

 

 

故障品が3つも発生して…………
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ゲートを離れる前に、本社整備課に電話を入れて、整備員を呼んだりして……

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もう疲れた……………… 

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ここしばらくダイエットに励んでいた裕坊でしたが……

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今日は『高タンパク・高カロリー』で、向かうはケンタッキー州レキシントン。明日はホテルでゆっくり1日滞在です。

 

 

 

裕坊、束の間の休日

皆さんこんにちは、サラリーマン風パイロット、裕坊です。

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昨日金曜日は、3本の担当便をこなして5日間のフライトを終えて、帰宅していた裕坊。先週はお休みの日が雨で、庭の手入れが全く出来ず、

 

芝生はもう伸び放題…………

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今日土曜日は積乱雲がやってきて、大雨になる予報でしたので……
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とても今日土曜日に芝刈りは予定できそうもなかったので(実際に、かなり大雨が降りました)……

 

昨日の朝は3時起きで、本当は家の中でゆっくりしたかったのですが……
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帰宅後も横になることなく、頑張りました……

 

裏庭だけで、3袋がほぼいっぱい……
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刈って行くたびに、境界線がハッキリと分かります。
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やっと終わった……………
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普段は40分もあれば終わるところ、1時間半、たっぷりとかかりました………

 

 

今日は束の間の休日の土曜日でしたが、息子くんは来週開催される音楽会に向けて、担当の打楽器の練習にお出かけ……もうほぼ夜中近くになるのですが、まだ練習が続いている模様………

 

小学2年の時から塾通いを始めていた裕坊…習い事といえば、水泳やサッカー、習字くらい……ピアノなんて女の子だけがやるものという概念があった時代でもあり、ピアノはおろか鍵盤に触ったことすらありませんでした……時代は変わっとるんやね………

 

 

時代が変わったといえば、日本もやっと本格的に、航空機製造に参入できるところまで漕ぎ着けることができたようです。最近になって目を引いたのが、三菱製のリージョナルジェット機の話題。

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当初のネーミング、MRJMitsubishi Regional Jet)からスペースジェットと名を変えて、本格的に航空機製造業へと参入できることになりそうです。ネーミングの変更については、どうやら不祥事が続いてイメージが悪くなっている三菱の名前を前面に押し出したくない、という意向もあるようですね。

 

日本は先の大戦での敗戦後、GHQ(General Headquarters:連合国軍総司令部)によって10年間もの間、航空機の製造はおろか、研究や設計、或いは日本企業による運航までもが禁じられ、戦前の航空機に関する資料は全て破棄。GHQの占領期間中には各航空会社、航空機製造メーカーは完全に解体され、他業種への転換を余儀なくされました。失職した技術者たちも、自動車や鉄道へと流出せざるを得なかったのだそうです。

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実際には、朝鮮戦争勃発時に、米軍機の修理や整備の受注、自衛隊向けの機体のライセンス生産を至るまでにはなっていたらしいですが、本格的に航空機産業が立ち上がったのは、日本企業による航空機の生産、運航が解除になった1957年(昭和32年)。終戦から12年後のことでした。

 

その時立ち上げられたのが、民間一体になって立ち上げられたプロジェクトでもあった日本航空機製造。長らく日本の空の近距離路線を多く飛んだYS−11というプロペラ機が製造されたのがこの時代。

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技術面では当時としてはまずまず高度なものを誇ったにもかかわらず、確立した販売網を持っていなかったのは、YS−11という日本初の旅客機にとっては、致命傷となりました。

 

完成直後は海外からの多くの受注を受けたものの、杜撰な契約から高額な支払いを要求される場面に数多く直面し、赤字は拡大する一方……当時の通産省(現在の経済産業省)だけによる主導によって行われた民間航空機生産の振興事業。ノウハウを蓄積するにはあまりにもコストが嵩み、182機を以って生産は終了。日本航空機製造という会社も、1982年(昭和57年)に解散。

 

 

それからしばらくは、日本の企業が自ら旅客機の開発に携わることはありませんでした………

 

 

そこに日本の航空機製造に、再びチャンスを伺う機会が訪れます。それは1990年代後半になって起こった、リージョナルジェット革命(RJ revolution)。それまで近距離で、需要が少ない路線で飛んでいた旅客機といえば、アメリカでもターボプロップというプロペラ機が中心でした。

 

カナダのボンバルディエという航空機製造メーカーが、それまでチャーター用、或いは企業のお抱えの航空機として使用されていたチャレンジャーという小型ジェット機を改造。

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この機体の全長を少し伸ばし、座席を50席詰め込んで、新しく旅客機を製造します。

 

そのローンチカスタマーになったのは、今はなきコムエアー(2009年9月29日に、親会社であるデルタ航空によって閉鎖されました)。1993年にCRJ-100型機(Canadair Regional Jet)が導入されます。

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プロペラ機に比べて騒音も振動も少ないジェット機。小型でありながらジェットエンジンを積み、ジェット機の方が安全という一般の方のイメージにも合致することになって、たちまちのうちに大ヒット。一時は、アメリカ国内の半数以上の離着陸数の半数を占めるまでに、就航便数も大きく伸びることになります。

 

裕坊は、その初期型CRJから派生して若干改良が加えられたCRJ-900型機に、現在乗務。(76人乗り)

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客室の騒音が少なく、速達製においてはプロペラ機の比ではないリージョナルジェット機。アメリカに限らず世界各国でも導入が進むのを経済産業省が着目して、日本の重工業3社に新たな航空機の開発を提案します。それにいち早く回答したのが三菱重工業。この開発を正式に前進させるために、三菱は『三菱航空機』を立ち上げ、航空機製造部門を子会社化。2008年に正式に事業がスタートします。

 

幸いだったのは、日本航空機製造が1982年に解散になったあとの、親会社なきYS−11の整備点検を、三菱重工業が一手に引き受けていたこと。

 

残念だったのは、ジェット機の製造や開発に関するノウハウがなかったこと。これはかなりの足かせになりました。ただでさえ時間と費用が膨大にかかる新造機の開発。2013年に予定されていた初号機納入は大幅に遅れることになり、早くても初号機の納入は2020年半ば。その遅れを急いで取り戻すかのように、日本でもアメリカ国内においても、形式証明取得のための試験飛行が、やっとのことで始まりました。

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既に旅客機部門では、4発機を所有する航空会社がなくなった、アメリカの航空業界。

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国際線用の大型機材でも、B777A350など、エンジン効率が格段によくなった双発機だけになり、B747が主力として使われた時代と比較すると、機材は国際線といえどもやや小型化が進んでいます。

 

国内線の場合、路線によってかなり需要のバラツキはありますから、各航空会社が求めるのは200席クラスであったり、100席クラスであったり……ただその中で、今注目度が高いのが100席クラスの航空機。

 

デルタ航空でもこの市場には、以前から注目していたようで、

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上の写真にあるエアトラン(デルタ航空と同じくアトランタに本社があった格安航空会社。サウスウエスト航空が後に買収)がかつて使用していた110人乗りのボーイング717型機を、ほぼ全機買取。

 

それを全機デルタ航空のカラーに再塗装。そのため、今でもデルタ航空が使用するボーイング717型機には、ATの機番が入っています。

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但しこのボーイング717型機は、航続距離が短いのが難点だったようで、ニューヨークからテキサスのようなアメリカ大陸の半分を横断するだけの航続距離を持っていませんでした。

 

そこで購入することになったのが、現在100席前後の旅客機市場の主力の一つにもなっている、カナダ・ボンバルディエが開発設計したエアバス220型機。

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東海岸から西海岸までの、大陸横断飛行能力も持ち合わせる最新鋭機。

 

ちなみに、このエアバス220型機。本来モントリオールにあるボンバルディエ工場で生産予定だったのが、トランプ政権がかけた220%にもなる関税を避けるために、ボンバルディエ社の働きかけで、アラバマ州モービルにあるエアバス工場で製造されることになり、その後エアバス220型機と呼ばれるようになりました。

 

100席の旅客機の市場において、もう一つの主力になるのが、ブラジルの航空機メーカー、エムブラエルによって開発されたE190。

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但しこちらもボンバルディエと似たような状況。どうやらボーイングの傘下の元に、製造されることになるようです……

 

ですので、MRJ、新たに命名された「スペースジェット」は、これらの機体に対抗していかなくてはなりませんが……

 

皆さんもよくご存知のように、既に全日空からの受注は入っていますし、

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他にもアメリカからも受注は入っています。

 

そのうちの一社は、リージョナル航空会社のトランツステイト航空(本社、ミズーリ州セントルイス

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こちらからは50機を受注。

 

他にもスカイウェスト航空(本社、ユタ州ソルトレイクシティー)からも、
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100機を受注済み。


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環境にやさしく、大阪伊丹空港にも乗り入れ可能な低騒音を実現。炭素複合材を利用して、大幅な軽量化も実現。また機内天井が200センチあり、アメリカ人のような背の高い人でも、体を屈めることなく歩くことができる客席などなど。ウリはたくさんあるようです。

 

アメリカの航空業界には、パイロット組合の契約により、リージョナルジェット機の重量や客席の座席数などに厳しい制限があり、仮に航空局からの形式証明を取得することができたとしても、アメリカ国内のリージョナルジェット機として運航するには、その辺りの課題もクリアする必要がありますが(そのため、70席機の形式取得も正式に進めることが決まったそうです)、アメリカの航空会社の塗装を纏ったこの美しい機体が、アメリカの空でたくさん飛んでいるのを見ることができるのを、裕坊は心から望んでいます。

 

 

 

 

 

 

裕坊、フライトなしの4日目

皆さんこんにちは、『ちょっと過密なフライト』中、裕坊です。

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ここ最近の裕坊のスケジュールは、ちょっと過密スケジュールでありながらも、午前中はホテルでゆっくり。無料で提供される朝食を、一緒に飛んできていた客室乗務員と一緒にいただいたりして、ゆったりの朝。

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ただいざフライトになると、お天気はゆっくりはさせてくれませんでした…………

 

ここ最近は、午後はこんなお天気ばっかり………
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暑い時期といえども、大気が安定してさえいれば、積乱雲というのは発生しにくく、水蒸気が多くてもできるのは層雲と呼ばれる横に広がりやすい雲。

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大気が安定している時は、高度の差による気温差が少なくなる傾向があるので、上昇気流が発生しても、周りの空気より上昇している空気の温度が低くなりますから、上昇気流が抑えられて、雲は横に広がりやすくなるのです。

 

この時にできる層雲は、雲の中の空気も穏やかですから、航空機が通過してもあまり揺すられることがありません。
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上から見ると、こんな感じ。
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ですから、航空機への運航も支障が少ないのですが………

 

一旦大気が不安定になると…………
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高度の違いによる空気の温度は、大きくなる傾向があります。そこに太陽の照り付けなどで上昇気流が発生すると………

 

上昇気流の空気は、周りの空気に比べてまだ暖かいので、さらに上昇を続けます……
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この時に出来やすいのが、積雲と呼ばれる雲。フワフワとした綿のような形になるのが特徴。
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上昇気流を大抵の場合伴っていますから、雲の中の空気も動きがあり不安定。この雲の中に入ると、運航に支障をきたすほどではありませんが、ちょっとした揺れを伴います。

 

これがさらに発達して、ジェット機の巡航高度を超えるほどまでに上昇するのが積乱雲。

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雲の中にある水蒸気もかなりの大きな雨粒になるまで成長するので、レーダー画面にもはっきりと映るようになります。こうなると、航空機はこの雲は通過できなくなり、航空管制も積乱雲がかかった航路を、閉鎖せざるを得なくなります。

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これは実際の昨日水曜日のレーダー画面。ニューヨーク周辺の空域がかなり封鎖されて、我がリージョナル航空会社の担当便は、午後の便の半分以上が欠航になっておりました……

 

こちらは一昨日火曜日の裕坊担当の、インディアナポリスデトロイト行き。
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西へと大きく逸れる迂回を余儀なくされて………

 

昨日水曜日は昨日で、メンフィス周辺の積乱雲を回避……
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この時期の運航の宿命です……

 

そして昨日水曜日は、ケンタッキー州第2の都市、レキシントンへとやってきました。

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ちょうど夜中ごろの到着になって、既に乗客がいなくなった通路をテクテクとシャトル乗り場まで………

 

レキシントンといえば、アメリカの競走馬の生産地。競走馬の3分の1が、ここレキシントンの出身だそうで……
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至る所に競走馬用の牧場も。空港の近くにはキーンランドという、有名な競馬場もあります…

 

あとバーボンウイスキーでも有名な町なんだとか………
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牧場が至る所に点在し、青い芝が至る所に見えるところから名付けられたこのレキシントン空港の名前………

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そのまんまブルーグラス空港……

 

 

実はリージョナル航空会社に勤めていると、季節を問わず、航空機の運用の関係で、ときどきたまにですが、30時間の長時間の滞在が入ることがあり……

 

空港近くのホテルに泊まっていても、することがないので……

 

そんな時は、ダウンタウンに泊まります……今日も霧雨が降る中を、ちょっとだけダウンタウン探検……

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こちらはザ・スクエア。美術館やレストラン、あとレキシントンにゆかりのある会社のオフィスなども入っている総合施設…

 

18世紀に元々はバージニア植民地の野営地として創設されていたというレキシントン……
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1792年にバージニア州から分離して、ケンタッキー州として州に昇格してたんだそうです。スタバもかなり趣がある雰囲気…

 

このシェークスピア・アンド・カンパニー。こちらも内装を18世紀の風情にこだわったレストランらしいです。

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ナイトライブが開催されて、毎夜2時半まで開いているという、スタガーイン……
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その通りを少し歩いて行くと……
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かなり立派な建物………
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重厚な趣のある建物やね……

 

1899年に建てられたというこちらの建物。
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元々は裁判所だったみたいです。ただし、裁判所が移転してからは、しばらくはテナントも入らない空き家状態になっていたようで………

 

2016年に全面的に改装が行われて、今ではビジターセンターの他に、
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レストランも入る建物へと変わっておりました……

 

入り口を入ってすぐ、ビジターセンターの入り口も……
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パンフレットだけいただいて……
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そちらには競走馬生産の紹介やら…
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バーボンウイスキーに関する紹介も載っておりましたが……
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今朝から降っていた雨が強くなり……
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しかも傘を持ってくるのを忘れとる………

 

ということで、ビル伝いに張り巡らされている渡り廊下を渡って………
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窓の外は、大雨………
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ということで、今日はやむなく退散しました……
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また来週も同じように、レキシントンへの長時間滞在が入るので、またもう一度探検してみようと思います。

 

明日は早朝5時の出発。3本の担当便をこなして、お昼過ぎにデトロイトに到着の予定です。

 

 

 

 

 

 

裕坊、5日間のフライトへ

皆さんこんにちは、「飛ぶパイロット」月間真っ只中の裕坊です。

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先週の週末は、アメリカは『メモリアルデー』の週末。あちこちで催し物が開かれ、日曜日には裕坊一家も「グリーンフィールドビレッジ」へとお出かけ。『ヘンリー・フォード博物館』に隣接されていて、春から秋にかけてオープン。19世紀の町の雰囲気を醸し出している、古き良きアメリカを知ることができます。

 

当時の生活スタイルを、そのまま再現。

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19世紀といえば、自動車の本格的な普及が始まった時代。「ヘンリー・フォード」が開発したこちら『T型フォード』。流れ作業による自動車の生産方式を開発し、「T型フォード」の低価格化を実現。
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合計で1,500万台を売る、大ヒット商品となりました。

 

そして19世紀といえば、アメリカ人にとって忘れることができない南北戦争
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当時の軍服そのままに、南北戦争時の様子を見事に再現していました。

 

他にも「偉大な発明家」の『トーマス・エジソン』が開発したという発明品なども見学して……
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蓄音機も、エジソンの有名な発明品の一つ。
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年齢が一回り以上離れていながら、「ヘンリー・フォード」と「トーマス・エジソン」はフロリダ(フォートマイヤーズ)に別荘を並べて建てるほどの親友だったんだそうです。

 

帰りには、そこからすぐ近くのレストランでお食事……

 

その名も「フォード・ガレージ」
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『グリーンフィールドビレッジ」内を走り回っていたのと同じように、19世紀の車が展示されておりました。
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中はアメリカによくある、スポーツバーを思わせるような雰囲気のレストラン。
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19世紀当時の給油ポンプなども置いてあります。この当時の給油ポンプは、給油前にこちらのガラスのチューブにまずガソリンが貯められる仕組み。
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まだ自動車が普及したばかりの時代とあって、ポンプから直接ガソリンが車のガソリンタンクに入っていくというのが、消費者にとってはまだ信用できなかったらしく、タンクに送り込まれる前にそのガソリンを自分の目で確かめておきたい、という当時の消費者の意向を反映したものだったらしいです。

 

他にもその当時の電話機なども置いてありました。
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前菜に出されるオニオンリング
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嘗て実際に使われていた漏斗を使っているみたいです。

 

そしてこちら、メインのハンバーガー。
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このお店ならではのソースと、ハンバーガーパティーの相性がとてもよく、味的にもなかなかでした。

 

お店の名前は「フォード・ガレージ」
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ヘンリー・フォード博物館」、「グリーンフィールドビレッジ」からも歩いて行けそうなほどの近いところにありますので、お帰りの際にはオススメ。

 

日曜日1日だけの、束の間の休日を楽しんで…………

 

息をつく間も無く、5日間のフライトへ出発……
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まずはウィスコンシン州グリーンベイを往復。
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昨日はこんなお天気と一日中お付き合い………
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特にシカゴは直接大きな影響を受けることになったみたいで、軒並みフライトが遅れておりました…………

 

担当便3つ目は、インディアナポリス行きだったのですが、
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シカゴで発達していた積乱雲が、ちょうど裕坊が出発する頃になってインディアナポリスへ差し掛かっていて、裕坊たちは大回り……

 

ただ南回りで迂回すると、その後の着陸には影響はなく、やれやれ……………

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実は『メモリアルデー』がある週末には、インディアナポリスでは『インディ500』と呼ばれる、全米を代表するカーレースも開催されています。

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「レーシングキャピタル」を名乗るここインディアナポリス

 

それを誇るかのように、空港内のあちこちにもレーシングカーが展示。
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5月は1ヶ月を通して、カーレースに関連する様々な催し物が開催されているようです。
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空港の出口に向かう途中にも、レーシングカーが一台。
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一昨日に行われた決勝では、フランス出身のサイモン・パジェノという選手が、インディ500レースで初優勝していたそうです。
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今回の5日間のフライトは、ひたすらデトロイトを行ったり来たり。今日火曜日はデトロイトへと一旦戻って、テキサス州サンアントニオに向かいます。

 

 

 

裕坊、束の間の休日を満喫

皆さんこんにちは、航空会社サラリーマン、裕坊です。

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昨日土曜日に4日間のフライトに区切りがつき、夕方には我が家へと帰ってきていた裕坊。担当便もなく、お客様とともに客席に座ってのリラックスのひとときを過ごし、

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デトロイトへと帰るのみでした……

 

ニューヨークのラガーディア空港からの帰宅便搭乗でしたが、
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デルタ航空系列が使用することになる、新ターミナルビルも輪郭がかなり出来上がって、既にボーディングブリッジが取り付けられているところも。早ければ、こちらのビルは今年秋には完成して、供用も今年中には始まる予定。

 

ニューヨークもやっと本格的に暖かくなり始めて、新緑がとてもきれい……
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宿泊していたホテルから、高速道路を挟んで反対側には、ニューヨークメッツが本拠地とする、シティーフィールドも見えておりました……

 

 

この週末は、日本語では『戦没将兵追悼記念日』と呼ばれる『メモリアルデー』の祝日がある連休。正式には「メモリアルデー」自体は、5月の最終月曜日となり、土曜日、日曜日と合わせて3連休。この連休間、全米中でパレードや、様々な催し物が開催されます。

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その「メモリアルデー」のそもそものきっかけとなったものといえば……
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この軍服姿からそれが分かる方は、かなりの歴史通。裕坊も今日まで知りませんでした。実は「メモリアルデー」がある5月というのは、アメリカの南北戦争が1865年に終結した時の月。上の写真というのは、その当時の北軍の軍服だったんだそうです。

 

南北戦争」は、アメリカ合衆国がこれまでにくぐり抜けてきた戦争史上でも、実は最も死者の数が多い闘いだったらしく(戦死者60万人)、その悲惨な歴史の中で犠牲になった戦没者を追悼する目的で、『デコレーションデー』として始まったのが、きっかけになったそうです。

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「デコレーション」とは、英語で「飾り」。兵士のお墓をお花などで飾り、追悼する習慣があったことから、この名が使われていました。第二次大戦後に、「メモリアルデー」と改名されて現在に至るのだそうです。

 

その「メモリアルデー」のきっかけとなった「南北戦争」を再現しているイベントがあると聞き、今日は家族でお出かけ……

 

デトロイトを代表する観光地、フォード博物館のお隣にある、『グリーンフィールドビレッジ』まで出かけてまいりました。
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19世紀のアメリカの歴史をよく再現する、ここ「グリーンフィールドビレッジ」

 

当時の一般の生活様式まで再現。着ている洋服まで当時のものを再現して、まるで本当にタイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。

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19世紀には、まだ移動交通手段の主力でもあった馬車……
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それに大きな革命を起こしたのが、ご存知『ヘンリー・フォード』による、大量生産による自動車の普及。
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『T型フォード(Ford Model T)』は大量生産をすることによって、自動車の価格を大幅に引き下げることに成功し、世の中の自動車の普及に大きな役割を果たしました。

 

出力20馬力、最高時速は60キロから70キロほどだったそうです。
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4気筒エンジンで、排気量は2900ccと、最近の大型セダンに実は排気量なら引けを取らない大きさ…

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低価格、頑丈さ、使い勝手ののよさ、整備の容易性から瞬く間に好評を博し、なんと1,500万台も生産されたんだそうです。

 

他にも、当時の交通の主力だったとも言える、蒸気機関車などもお出迎え。
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自動車の普及に伴って、こういったバスも馬車に置き換わって、交通機関の主力になっていったことでしょう。

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そして今日のハイライト。「南北戦争」展。

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軍服も当時のもの、そのままだそうです。

 

兵士だけでなく、太鼓隊もいたりしたそうですが、その太鼓隊はただ今休憩中……
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そしてこちらが北軍と相対峙することになった、「南軍」の兵士たち。制服も当時のものをそのまま体現。
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既に製造業があちこちで確立していた「北」は、財力でも「南」を圧倒していたようで、それは軍服の見た目の違いにも、はっきりと現れています。

 

他にも「北軍音楽隊」による、ブラスバンド演奏や……
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兵士達のオアシス的存在にもなったといわれる『コーヒーワゴン』なども登場しておりました……
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今日登場したのは、当時より若干小さめ、当時と比較して7/8の規格のレプリカだそうです。
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裕坊も喉の癒しに、コーヒーを一杯いただいてまいりました。

 

夕方には、実際の当時の合戦の様子なども再現されたらしいのですが………
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お腹も空いておりましたので、そのシーンを見ることなく、『退散』……………

 

平和な時代へと『タイムワープ』して……

 

他にもいくつかある「お目当」を回って、次を急ぎます………

ここで是非押さえておきたいのが………

 

まずはこちら、エジソンの実験の館……
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特許取得対象になっているものだけでも1,000以上からなる発明を行なった『偉大な発明家』「トーマス・エジソン」……

 

そのエジソンが実験を行なっていたのは、ニュージャージー州に当時あった、『メンローパーク』と呼ばれるこの実験施設で、

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様々な発明を成し遂げたことから、エジソンは別名『メンローパークの魔術師』とも呼ばれていたそうです。

 

こちらにあるのが、電気を作り出すのに使われた機械…
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原理自体は、今の発電に共通するものが………

 

そしてこちらが、白熱電球を作り出した、本物の研究室。
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開発されたばかりの白熱電球は、フィラメントが4秒で切れてしまう代物だったらしく、様々な失敗を繰り返して、最終的に扇子にも使われていた『日本の竹』をフィラメントに使うことにより、連続点灯時間が200時間を超えて、白熱電球の商業化に成功したのも、この実験室だったそうです。

 

そのエジソン銅像も、実験の館の前に飾られています。
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あと航空業界にとって、パイオニアになった『ライト兄弟』が実際に経営していたという、とあるお店もここで展示……
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この建物、当時あったオハイオ州デイトンから、実際に道路を移動して、こちらに「お引っ越し」

 

中を覗いてみると……………
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オハイオ州のデイトンで、自転車屋を兄弟で営んでいたのだそうです。

 

そして自転車を作ったり修理したりする、そのお店の裏側では……
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着々と、動力を使った飛行機の製作が、日夜行われていたのだそうです。

 

そして1903年12月17日……
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ノースカロライナ州キティホークで……

 

ついに人類で初めて達成された、動力を使った飛行機による初飛行…………

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オービル・ライトによるその初めてのフライトは12秒間に渡り、120フィート、およそ40メートル弱を飛んだ、とのことでした……

 

あれからまだ1世紀とちょっと。今はジェット機が普通に旅客を乗せて、海を軽々と超える時代……あり得ないくらいの速さで、まだまだ航空界は進歩を続けています。

 

 

さあ明日から、また5日間のフライトへ出発〜〜………

 

 

 

 

 

裕坊、50代の到達は、飛行機の中でした

皆さんこんにちは、リージョナルジェット機フロントオフィス担当、裕坊です。

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昨日はフライト2日目。金融の町、ノースカロライナ州のシャーロットを夕方に出発して、ニューヨークを経由し、デルタ航空の基幹空港の一つであるオハイオ州シンシナティまで行くはずが………

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最初のラガーディア空港行き、結局4時間遅れ…………

 

シンシナティへ行く便からも外されることになり…………

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結果的に昨日と同じく、シャーロットへと戻ってくることになりました………

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着いたの、結局夜中過ぎ………

 

ヒンヤリのお天気が続いていたミシガン州にすらいきなりやってきた夏日……アメリカ大陸は、気象学的にも積乱雲が発達しやすい環境にあるようで、気温が上がってちょっと大気が不安定になると、あっという間に積乱雲発達の土壌の出来上がり……

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これはニューヨークの木曜日のレーダー画像。

 

レーダー画面にはっきりと映るくらいに水分を含んだ雨雲が上がる季節になってくると、ただでさえ世界で指折り3本の中に入る忙しい空域を持つニューヨーク・メトロ地域。(はっきりとしたデータがないので、世界でどの空域が1番忙しいのかを検索することはできませんでしたが)狭い空域を積乱雲が覆い被さると、さらに使える空域が狭くなって、航空管制による離着陸数の調整が発生します。

 

これが原因で起こるのが、連邦航空局による、出発遅延………

 

皆さんがアメリカ国内でフライトでのお出かけの時、目的地に出発遅延があるかどうかを確かめるのにとても役立ちますので、是非ご参考までに。

「FAA Delays」とグーグルで検索すると、このウェブサイトが真っ先に立ち上がってきます。

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これがFAA、連邦航空局による遅延情報。上の画面は、実際の昨日木曜日の情報です。

 

ニューヨーク周辺の画面を拡大して、その様子を詳しく見てみると………
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裕坊の木曜日の目的地であるラガーディア空港を初め、ケネディ空港、ニューアーク空港と、ニューヨーク周辺の主要旅客空港がオレンジ色、ティーターボロウ空港が赤色になっているのが見えます。ここでのオレンジ色は出発遅延(大抵の場合、平均で1時間前後)、赤色になると大幅な出発遅延で、大抵の場合、離陸停止がかかっています。

 

そしてラガーディア空港のオレンジ色の点を押してみると………
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平均の遅延が、2時間24分となっておりました……………

 

次々と建物の改修、建て替え工事が進むアメリカの空港旅客ターミナル。
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上の写真は、ニューヨークのマンハッタンに1番距離が近いラガーディア空港で、こちらでも改修工事が急ピッチで進んで、一部では既に新しいターミナルの供用も始まっています。

 

それと同様、アメリカ国内では空域システムも次々に改訂が進み、今やほとんどGPSによるナビゲーションが標準になってきていて、

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国内の各空港からの出発経路、到着経路は、とても効率がいい、GPSをベースにした経路設定になっているところがほとんど。デトロイトクリーブランドインディアナポリスでも半年ほど前に、新到着経路の供用が始まって、遅延が大幅に改善されるようになりました。

 

GPSをベースにした経路設定ですと、どこにでも目標地点を設定して、そこに直線で行けるようになるのが強み。
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地上の信号を頼りにした航法だと、どうしてもジグザグを避けることができず、効率が下がってしまうのです。

 

出発経路、到着経路にGPSを応用したルートを描くと、航空管制の視点で見ても、空域が効率よく使えるようになるので、
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今までと同じ空域により多くの到着便、出発便を取り込むことが可能になるのです……

 

ところがニューヨークでは、空域の整理が遅々として進まず………各空港の到着経路は地上からの信号発信基地を基点にした経路が元になっているので、昨日木曜日のような悪天候が一度発生すると、数時間単位での遅延が発生…………

 

ニューヨークというと、3つの主要旅客用空港に加えて、ハドソン川を挟んでマンハッタンからのアクセスがとても便利な、チャーター機が中心に発着するティーターボロウ空港、と忙しい空港がひしめき合う、世界でも有数の超多忙空域。

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ですから、仮にGPSによる到着経路が施行になっても、ある程度の渋滞は免れないかも知れませんが……

 

何しろニューヨークというと、裕坊が真っ先に思い浮かべてしまうのが、コレ………

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ちなみに、ニューヨークの運転手さんたちは皆、とても「お急ぎの方」が多く、信号を見るのを忘れていても、信号が青になったことを後ろから「派手な音」で知らせてくれます。

 

地上と同じく、空もいつも大渋滞………

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これだけのおびただしい数の発着便を……

 

空港管制塔から、
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目視中心に、各航空機の離着陸や、地上での滑走路からの航空機の行き来を管理したり……
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ARTCC(Air Route Traffic Control Center)と呼ばれる巡航中の航空機を管理する部門で、
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こういった画面を見ながら、

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航空機同士の安全な間隔を保ったり、

 

こちらはTRACON(Terminal Radar Control)。
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使うのは、ARTCCとほぼ同じレーダー画面。空港を出発した航空機を巡航軌道へと誘導したり、空港周辺に入ってきた各航空機を、ほぼ等間隔で滑走路へと誘導したりします。

 

発着便数のことを考えると、とても彼ら管制官の方々には、頭が上がりません……

 

管制官たちも、少しでも早く各航空機が、少しでも早く、それでいて安全に目的地に到着できるように尽力してくれていますから、そこには文句を言うことはできません……


あとは、空域の改変が進んで、遅延が少しでも緩和されることを、祈るのみです……

 

 

昨日はラガーディア空港を風のように出発して、シャーロットまで戻ってきましたが……
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到着するのは、夜中12時過ぎ。思わぬ形で、シャーロットへと到着する便の操縦席の中で、人生の区切りの一つにもなる、50歳の誕生日を迎えておりました。

 

シャトル乗り場までも、足取りは重く…………
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夜遅くまで開いている、シャーロット空港の食材売り場も、昨日到着する頃には既に閉店………
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昨夜は遅くなっていたので、食べるのはガマン…………

 

今朝になって、人生50代に到達後の、初めてのお食事をいただいています。
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昨日になってまたも変更になった、裕坊のスケジュール。既に遅延が出ているニューヨークへ、夕方遅くの出発です。