Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、帰宅

米国リージョナル航空会社に勤める、裕坊といいます。こんにちは。

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今週は火曜日から4日間のフライトへと出かけておりました。

 

昨日はバーモント州での1日丸々滞在。前日の到着は深夜で、既に時計は12時を回っておりました……

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こちらの写真は、そのさらに前日、火曜日に撮影したものですが、一般の宿泊客の方がほとんど既に寝静まった後のチェックイン……深夜に黒山の人だかりがホテルのロビーでできる時は、大抵が航空会社のクルーであることがほとんど…………

 

昨日木曜日は、滞在先のバーリントンのダウンタウンから程近い、バーモント大学のキャンパスを散策……

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裕坊が大学を卒業したのって、もうかれこれ27年も前のことになってしまいますが、

 

久しぶりに、新鮮な空気を吸わせていただいた気分でした。

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そして自分へのご褒美………
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もうここのラーメン屋さんを訪れるの、3回目………

 

チャーチストリートという、バーリントンの目抜き通りにある“学”ラーメン。チャーチストリートのほぼ南端にあります。

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豚骨ラーメン、醤油ラーメン、味噌ラーメンと3種類全て試してみましたが、裕坊のダントツオススメは、醤油ラーメン。豚骨も麺をカタ麺でお願いできれば、美味しくいただけます。

 

そして30時間の長時間滞在の後、我々を待ち受けているのは、怒濤の早朝ショーアップ。
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小さな文字でちょっと見えにくいですが、担当したのはニューヨーク・ケネディ空港行き5時45分発。出発ゲートに着いたの、4時47分…………

 

かつて一世を風靡した、「志村けんのだいじょうぶだぁ」の夫婦コントで出てくる、いしのようこさんのお約束フレーズ「ご、ご、ごじ??」にも負けない時間でのショーアップ。それでもなぜか、いつもバーリントン空港は大混雑…………

 

外は当然のことながら、まだ真っ暗………
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ちなみに、バーリントン空港の管制塔は、24時間体制ではなく、夜は深夜12時になると閉鎖。早朝は5時30分に業務再開………お疲れ様でございます………

 

この時期は、雪が降っていない時でも霜が降りることが多く、今朝も飛行機にはビッシリと霜が張り付いておりました……
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主翼や尾翼に霜が残ったままだと、離陸に必要な揚力を得られませんので、除氷液(大抵は温められたグリコール液を使います)を使って、霜の振り落とし……
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粘性が強いので、機体の上からかけると、操縦席の窓はこの通り………
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何も見えん………………………

 

それでもこの時期の運航は、離陸前の除氷の時間を考慮しているので、余程激しい積雪でもない限り、除氷をしても遅延になることは稀で………
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到着先のケネディ空港には、定刻よりも10分ほど早い到着でした。

 

早起きのご褒美には、アメリカで大人気のチキンバーガー……
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カロリー、やや高め……………………

 

リージョナルジェット機運航につきものの、深夜早朝の運航。深夜早朝に活躍しているのは、実を言うと貨物専用航空会社も同じで……

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というより国内線に限っていうと、航空部門の運航の大半は深夜早朝…………

 

都市間移動を夜間に済ませておけば、早朝に各地の空港に荷物を届けて仕分けをし……

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荷物を昼間に、お届けすることができます。

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そのため、貨物の航空会社は、大抵ハブ空港を深夜に出発。フェデックスであればテネシー州メンフィスを深夜2時から3時にかけての出発……

 

これを英語で、"flying on a back side of clock"と呼びます。早い話、昼夜逆転での運航……

 

 

かつては我が社でも、貨物航空会社に近いパターンのフライトを担当していた時期がありました。

 

それが、大学のスポーツチームの移動などをお手伝いするチャーター便。チャーター便というと、このようなプライベートジェットを使って、

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大きなソファに座って、優雅に移動というイメージがありますが…………………
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同じチャーター便といえども、裕坊が担当していたのはリージョナルジェット機を使ってのチャーター便ですので…………
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外見の見た目自体は、ほとんど一緒なのですが(というよりも、実質2つ上の写真にあるボンバルディア製チャレンジャー600型機と胴体自体はほぼ同型機)…………………

 

中身は大違い………………

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狭い機内で、申し訳ございません………………………

 

実際に手助けをさせていただいていたのは、バスケットボールチームが中心……皆さん大きな体を屈めるように、無理やり座っていらっしゃいました……


ボンバルディア製のリージョナルジェット機ですと、搭乗口に階段がついているので、
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乗り降りの際に、大型機に使うようなタラップを使用する手間が省けるので、とても便利……………

 

昼間の移動ともなると、経費も嵩みますので、大学スポーツチームのように予算が限られた中での移動となると、移動が少なく宿泊費も節約できる深夜が、どうしても移動の中心時間帯になっていたようです…
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多かったのは、試合後遅くお迎えのパターンで、深夜1時にボルチモアを出発して、デトロイト・メトロポリタン空港のお隣にあるウィロー・ラン空港へのお届けだったり………シカゴから程近いインディアナ州のサウスベンドから、ルイジアナの田舎町まで、或いは試合後、その逆のルートをお届けしたこともありました。

 

大学の試合のスケジュール、大学の敷地に合わせるような形でのチャーター便の運航ですので、一般の旅客ターミナルではなく、普段定期航空会社の往来がない、チャーター機専用の駐機場に飛行機を止めて、バスケットボール選手をお迎え、お見送りしたことも……
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大型バスに乗って行く選手たちをお見送りし、空になった機体を、明け方になって我が航空会社の整備庫がある空港まで運んで、整備庫にて任務終了なんてこともありました……

 

リージョナルジェット機運航に携わる者ならではの、深夜早朝運航の思い出の一つです。

 

 

来週もまた、その深夜早朝の運航、やります…………