Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、もう2日

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

今日は夜8時過ぎのフライトを担当。我が家を出発するのは夕方の6時過ぎ。それまでは家でのんびり。愛妻ちゃんと息子くんが毎日家を出るのは8時前。それをお見送りしてコタツでぬくぬく………………とはすぐにはいかず、まずはコタツ作りから。どうやら昨夜コタツ布団を洗濯していたようで………………

実はこのコタツ、既に日本へと帰国してしまった駐在の方からいただいたものなのですが、コタツ用のコードをどこかへ紛失していたとかで、しばらくはコタツとしては使えず、チャブ台がわりに使っておりました。それがある日、ふとアマゾンのアプリを開けて何の気なしにコタツを検索していると、コタツのコードが載っています。「ウチのコタツのコード、ひょっとして買えるんちゃう?」

どうせ10ドルほどだしと、ダメ元で注文してみると、これがまた奇遇なことにピッタリ。キッチン横のスペース、我が家は絨毯なので、この上にもう一枚カーペットを敷いてコタツ布団をかけると、立派な寝床になってしまいます。今では我が家の秋以降の必需品となってしまいました。ただコタツテーブルの上に「生活必需品」があまりにもたくさん並び過ぎているので、残念ながら写真でお見せすることはできません。肖像権を持つ愛妻さまより撮影許可が下りることは、恐らく未来永劫ないものと思われます………………………………

今日は実をいうと、本来なら3日間のお休みの初日。担当機長が決まっていないフライトの中から休日を利用して飛べそうなのを拾い上げて、休日返上でのお仕事です。以前より条件がよくなったとはいえ、そこはザ・リージョナル。デルタ航空ユナイテッド航空といった大手に比べるとお給料はどうしても見劣りします。1時間当たりのお給料もメジャーの半分以下。

ただでさえ、フライト訓練は全て自費。飛行教官、リージョナルの副操縦士をしている間も貯金すらおぼつきませんでしたから、蓄えなどないも同然。日本でいう年金に相当するホームページには、裕坊が受け取れる年金額の概算なども出てきます。それを開けてみると、赤く立派に目立つ字で、「裕坊、あんま年金はアテにせんときや」………………年金積立のホームページにも似たような言葉が……「裕坊、80になっても仕事がんばろか、体だけはこわさんときや」………………………

そんなわけで、まとまった休日が入っているときはこんなウェブサイトを開けます。

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休日と比較して、飛べそうなフライトを選びます。例えば上から2番目の、15日から始まるC9A16という2日間のフライトが担当できそうだったとして、これをピックアップしたとすると、

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合計で8時間26分に相当するお給料が保障給に加算して支給されます。

実はこれ、実際にさっき開けたばかりのかなり最新の情報。ニューヨークを出発するフライトの空きがこれだけ並んでいます。リージョナル航空会社の場合、総じてフライトクルーが不足する傾向があるので、会社もいろいろと知恵を使って餌を蒔きます。休日返上でお仕事頑張ると、お給料は通常の1.5倍。さっきの8時間26分のフライトを頑張ると、加算されるお給料はなんと12時間39分。普通だと3日分のお給料が2日で入ります。年末年始、クリスマス前後になるとクルー不足も顕著になります。会社もそんなときは駆け引き。「2倍のお給料でどう?」

いよいよ直前までパイロットを配置できないときは、本社の乗務員配置課が直接電話をかけてきて交渉をしてくることもあります。ほとんどのクルーは、乗務員配置課からの電話に対してベートーベンの運命などを着メロにして分かるようにしていて、スマホの赤いボタンを押してすぐに拒否。

裕坊は休みをまとまって取れているときは、無謀にもときどきその電話を取ります。頭にすぐ浮かぶのは代休交渉。休日返上の代わりに、裕坊が落としたくてしょうがない早朝ショーアップの日をしめたとばかり代休にして、落としてしまいます。ここ最近はエンデバー航空のフライトが急激に増え、特に機長が不足気味。今日もクルーと乗務員配置課の駆け引きは続きます。

今日はヒューストン行きを一本担当し、そこで宿泊滞在。また重いカバン引きずって行ってきます。

 

裕坊