Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊日記(1月27日)

米国航空会社に勤務する副操縦士、裕坊といいます。

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今週のミシガン州は、久しぶりの降雪。水曜日は警報が発令されて、息子くんが通う高校も急遽休校になりました。

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ちなみに休校が発表になったのは、登校直前の当日朝、6時30分……

 

 

愛妻ちゃんが大憤慨したのは、言うまでもありません……

 

 

目測でしかないですが、積雪はおよそ15センチほど…
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前日までに勤務が終わっていたので、のんびりと降る雪を眺めていたのですが…

 

気温が氷点辺りをウロウロだったとあって、雪はたっぷりと水分を含み…
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植木の枝がかなり垂れ下がって、玄関前を塞いでしまうことに…

 

夕方になって、除雪を始めました…
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電気式の雪かき機。音が静かなので、近所への音を気にしなくていいのは助かるのですが、
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吸い上げの力にはガソリン式には到底叶わないので、湿った雪だと効率はどうしても悪くなります…

 

やっとのことでガレージ前の除雪が終わった時には、すっかりと外は暗くなっておりました。
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ちなみにこの時も、気温はゼロのまま…

 

 

この冬で1番激しい降雪があったのは、昨年のクリスマスの時でした。当日の出勤で大風邪を引いてしまい、40度の熱まで出していた裕坊…

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バッファロー地区では1晩で2メートルの積雪を記録し、

 

夜遅くに到着していた各航空会社の乗務員たちは、空港の閉鎖によってホテルに1週間も足止め…
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我が社の乗務員もレストランがないホテルでの滞在で、夕食のために吹雪の中を外出……命懸けだったらしいです…

 

 

しかしレストランも、よく営業してくれとったもんやわ…

 

 

影響を1番大きく受けていたのは、紛れもなくサウスウェスト航空。

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他の航空会社と比較しても突出していた欠航便の数は、10日間で合計16,700便にも上りました。
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足止めを受けた人で、各空港のターミナル内はごった返し、
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荷主を失った荷物が、床じゅうに溢れ返って…
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連邦航空局による調査が、サウスウェスト航空へと入る事態にまでなりました。

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かく言う連邦航空局も、安全情報の発信障害を起こし、各航空会社の欠航を招く事態を招きましたが…

 

米国国内線に限っては大手3社に匹敵する便数を運航し、コロナ禍前は大手3社を凌ぐほどの利益率を誇っていたサウスウェスト航空。

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真相の程は調査の結果が出るまで分かりませんが、大量欠航の原因は、乗務員のスケジュールを管理するコンピューターの機能障害が発端だったらしいです。

 

乗務員のスケジュールのみならず、各運航便に関する情報も蓄積され、各機体の整備状況なども収められ、それが密接にリンクし合っている各航空会社のコンピューター。
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冬の嵐の到来とともに欠航便が相次ぎ、許容量を大幅に上回ってシステムダウン。結果的に大量欠航を招いた可能性は十分にあります。
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ソフトウェアとともにハードウェアの許容量も大幅に刷新して、有事への対応も可能なシステムが要求される時期になったのは間違いないでしょう。

 

また今回の事態でも対処可能なソフトウェアの開発も急務だと、裕坊は個人的に感じています。
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以前勤務した地域航空会社は、スケジュール管理専門の会社と提携して、乗務員スケジュール変更の際の自動通知システムを開発。乗務員スケジュール管理担当者の負担を大幅に一部では軽減することに成功したものの…

 

スケジュールの変更の作業そのものは、情報技術が発達したこの時代にあっても、全て手動で行われています。
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3,000人の乗務員のスケジュールが変更が必要になった時には、3,000人分を全て手動で処理……

 

それを20人ほどの人手で処理するとなると、コンピューターの許容量以前に、担当者の許容量を超えてしまうことも必然…
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スケジュール調整に当たっては、航空法上の拘束時間の規定、飛行時間の制限なども考慮しなくてはいけないので、コンピューターによる自動処理には障壁が多いのも事実…

 

もうしばらく時間はかかるでしょうが、スケジュール変更の自動化、各乗務員への自動通知の仕組みが確立されれば、効率はうんと良くなるはず…
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ソフトウェア専門の会社と提携して、新しいソフトの開発も必然の時期、ともいえそうです。

 

自動化と聞くと、時々取り上げられるのが、航空機の操縦室の省力化。遂にはジェット旅客機のコックピットを1名体制にする、という計画が進んでいることも最近になって紹介されることになりました。

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ドイツや英国、ニュージーランドなど40カ国余りが「パイロット1人の実現」に向け、国際専門機関の国際民間航空機関(ICAO:International Civil Aviation Organization)に支援を要請したのだそうです。それによると、パイロット1人制の実現目標は、2027年。

 

 

で、裕坊の個人の見解は、というと……

 

 

2027年での実現が可能かどうかはさておき、パイロット1人体制の実現は、『十分可能』。

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それどころかむしろ『パイロットレスでの完全自動化』航空機の方が、将来は確実に安全になる、とまで断言しておきます。

 

 

 

ただこの項目は書き出すとかなり長くなるので、今後のブログで裕坊の考えを綴ってみたいと思います。

 

 

 

 

 

土曜日から、4日勤務へと出発です。