Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊日記(11月25日)

米国航空会社で、短距離路線を担当する、裕坊といいます。

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かつて勤めた地域航空会社から、今年6月に親会社に転籍。

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60名の新入生と共に座学の研修を始めたのですが、ソーシャルセキュリティー(日本でいうマイナンバーに近い存在)と呼ばれる9桁の番号のうち、同一クラスの中では下4桁の番号が大きい者から優先順位を得られる仕組みのデルタ航空

 

裕坊は00**という番号なので、60名の中でも““ほぼ“”最下位でした……それでももう1人、下がいたというのがちょっと凄い……

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自らの選択肢が全くない中で決まった担当機種が、ボーイング717型機。

 

副操縦士席から見た計器類。通常運航がこなせるまでにはなりました。路線はかつて担当していた都市ばかりで、そちらの戸惑いはないのですが…
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リージョナルジェット機と違い、パイロット同士がヘッドセットを通して会話できないのが、ちょっと裕坊的にはツラい…風切り音が最小限に抑えられ、静かな操縦室ではあるのですが…

 

背に腹は変えられず、ボウズの最新イヤホン型ヘッドセット(新品で1,100ドル也!)をオークションサイトにて850ドルで購入…

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耳栓部分の位置を細かく調整しながら、何とか乗り切っています…

 

B717での飛行時間もとうとう100時間に到達。

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紆余曲折の末、何とか半人前くらいにはなりました。

 

裕坊が以前乗り続けたリージョナルジェット機。乗務した時間、12,200時間……

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以前勤務した地域航空会社には、16年間在籍していました。

 

ちなみにこちらが、ボーイング717型機の後ろ姿で、

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こちらがリージョナルジェット機。胴体がやや太く、エンジンの排気口の形、客席窓の間隔が違うくらいで、後ろから眺めてみると本当に似た姿形をしています。
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エンジンの取り付け位置が似通っているので、飛行特性もよく似ています。お陰で操縦桿の感覚に戸惑うことはほとんどありませんでした。

 

ちなみにこちらはCRJシリーズの900型。

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こちらがリージョナルジェット機のデビュー作にもなる、CRJ−200型機。
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見た目にも、900型機と比較してかなり短いのが分かります。

 

ファーストクラスがないモノクラスの50席仕様。
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天井が狭くて、窮屈な感覚があるのは否めません…

 

そのCRJ−200型機、エンデバー航空からは2023年第二四半期に全機退役することが正式に決定しました。(もう一社のCRJ運航会社、スカイウエスト航空では、もうしばらく運用が続くそうです)
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元々プライベートジェット機に50席を無理やり詰め込んだような機体で、アンダーパワーはさすがに否めず、天井が狭い故に乗客の間でも不人気だった200型。

 

裕坊が入社した当時のピナクル航空は、ノースウエスト航空の提携先で、
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最盛期には140機を超える機体数を誇ったこともありました。

 

ノースウエスト航空の旧塗装に身を纏った機体…
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ただアメリカン航空では需要規模の小さい10都市に、この200型のCRJを再投入することを決定しています。50席仕様のリージョナルジェット機は乗務員確保の問題さえ解決できれば、航空会社にとっては使い勝手そのものは悪くはないはず…

 

既にCRJシリーズの製造は終了しており、老朽化が隠せない50席仕様は退役する運命にはありますが、しばらくリージョナルジェット機の活躍は続きます。
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製造が終了に近づいていることで最近取り上げられたのが、4発エンジンを搭載した大型機、ボーイング747
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『空の女王』とまで呼ばれ、その優雅な姿は日本でも当たり前のように見ることができていました。

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かつては米国内でも、ノースウエスト航空などの国際線主力機材としても活躍。
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最盛期には、デトロイト空港から日本向けに4便が就航していた時期すらあったくらい…

 

デルタ航空との合併後にはその機体には新塗装が施され、2017年までその勇姿を見せていました。
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現在747型機を旅客機として運用する航空会社は米国内にはなく、

 

活躍の場は貨物へと移っています。
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こちらはミシガン州に本社があるカリッタ航空。

 

2022年度に入っての受領は僅かで、そのうちの一社は航空貨物積載量、世界2位を誇るUPS航空でした。

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UPS航空のB747最終受領があったのは、今年4月。


1969年に初号機が納入されて以来、製造された「空の女王」の総数は、未納入の1機を含めて1,571機に上ります。

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このジャンボジェット機の最終納入先となるのは、ニューヨーク州のマンハッタンからやや北にあるパーチャスに本社があるアトラス航空。ちなみにパーチャス市にはマスターカード社、ペプシ社など世界に名だたる会社も名を連ねます。

 

そして先日11月23日(水)には、最後から2機目となるB747の受領も行われました。下は納入された実機の写真。納入先そのものはアトラス航空なのですが、

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キューネ・アンド・ナーゲル社(本社:スイス)運航用として製造されています。

 

納入を控えるボーイング747は、残すところ僅か1機。
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こちらもキューネ・アンド・ナーゲル社用として、アトラス航空が受領予定。

 

最終製造機の受領予定は今年末。53年に渡って空を彩り続けた「空の女王」も、製造の最終章を迎えることになりました。

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ただ容積が大きいジャンボジェット機による貨物運搬の需要は高く、貨物機での勇姿はまだしばらく見ることができそうです。

 

先日はメンフィス滞在中に、

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大好きなスパイス付き豚リブ肉を頬張っている時に、
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ニュースを配信するサイトの号外版が着信…

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開けてみると……

 

日本代表、ドイツを撃破のニュースが載っておりました。
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森保監督の後半の攻撃的布陣投入による鮮やかな逆転劇。

 

お見事でした。
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アメリカでも様々なニュースに取り上げられております。

 

 

 

 

年末の怒涛のスケジュールを前に、しばらく1週間ほどお休みをいただきます。