Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊日記(12月5日)

アメリカの地域航空会社に勤める、裕坊といいます。

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師走になりました。

 

アメリカも街はすっかりとクリスマスモードになり、各空港のターミナルでもクリスマスツリーがあちこちで飾られています。

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ニューヨークのラガーディア空港での1枚。Dコンコース南側の入り口の大きなツリーに…

 

通路沿いのミニツリー。

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ちなみにラガーディア空港では、老朽化したターミナルビルの建て替え工事が、今もひっきりなしに進んでいます。

 

アメリカン航空ユナイテッド航空が運用するBターミナルの建て替え工事はほとんど終わっているのですが、デルタ航空側はこれからが佳境…

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こちらは先日カナダのトロントへと出発する時に使用した、D98ゲート。76名仕様の機体に、58名の皆さんが搭乗されてのフライトでした。

 

クリスマスムードが盛り上がるアメリカにあって、最近裕坊が気になるニュースといえば…

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大リーグのロックアウトの話題。写真左はロブ・マンフレッド、大リーグコミッショナーで、右が大リーグ選手会代表理事のトニー・クラーク氏。クラーク氏といえば1990年台後半のデトロイト・タイガースの中心選手の1人で、3年連続30本以上の本塁打をも記録した大打者。身長が2メートルとあって、かなりの迫力があります。

 

12月1日の労使協定の失効期限ギリギリまで交渉が続いたものの、両者の隔たりは大きく新協定合意には至らずじまい…契約未更改選手との交渉などを含む全ての動きが止まることになってしまいました。

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このまま新協定の締結ができないと、最悪の場合来シーズンの開幕が遅れてしまう可能性すらあります。来年3月1日までに締結がなされれば来シーズンの開幕には影響はないそうですし、時間はまだありますが……

 

かつて1994年には選手会によるストライキが起こり、ストは7か月にも及んで900試合以上が中止になったこともありました。その年はワールドシリーズまでが中止になる、記憶に刻まれる1年…

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ただ当時は選手にとって今ほど移籍の自由がなく、契約もほとんど球団の言いなりだった時代…そういった背景があるので、当時のストライキ選手会側の言い分も十分に理解できました。それでも7ヶ月に渡ったストの影響でファンの数を相当減らす結果にはなりましたが…

 

様々な労使協定の改訂と共に各選手の交渉力は上がり、メジャーを代表する選手にもなれば年数千万ドルといった契約も可能になりました。

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写真のマックス・シャーザー投手の場合、最近になってメッツと年間4千万ドル(日本円で、およそ年間42億円)で3年契約。出来高も含めた合計の報酬金額、なんと148億円也!!

 

ただこんな契約を勝ち取ることができるのはほんの一握りで、写真のマシュー・ボイド選手(今季までデトロイト・タイガースに所属)を例に取ると、

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実質の戦力外通告となるノンテンダー選手となってしまいました。ノーヒットノーランまであと1人という快投を成し遂げたことまであった投手なのですが…

 

ボイド投手などは、現労使協定の恩恵を必ずしもは受けていない典型的な選手の1人。

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ここ最近は30歳に到達するまでにある程度の実績を残さないと、メジャーの契約が継続しては勝ち取れない情勢になっています。そんな時は引退するか、メジャーとは待遇が劇的に異なるマイナーの契約を受け入れるのか……勝負の世界のこととはいえ、あまりにも厳しすぎる…

 

側から見ていて、今の選手会の主張が必ずしも各選手の声を代表したものなのか、裕坊には分かりません…

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肖像権が全て選手会の手中にあり、ロックダウン下の中、各球団のホームページから選手の写真が全て消え去る異常事態にまでなっています。今回はさすがに選手会側が歩み寄る番だよな〜、というのが裕坊の本音。何とか26年前の二の舞だけは避けて欲しいです。

 

 

これなどは、まさに契約社会のアメリカを象徴する出来事…

 

 

アメリカにおける航空会社でも、労働契約の効力というのは決して無視できるものではなく、

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私たちの労働環境にも、少なからず影響を及ぼします。

 

労働契約では機体の種類や保有機体数までが明記されることも少なくなく、会社が財政破綻しようものなら契約内の保有機体数が書き換えられて、一部の機材を強制退役する羽目になり、

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裕坊自身もかつて長期駐機場へ2機の飛行機を運んだことがありました。

 

アリゾナ州の砂漠の飛行場まで飛び、当日はラスベガス滞在…
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本来なら楽しいはずのラスベガス滞在が、同乗した副操縦士ともども、どんよりした気持ちのままだった記憶は今でも忘れることができません…

 

地域航空会社ですと、大手航空会社の労働契約に影響を受けることもあります。
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スコープクローズ(Scope Clause)と呼ばれる大手航空会社の労働契約書の第一条には、下請け先の航空会社の運用機材の機体数、座席数、そして最大離陸重量などまで細かく記載されるのですが…

 

コロナ禍の影響が始まった昨年の3月、

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大手航空会社は、軒並み旅客便数を削減…

 

それによって、稼働できる機体の数が制限される事態に陥り、
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76名仕様の機体数が、上限を超えたことがありました。

 

こちらが76名仕様の後方写真…

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76名仕様で稼働を続けるのが契約違反になるのなら……

 

いっそのこと、座席の一部を取っ払ってしまえ………

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ということで、機体後部の右側6座席(3列分)を取り外し、

 

クルー専用のロッカーを一時的に取り付けて……
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契約条件を満たした時期がありました……(36機を一時的に改造して、ほぼ6ヶ月間稼働させておりました)
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これなどは、アメリカの航空業界ならではのエピソードです…

 

 

 

ちょっとお天気が良くなった間を縫って、落ち葉集めに勤しみ、

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合計で25袋にもなりました。
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頑張りました…

 

 

 

 

月曜日から、4日間勤務のフライトに出勤です。