アメリカ国内線を中心とする、小型旅客機に乗務する、裕坊といいます。
先日5日勤務のフライトを終えて、しばらくお休みをいただいています。
昨日4月28日(水)は、バイデン大統領が上下両院合同会議で施政演説。
正式な一般教書演説がなかなか行われることがなかった中での、就任後100日目を目前にしての施政演説でした。
1月の大統領就任式は、異例の無聴衆の中での開催……昨日の施政演説もかなり間引いた中での演説とあって、普通の年であれば大きな拍手が起こる演説中も昨日はシーン……バイデンさんの演説風景を象徴する場面にもなりました。
前大統領のトランプさんは、アメリカの産業の国内回帰を大きく掲げてアメリカ再生を謳っていましたが、バイデンさんは違う形でのアメリカ再生を掲げています。
バイデンさんが昨日の演説の中で一番伝えたかったことといえば『米国は、再び動き出した』というメッセージ。トランプさんと比べて派手さがなく、ツイッターなどで声高に自分の意見を叫んだりするなどの派手なパフォーマンスこそありませんが、実務では堅実に職務を遂行している印象を受けます。支持率が概ね半数超えで推移しているのも納得(最新のNBC調査で、55%)。この辺りは、政治家として経験には長けている、ベテランならではの手腕が発揮されているようにも映ります。
昨日の演説の中では、コロナ対策や中間層の底上げ、国家の分断からの再生なども謳っていましたが、より強調されていたように感じたのが、『対中国』。様々な面で、中国が米国に近づいているという危機感が表れている演説でもありました。
ただ最新の情報技術を例に取り上げるとすると、2015年に「ファーウェイ社が利用したアップルの特許」が98件だったのに対し、「アップル社が利用したファーウェイの特許」は、なんと769件……既に第5世代の情報技術における関連特許を見ると、中国勢が世界全体の36%を握っていて、米国勢の14%を大きく上回っているのが実態……今のアメリカは、保守とリベラルとでは両極端に思想が振れていますが、そろそろ両者が手を取り合って、国家の再生に本気で取り組む時期に来ていることだけは、間違いなさそうです。
そのアメリカにおける航空業界。昨年のこの時期には、全米での旅客機利用客が5桁台にまで落ちた日もありましたが(コロナ渦中の最少記録となったのは、4月13日(月)の8万7千人)、ここ最近はコロナ禍前と比較して、およそ5割から6割で推移するようになりました。国内線では最近はほぼ上限いっぱいのお客様を運ぶことも多くなり、一部の座席を空けての運航を続ける米系最後の航空会社のデルタ航空でも、5月1日から乗客数の上限の撤廃が決まりました。
国内線の個人旅行客数でいうと、ほぼコロナ禍前の水準に戻っているように感じます。写真は先週木曜日の午後の、デトロイト空港での一枚。航空会社もここ最近はかなりの強気モードで、裕坊が勤務する会社の親会社になるデルタ航空でも、パイロットの採用が再開することになったそうです。
ただ未だにデトロイト空港内を結ぶ電車は、運休中……
電気系統かどこかに、故障でも抱えているのかも知れません…
ちなみに先週からの5日勤務は、デトロイトからナイアガラの滝に近いニューヨーク州バッファロー行き往復便をまずは担当して、始まりました。
初日の最終目的地になったのは、アラバマ州のハンツビル。
宇宙科学の研究センターがある町で、空港ターミナル内にも、ロケットや宇宙科学に関する展示があったりします。
同じアラバマ州でも、州都になるモントゴメリーでの宿泊滞在なども入っておりました。
モントゴメリーといえば、公民権運動のきっかけにもなる「バス内における白人への座席譲渡を拒否」の一件が起こった町としても知られます。
座席譲渡を拒否したのは、こちら「ローザ・パークス」さん。元々は黒人専用の座席に座っていたのが、次々に乗客が乗ってきて混雑し始め、バスの運転手が座席を譲るように「命令」していたのだとか…
この座席譲渡拒否が起こったのは、1955年。その12年前の1943年にも、実は同じ運転手(ジェームス・ブレーク)が乗務していたバスで、いざこざがあったというパークスさん。
その乗車拒否の一件が起こったバスは、その後レストアされて、デトロイトの「ヘンリー・フォード博物館」に保存されています。
奴隷制を推進していた7州からなるアメリカ連合国の、立ち上げの際の首都でもあったモントゴメリー。規模こそ小さな町なのですが、見所はいっぱい……
ただ前日の急なスケジュール変更から、予期せずして訪れていたモントゴメリー。実際には出発直前になって、ホテルの周りで見える歴史建造物を何枚かだけ写真に収め、
そのあとは、ホテルからのタクシーに乗り込んでおりました…
実は前日は、その日の拠点空港になっていたアトランタ周辺で、雹が降るほどの大嵐…
こちらは、嵐の前…
そして嵐の真っ最中……
外が完全に見えなくなっておりました…こんな不安定のお天気の中でしたので、スケジュールは大幅に乱れて、行き先も変更…
それでも最終日には、元々入っていたスケジュールへと復帰しておりました。
ただし最終日となった月曜日は、朝3時起床……シカゴへと向かうアメリカン航空の乗務員たちとともに、空港までやってきて…
そんな時は、早朝の外部点検で、こんな景色を拝むこともできるのがご褒美。
お昼下がりには全てスケジュールもこなし終えて、
しばしのお休みをいただいています。