Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、研修へと出発

アメリカ国内、地方路線中心担当の小型旅客機操縦士、裕坊といいます。こんにちは。

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東日本大地震から10年が経ちました。多くの方が亡くなり、大規模の被害に遭い、未だに行方不明の方も多くいらっしゃるようで、行方が分からなくなっているご家族を探している方も、まだ大勢いらっしゃると聞いています。まだ本来の日常生活からは、程遠い生活を余儀なくされている所も多いと聞きます。

 

被災された皆様に、改めて心からお見舞いを申し上げるとともに、1日も早く本当の日常生活が取り戻せますように、心からお祈りしています。

 

 

裕坊は今月前半のフライトのスケジュールをこなし終え、明日日曜日からは研修へと出勤することになりました。

 

昨年の今頃のアメリカというと、日本からコロナウィルスの感染が遅れること数ヶ月で、ちょうど感染が急拡大していた頃でした。クルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号内でコロナウィルスが感染拡大し、船内で感染したアメリカ人患者を貨物機で帰国させたのが、去年初め。

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こちらのカリッタ航空(本社:ミシガン州イプシランティ)のボーイング747型機を使っての緊急輸送となっていました。

普段は貨物用のコンテナを固定するレールが並べられた貨物室に…
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旅客航空会社が使用するエコノミークラス用の座席を、即席で配置…
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客室乗務員代わりに任命された、米国保健福祉省の職員が同乗。職員たちはほぼ全員、完全防備のフル装備での搭乗となり、物々しい雰囲気の中での帰国だったようです。
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しかしこの緊急輸送が行われる頃には、コロナウィルスはアメリカでも爆発的な感染拡大が広がっていたようで、結果的に世界で最大の感染拡大国、死者数を記録する国となってしまいました…

 

 

3月14日(日)現在で、陽性と診断された方の数は3千万人に迫る勢いで、死者も53万名を超えています…

 

 

乗客は一時期、ターミナルから完全に姿を消してしまい、

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軒並み旅客便が欠航になりました。

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売店などもかなりの数が閉店…
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そんな中でも営業を頑ななまでに続けてくれていたのが、マクドナルド。

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コンコースの運用が続いている以上、どこでも営業を続けてくれていましたので、昨年の感染急拡大時には、本当に助かりました。

あれから1年……昨年の11月末の感謝祭辺りを皮切りに、国内線利用の航空旅客の戻りには、かなりの手応えを感じるようになっています。

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これは数日前のデトロイト空港…
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ちなみに今日3月14日(日)から、一部の州と地域を除くアメリカのほぼ全体で夏時間が採用され、時計を1時間前へと進める日だったとあって、午前7時半ごろの空港出勤だったにもかかわらず、外はやっと日が昇りかけている頃でした。
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日曜日の出勤は、インディアナポリス空港。
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スタバにも、そこそこの行列ができておりました。
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そしてやってきたミネアポリス
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早いところでは春休みが始まっているところもあるのでしょう。かなりの人で賑わっていました。

 

デトロイトまでは客席に搭乗しての移動…
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こちらもほぼ満席でした。
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ただし国際線は、到着地での隔離義務や出発前の検査が必要になるとあって、何らかの諸事情により移動が必要になる方を除くと、まだ利用は限られているそうです。

 

ちなみに全米の航空旅客需要は、春休みでお出かけする家族連れなどに助けられていることもあり、ここ3日間で連続100万人超え。3月12日(金)は135万7千人を記録して、今年の年末年始の最終日となった1月3日(日)の132万7千人を超え、コロナ禍以降での最高値を更新しました。これだけ移動する人が増えると、感染する人も多いのでは、と思われるかも知れませんが……

 

 

実際に多いです……それを如実に示すように、我が社内でも普通に『俺、感染したよ』という同僚が増えてきました。

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1,900名ほどいるパイロットの中で、3月14日(日)までに感染した人の数の合計、258名。割合でいうと、1割を超えてしまっています……ちなみに我が家のご近所の方にも、感染した方がおります……熱が40度近く出たそうです……10日ほど、入院されておりました……それでもちゃんと退院して、今は元気にされていらっしゃいますが……

 

 

保守系の方には、「コロナに罹ろうとも俺は動く、動くと決めたらとことん動く」という意思の強い方が多い気がします。これがアメリカの開拓の精神、ってやつなのか………

 


テキサス州ではまだ新規に陽性と診断される人の数が、1日平均でまだ6,000名近くにも上るのにもかかわらず、保守派共和党知事によって、商業施設の全面再開が許可され……

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マスクの着用義務も全面廃止…(写真は、テキサス州知事、グレッグ・アボット氏)

 

しかしテキサス州内でも、市によってはマスク着用義務廃止に反対する動きも出ていて、

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州都であるオースティン市は、そのうちの1つ。

 

リモート会見するオースティン市長、スティーブ・アドラー氏。
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あくまで独自路線を貫こうとしたリベラル派市長。マスクの着用義務継続を謳っていたのですが…

 

それに異を唱えたのが、テキサス州司法長ケン・パックストン氏。
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マスク着用義務の州全体のおける撤廃を徹底すべく、テキサス州司法裁判所に、オースティン市を訴えるという強硬手段を取ることになりました。

 

 

アメリカでやっと市民権を得たような気がしていたマスクでしたが、やっぱり保守系の方にとって抵抗感が強かった、ということなのかも知れません……今後のテキサス州のおけるコロナの状況の推移は、今後の『コロナの終息』を占う、いい鍵を握ることになりそうです。

 

 

今日はミネアポリスからデトロイト到着時の到着ゲートがA34。国際線到着と兼用のゲート。今日は国内線での到着でしたので、そのままゲートの外へと出られましたが…
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国際線で到着すると、矢印が右下を指して、入国管理局へと向かうように指示が出ます。

 

今週の任務が完了して、家路へ…
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明日からは、シミュレーターを使った飛行訓練が入るので、3泊4日でミネアポリスに宿泊です。
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出発前に、ちょっとお買い物…
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月曜日の夕方に出勤です。