Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊日記(3月25日)

米国地方路線を小型旅客機で飛んでいる、裕坊といいます。

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5日勤務のフライトをこなし終わって、帰宅しました。

 

こちらは裕坊が所属する、デトロイト・メトロポリタン空港。

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かつては、空港内にある会社事務所に立ち寄って専用コンピューターで空港出勤を報告していたのですが、

 

現在は会社から支給されているiPadで報告。空港内では、直接出発ゲートへとやってきてしまいます。

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ゲート係員にドアを開けてもらって、飛行機へ一番乗り。

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整備員さんが乗っていると、何事があったのかとドキドキ…

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この時は整備記録を確認していただけで、出発には支障ありませんでした…やれやれ…

 

通常の旅客機だと、コックピット内にパイロットが持ち込むスーツケースを置くだけのスペースが確保されているのですが、リージョナルジェット機にはそれだけの余裕がないので…

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まずは客席内の荷物棚にスーツケースを入れます。

 

短時間で折り返す時以外は、電源が入っていないことが多いコックピット。
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このままだと旅客機はウンともスンとも動かないので、

 

まずは頭上にあるパネルを使って……電源立ち上げ……

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一番左上にあるのが電気系統で、一番大きいスイッチを入れて地上からの外部電源や、第3エンジンなどを立ち上げると、機内の電源が入り、

 

計器パネルも浮かび上がってきます。

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CRJシリーズのリージョナルジェット機は、一部画面を除くと計器画面は、市販テレビではほとんど見かけなくなったブラウン管タイプ…

 

ちなみに外部電源の取り付け口は、機首の右側。
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ボーディングブリッジからケーブルが伸びている場合もありますし、

 

このような発電機を使って、電気を取り入れることも可能。
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出発前には飛行機の周りには、色んな出発準備が行われます。
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給油も必要…

 

大手航空会社になると、各基点空港では地下に収められたタンクから燃料を取り入れることが多く、
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そんな時は主翼横に設置されている燃料吸い上げ装置を使って、機体へと燃料を送り込みます。主に主翼に燃料は収められ、長距離飛行で余分な燃料が必要になるときは、機体中央下部にあるスペアタンクに収められる仕組み。

 

荷物の搭載も行われます。
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CRJシリーズのリージョナルジェット機は、機体が細くて通常の旅客機のように胴体下にはたくさん貨物を収められないので、

 

主エンジン下にあるドアから、後方貨物室にほとんどの貨物を積み込みます。
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その間、パイロット2人のうち1人が外へと出て、外部を目視による点検。

 

先日は、機首脚の油圧液チューブのカバーが剥がれかけていたのですが、
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チューブそのものにはダメージはなく、飛行に支障はなし。
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ただ整備員の確認を取った方がいいことには、間違いありません…

 

こちらが裕坊がいつも座っている、機長席。
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黒い枠の中に会社支給のiPadを据えて、必要な情報はそこから得るようになりました。会社マニュアルやら空港レイアウトの情報などが満載のiPadを使っています。

 

管制官や同乗のパイロットと飛行中会話をするのに使う、ヘッドホン。
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座席横にはジャックがあるので、それを2本差し込み、
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操縦桿据え付けのボタンを押すと、管制官と無線の交信ができる、という仕組み。
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飛行中では、同乗のパイロットとはヘッドホンを通して会話します。

 

出発前には、飛行計画路なども打ち込み。
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計器画面下に機内備え付けのコンピューターがあり、飛行経路の入力だけでなく、気象情報なども得られるスグレモノ…

 

打ち込み完了…
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準備が完了する頃には、

 

機首脚にプッシュバック用のタグが据え付けられているので、

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管制官(主要空港では、駐機場の往来を管理する専門の管理官との交信になります)に許可を取って、

 

プッシュバック…

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そして誘導路を通って、滑走路まで…
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目的地の空港で着陸した後は、現地空港の地上係員に迎えられて、
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ゲート入り。
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中心線を頼りに前進し、決められた線に機首脚が来たところで係員から❌の合図が出されるので、そこで停止…

 

主脚に車輪止めがかけられたところで、地上係員から安全確認の手信号が送られ、
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搭乗口が開けられると、

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ボーディングブリッジが据え付けられます。フライトはここで完了。

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お客様をお見送り。これを5日間で14回の繰り返しでした。

 

1日のフライトが終了すると、ホテルまで…
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空港によっては、ホテル送迎のシャトル乗り場まで長い距離を歩くことも…

 

安堵のひと時…
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そして翌日には、ホテルを出発して、
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空港へと舞い戻ると、

 

外部目視点検…

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4泊5日でしたので、これを4回繰り返し…

 

ちなみにこの5日勤務では、デトロイトを初日に出発した後は、ケネディ空港を何度も行ったり来たり…
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既に第4ターミナルに全便が集約されることが決まっているデルタ航空便。
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第4ターミナルのBコンコース最南端にあるゲート、B53、B55は既に閉鎖になっていて、改築の準備が始まっていました。
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5日で合計14便と、忙しかった5日間。
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いつもパック寿司やらポケ丼などでお世話になっているお店が、

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実はインディアナポリス空港、Aコンコース内にも新規開店。
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裕坊には、めっちゃ朗報…

 

この時は新メニューの、牛丼をいただきました。
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バチが当たったんやろか……
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実は直後のモントリオール行きでは、16年間の勤務で一番揺られたんじゃないか、と思うくらいの揺れ…

 

それでも5日間を無事終了…
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帰宅当日はあいにくの小雨。でも気分は晴れ。
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アウディくんのお出迎えを受けての帰宅になりました。

 

 

 

 

 

そのアウディくんに乗り込んで、息子くんが出演を予定している音楽コンサートへお出かけしてきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊日記(3月18日)

アメリカ国内短距離路線を中心に飛んでいる、裕坊といいます。

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4日間勤務に続いて3日間勤務のフライト、1日のお休みを挟んで終了。木曜日に帰宅しました。

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こちらは帰宅前、荷物を車に乗せ終わっての一枚…

 

実は愛妻ちゃんの車のエンジンがかからなくなって、1日のお休みの日には修理屋さんへとやってくるハプニング…

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それでもなんとか直ってよかった…

 

木曜日はニューヨーク州のクイーンズ地区を暑い雲が覆い、ラガーディア空港では視界が1/8マイル(平常時は10マイル)。自動着陸装置付きの機材ですら着陸できない状態(滑走路の全長が短いため、視程ゼロではラガーディア空港では着陸が許可されないのです)になり、

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ラガーディア行きの全便がお隣ケネディ空港へとやってくる羽目になって、

 

ケネディ空港のターミナルは大混雑…

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着陸後に到着ゲートが二転三転して、空港管制からは迷惑がられ…

 

乗り換えのデトロイト行きは時間ギリギリの中、お隣のターミナルからでバス移動でした。
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ちなみにこちらは、ケネディ空港ターミナルを上空から撮影した写真。

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現在、6つのターミナルビルが運用されています。
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デルタ航空が使っているのは、第2ターミナルと第4ターミナル。
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第2ターミナルは、ケネディ空港開港当時から運用されている歴史あるビルなのですが、

 

第4ターミナルまではバスでの移動が必要になるため、短時間での乗り換えはいつも時間的にキツくなるのが難点…

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その改善策として、来年からデルタ航空の旅客便は第4ターミナルへ全便集約されることが決まりました。
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ただ今のままだと、発着ゲート数は足りなくなるので……

 

2つあるコンコースのうち、Aコンコースを南側へと延長して、リージョナルジェット機による発着をそちらへと集約させる計画だそうです。
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エンデバー航空の空港内事務所は、Bコンコースの端。そちらもAコンコースの延伸工事が完了次第、移転するそうです。

 

ターミナル間移動用バスから見られる、駐機中の国際線用大型機材。
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こんな景色が車窓から見られるのも、あと9ヶ月ほど…

 

第2ターミナル。
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Cで始まる出発ゲートは、全て第2ターミナルにあります。

 

ゲートC60から出発のデトロイト行き。満席の客席に乗り込んでの帰宅でした…
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この1週間は、本当にバタバタ…

 

ただちょっとしたご褒美も……米海軍総司令部があるバージニア州ノーフォークダウンタウンでは、高級ホテルに宿泊。

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通りを挟んで歴史的建築物も垣間見ることができる、従来の地域航空会社ではまず有り得なかった宿泊先でした。

 

お向かいに見えたのは、石造りのオーウェン B ピケット・米国入国管理棟(Owen B. Pickett US Custom House)。

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レバノン出身のアンミ B ヤング(Ammi Burnham Young)という建築家によってデザインされ、1858年に完成。現在も入国管理局事務所と郵便局が入居しています。

 

そのお隣にあるのは、タウンバンク・ビル(Towne Bank Building)。1899年に完成した8階建ての煉瓦造り。
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タウンバンク銀行のノーフォーク本店に加え、地域を代表する弁護士の事務所も構えられています。

 

ただこの時のノーフォーク宿泊滞在時は12時間滞在と、観光に出歩く時間はなく、

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お昼過ぎには、空港へと出勤して、
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4便を担当。

 

先週はオンタリオ湖エリー湖に隣接するニューヨーク州バッファローで、降雪に出会うという運命的な巡り合わせ…
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短時間のうちに10センチが積もってしまうというハプニングでした。
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全米でも有数の豪雪地とあって、除雪隊の動きが素早いのはさすが…

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ただ遅延は避けられず、出発は30分遅れることになり、その翌日は4便を担当とスケジュールはギッシリ…

 

実は担当便を多く詰められているのは地域航空会社にとどまらず…

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大手航空会社の乗務員にも波及しているんだそうです。

 

2社のパイロット組合に至っては、会社相手に空港での抗議活動を行うほどの事態にまでなり、
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アラスカ航空は、乗務員配属先の各空港にて、

 

デルタ航空でもデトロイト空港、ロサンゼルス空港など、5空港での抗議集会を行うことになりました。
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確かにスケジュールはガチガチ、各パイロットとも疲労困憊に陥りやすくなっているのは事実…

 

ただウクライナなどで起こっていることを考えると、命を脅かされることなく生活ができることには、ただひたすら感謝です。

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ウクライナがロシア軍相手に大善戦と報道されてはいますが、紛争時の報道はバイアスがかかった内容になるのは、日本も第二次世界大戦を通じて経験したばかり…

 

実際の戦況がどうなっているのか、裕坊には想像すらつきません…

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ただ1つ確実に言えるのは、現代でも核保有国のような大国による武力行使は、起こり得るということ。私たちは実際にそれを目の当たりにすることになりました。

 

これを日本に当てはめるなら、今後日本は中国による脅威に対して、確実に準備が必要だということになります。

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間違いなく中国は、現在のウクライナ情勢の推移を注意深く見守っているでしょう。

 

既に軍艦隻数では、米海軍をも凌ぐとすら言われる中国人民解放軍の実力は、決して侮ることはできません。

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中国の大義名分に世界が納得するとなると、尖閣諸島を始め沖縄列島ですら中国人民解放軍の標的になります。
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戦争を避けるということと、国を守るというのは別問題。有事において米軍が力を貸してくれなかったとしたら、今の法律下での自衛隊だけで本当に日本を守り切れるのか、裕坊には不安しか残りません。

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国防ということを真剣に考える時期に、日本が差し掛かったということだと思います。

 

国を守るための選択肢としてどんな方法があるのか、その中で最善の方法とは何なのか、
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日本の将来を考える上で、政治家の方には国防について迅速に取り組んでいただきたいです。
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次回は日曜日から5日勤務です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊日記(3月7日)

米系地域航空会社に勤める、裕坊といいます。

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3月になりました。

 

日差しが目に見えて明るくなり、春一番が吹き荒れる季節。

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気温も急に氷点を超えるまでに上がり、何度もミシガン州を白く包んだ雪は姿を消し、

 

いよいよ野球が始まる季節にもなりました。
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ちなみに写真は、近所にある高校の野球場。息子くんの課外音楽活動の送り迎えに来たついでに1枚撮影してみました。

 

本来であれば、大リーグの春季トレーニングが始まる季節ですが…
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大リーグ機構と選手会間の労使契約は未だに締結されず、開幕から2カード(1週間分)の試合の中止が決定…
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コロナ禍に沈んだ2020年に続いて、開幕が延期されることになりました…
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一部の項目は契約が締結になったものの、肝心な部分での双方の隔たりは未だに大きく、その解決の糸口は全く見えていないそうな……

 

業を煮やした昨季のナ・リーグMVP、ブライス・ハーパー選手(フィラデルフィア・フィリーズ)に至っては、こんなインスタ画像を上げるほど…

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ハーパー選手が日本でプレーしたらどれくらいの成績を残せるのか、それはそれで一度見てみたい気もする…


金銭面での隔たりが大きく、お互い歩み寄れないということみたいですが…

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お金の問題は大きいです……

 

 

 

お金といえば……

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最近のアメリカの地域航空会社では人材不足が顕著で、何とか人員を確保しようとお金が飛び交いまくり……各社ともボーナスの大盤振る舞いで、札束が乱舞する状態が続いています。

 

 

振り返ってみると、裕坊が現在勤める地域航空会社へ入社したのは2006年。
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実質大手航空会社の下請け的存在になる地域航空会社。パイロットにとっては航空会社における足がかりになるのですが、当時は完全な買い手市場。入社する要件を満たしたとしても競争倍率はとても高く、仕事にありつくのですら容易ではない時代…

 

入社後は入社後で、旧航空法(新しい改訂航空法、第117条は2014年1月に導入になりました)の下、拘束時間は長く休息時間は短く…

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お給料も安く、生活保護ラインギリギリを稼ぐのがやっと……ちなみに入社1年目の裕坊の総収入は、年間換算で16,000ドル(およそ170万円)でした。

 

中には空いた時間を利用して、ハンバーガー屋さんでアルバイトをしていたパイロットまでいたほど…

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裕坊一家も例外ではなく、実家からの仕送りを時には必要とするほどの生活を送っておりました…

 

ちなみに入社後、当時住んでいたフロリダ州からミシガン州へと引っ越してきた際、荷物の到着が大幅に遅れて家具類が届かず、かと言って新しい家具を購入することもできず……

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しばらくはミカン箱を使って、食事を摂っていたほど…

 

 

時代は大きく変わり、ここ最近は各社とも運航網を急拡大していて、人材はどこも劇的に不足。地域航空会社といえども給料は大幅に上がり、

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我が社の1年目の副操縦士のお給料も、裕坊が機長昇格した当時(2012年)のお給料を上回るほどになりました。

 

独身の副操縦士の中には、こんな車を乗り回す者まで…

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それでも稼げるなら、もっと稼ぎたいというのが人情というもの。

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給与条件などで大幅に上回る格安航空会社などが、運航網の急拡大とともに採用数もそれに伴って急拡大中。

 

数年前までは必要とされていた機長経験や総飛行時間が必要項目から外されるなど、各社こぞって必要人員の確保に必死…
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経験を積んだ若手のパイロットたちが、大幅昇給を見込んで次々と移籍する状況になっています。

最近では、大手航空会社までもが入社条件の大幅緩和に踏み切っているため、
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地域航空会社からの副操縦士を中心とするパイロットの流出が止まらず、

 

各社とも経営側とパイロット組合による、流出防止策へ向けての協議を重ねる状態になっています。

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我が社の流出人員は、1月などは60名を超える結果に(ちなみに採用数は44名)。

 

その対策としてエンデバー航空では、親会社であるデルタ航空への自動転籍制度(英語でフロー(Flow))と呼ばれる特典が導入されることになりました。

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一定期間在籍し、機長であることが必要条件になります。

 

入社条件が高く設置され、面接に至るまでの競争率もこれまではとても高かった大手航空会社。ただし一度入社に漕ぎ着ければ、お給料だけでなく労働条件全般でも、地域航空会社とは比較にならないものを獲得できます。

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面接が免除され、在籍歴に応じて希望者が転籍できる自動転籍。

 

アメリカのパイロットの憧れとされるデルタ航空への自動転籍制度で、どこまで副操縦士を踏み留められるのか、
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それとも、やっぱりここに行き着くのかな〜……

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しばらく地域航空会社にとって、苦難の時代が続くのは間違いなさそうです。

 

 

 

 

お金の問題は、大きいです…………

 

 

 

 

先日は、裕坊が苦手とする早朝パターンの3日勤務のフライトだったのですが、

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毎日午前中には勤務が終わってしまっていたのが大のご褒美。

 

しかも宿泊していたのは、ボストンでした。
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副操縦士くんとともに、電車に乗ってダウンタウンへとちょっとお出掛け…

 

気温が3度とまだ寒く、風も強い日だったので、
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ボストンの観光の目玉であるファニュエルホールだったり、
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クインシーマーケットなどを途中、カメラに収めながらも…
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この時は、そのすぐ北にあるボストン・パブリックマーケットへと直行。
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中に入ってみると、各種のランチなどが買えるフードコートのような作りになっていて、
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お目当てだったのが、こちらシーフード店…

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本当はロブスターサンドイッチが買いたかったのですが、お値段31ドル……日本円にして、3,300円………

 

 

 

見送り…

 

 

 

その日の夕食は、鱈が1匹丸ごと入った鱈サンドイッチにクラムチャウダーでございました。
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ちなみにマフラーを持って行くのを忘れていたので、こんなものまで購入。
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15ドル也…

 

毎朝5時台の空港出勤だったものの、
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最終日となった金曜日も、午前中にはデトロイトに帰ってきていて、勤務終了。
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もうしばらくお休みをいただいて、再び怒涛のスケジュールが始まります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊日記(2月26日)

米系地域航空会社に勤める、裕坊といいます。

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ロシアとウクライナの紛争が始まってしまいました。

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紛争突入前には、ウクライナに駐留していた米軍が全撤退…
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ロシア軍による侵攻は、既定路線だったということでしょう…

 

政治的背景がどうであれ、一般の市民にしてみれば生活環境が破壊されるのは避けられません…
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そんな光景を写真で見るにつけ、家族持ちである裕坊が真っ先に思い浮かべたことといえば…
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いかにして家族の命を守るか…

 

仮に財産を放棄して安住の地を去ることになろうとも、決して代えは効かない家族…

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その家族を連れて安全な地へ……裕坊も間違いなく、同じことを選択したと思います。

 

お馴染み、プーチン大統領ソ連時代の諜報機関KGBの出身ということもあって、さすがに外交関係の腕には一日の長があります。
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紛争が始まった途端に、西側諸国を中心に各国からの経済制裁が発表されたものの、どんなに経済活動を制限されようとも、国民が食べていくには全く困らないだけの資源を抱えている超大国ロシア。

 

原油生産量ではアメリカとサウジアラビアの後塵を拝しているとはいえ、今でも世界第3位。

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天然ガスは、全世界の産出量のうちの2割をロシアが占めます。

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ドイツを始めとするEU圏内のヨーロッパ各国は、天然ガス消費量全体の4割をロシアからの輸入に頼っているのが現実。

 

2014年に起こったウクライナ危機(ロシアによるクリミア併合)の際、EU諸国は天然ガスの輸入元分散を真剣に検討したはずだったのですが、

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結局は絵に描いた餅でしかありませんでした。

 

この時点で既にプーチンさんの勝ち…経済制裁を各国とも発表しつつも、及び腰にならざるを得ないのも致し方ありません…

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ヨーロッパ各国にとっては、天然ガスを止められた場合の自国の経済への打撃の方が影響は大きい、と計算しているはず。

 

国土が大きくしかも天然資源に恵まれている、というのは本当に強いです。

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ただロシアは、かつてソ連時代にアフガニスタン侵攻が泥沼へと嵌まり込んで、自らの国力を大きく低下させた苦い経験がありますから、
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その歴史を知っているプーチン大統領が、この紛争を好き好んで長引かせるとは考えにくい……
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ただ地図の書き換えは、避けられないかも知れません…
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航空界でも、ウクライナ紛争による影響は既に出始めています。
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デルタ航空と提携関係にあったエアロフロート。

 

その提携は、紛争開始と共に解消されることになりました。
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現在デルタ航空によるロシア、ウクライナ両国への就航便はなし(モスクワ行きは、2017年9月を最後に就航を終了)。

 

エアロフロートとの提携解消で、この新旧建築が混在するロシア首都への移動手段が、しばらく途絶えることになりました。
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紛争が終わるのを、固唾を飲んで見守る以外にないです。

 

 

裕坊は、といいますと、

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実はここ1週間、フライトに全く出ておりません…

 

別に風邪を引いたわけでもなく、体調に関していうならヘトヘトになりながらも、あちこち忙しく動き回っています。
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最近車の運転を楽しんでいるという息子くんに付き合う形で、この土曜日などは、

 

近所にある劇場を訪れ、
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息子くんが参加しているジャズバンドのコンサートの見学に来ておりました。
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前回の勤務は、19日の土曜日が最後。
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この時は快晴の中を、ボストンから出発。

 

時期的には閑散とする2月ですが、週末になると避寒地へと赴く観光客で、アメリカの航空業界はコロナ禍前の賑わいを取り戻しつつあります。
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担当したのはオハイオ州シンシナティ行き。
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シーフードのお持ち帰りが気軽に買えるレストラン。
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いつもなら、ロブスターサラダなどを買っていくのですが、この時はあいにく冷蔵庫が故障中…
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結局シンシナティに到着後、チリドッグで有名なこちらのお店へ立ち寄って、
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スパゲティとチリドッグの組み合わせを買うことに…
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チリドッグ3つとドリンクの組み合わせも買えます。というより、絶対そちらの方がオススメ。なぜかこの時はパスタを体が無性に欲しておりました……カロリーの補給を、体が要求していたのでありました…

 

デトロイト到着で、6日連続勤務を終了。
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この数日前にはまたも降雪があり、

 

我がアウディくんのヘッドライトには、氷がビッシリと張りついておりました…
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元々は2日間の休日で…
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新しく発見したラーメン屋さんへ来てみたり…

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ちなみに、醤油ラーメンは当たりでした。
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日本風餅入りドーナツのお店が、新規開店したと耳にして、
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まだラーメンが残るお腹を抱えてやってきたり…

 

餅ドーナツとは小さな丸餅を揚げたドーナツで、トッピングには様々な種類があります。
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裕坊の個人のお気に入りは、ドーナツに粉砂糖をまぶしただけのファンネルケーキ。

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本当はこの後すぐ、次の出勤が控えていたのですが、

 

今年のミシガン州は、本当によく雪が降ります…
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その度に出動の、電動式雪かき機くん。
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ガソリン式ほどのパワーこそないものの、新雪であればこれで十分。
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ただガレージ前の雪かきを済ませて、いざ一般道へと出ると、

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あちこちに顔を出す、除雪の時にできてしまう穴ボコ…

 

大抵の穴は深くても20センチから30センチほどなのですが、深いものになると1メートル級になることもあり、
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稀にではありますが、こんなことも起こり得ます。ミシガン州の、冬の風物詩の1つ…

 

大抵は州や郡の職員がアスファルトをたっぷり積んだトラックでやってきて、
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穴を埋めてくれるのですが、運が悪いと…

 

こんなことが起こります…
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しかも我が家の場合、一台に止まらず…


3台あるうち、2台のタイヤがパンクしてしまい…
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救援隊のお世話になりました…
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この時はたまたま近くに救援隊がいて、30分で駆けつけてくれたものの…

 

アプリでは、3時間待ちは当たり前…

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他にも用事が重なって、先週は結局予定していた5日間のフライトを全休……

 

 

 

 

 

数日後には、『出稼ぎ』の予定です…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊日記(2月16日)

米国内の地方路線を担当する操縦士、裕坊といいます。

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2月前半のアメリカでの代表的スポーツといえば、スーパーボウル

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1シーズン当たりの試合数が16とメジャーリーグなどと比較すると極端に少なく、実は入手困難なNFLのチケット。スーパーボウルでは一般販売すら行われず、チケットは年間席を購入しているファンや企業向けのみ…

 

それでも一部のチケットは、チケット販売サイトなどを通して買おうと思えば買えなくはないです…で、試しにチラッと販売サイトを覗いてみると、1番安いのでも…

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チケット1枚当たり5,000ドル……

 

 

1枚で日本円で50万円……

スーパーボウルというのは経済効果が劇的に高いらしく、各都市が挙って招致をしようとするらしいのですが、よく分かるわ…

 

 

ちなみにスーパーボウルを開催するには、一定の条件を満たす必要があり、60,000人以上を収容できるスタジアムというのは絶対条件なのだそうです。

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今年開催になったのは、ロサンゼルス近郊にあるソフィー・スタジアム。

 

野球でいうワールドシリーズなどの場合は、出場チームの本拠地で原則開催されますが、スーパーボウルは出場チームとは関係なくオーナー会議によって事前に会場は決まっています。
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ですので今までですと、開催地と出場チームには地域的な関連性が全くなく、むしろ開催地を本拠地としているチームが出場できないというNFLならではのジンクスすらありました。

 

『開催地チームの呪い』とまで呼ばれたそのジンクスを打ち破ったのが、昨シーズンのタンパベイ・バッカニアーズ

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バッカニアーズは対戦相手となったカンザスシティ・チーフスに1つのタッチダウンも許さない31-9の圧勝で、昨年のスーパーボウルを制覇。

 

そして今年の出場チーム、ロサンゼルス・ラムズは、開催地を本拠地とするチームがスーパーボウルに出場する2年連続のチームになり、

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試合は二転三転の大接戦。

 

そして第4クォーター、しかも残り2分を切った中でラムズが決勝点となるタッチダウンパスを決め、
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その後は対戦相手だったシンシナティ・ベンガルズの得点を許すことなく、そのまま勝利。
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第56回スーパーボウル覇者となりました。

 

最近のスーパーボウルのもう一つの楽しみといえば、ハーフタイムショー。今年はエミネム、メアリー・Jブライジに、スヌープ・ドッグなどのスーパースターが共演。
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かつてはいつも視聴率が下がるお荷物的な時間帯だったそうです。その流れを変えたかったNFLは、出演を渋るマイケルジャクソン氏を粘りに粘って説得し、受諾が得たのが1992年。第32回スーパーボウルのハーフタイムショーにマイケルジャクソン氏が出演を果たして以降、ハーフタイムショーの存在感も際立つようになりました。今年は50センツなどのサプライズ出演などもあったのだとか…

 

そしてスーパーボウルが終わる頃になると、いよいよベースボールシーズン。
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本来であれば、春季トレーニングが始まっている頃なのですが……


今季に関していうなら、オーナー機構と選手会の包括的労使協定が未だに締結がなされないまま、既に2月中旬が過ぎ…
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まだ球場施設すら選手たちは使えない状態…


労働組合としては例外的に実質権力を持っているとされる、大リーグ選手組合の影響力がやはり強いらしいです。
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ただここ最近の放映権収入の伸びもあって、各チームの収益は実際には相当伸びていて、収益分配率がオーナー側に偏ってきているというのも事実なようで…

 

ここは落とし所を、お互いに早く探ってもらう以外にないです。
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でもどんなに選手会が発言力を持とうとも、各選手はしのぎを削って生き残っていかないといけないのも、これまた事実…

 

デトロイト・タイガースの中から例を挙げるとするならば…かつてはエース級の働きでチームを引っ張ってきたマシュー・ボイド投手。
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2017年シーズンのシカゴ・ホワイトソックス戦で、9回2アウトまでノーヒット・ノーランの快投を演じた程の左腕なのですが、昨シーズン後に球団から戦力外通告を受け、現在は自由契約選手となって、未だに次の契約先が見つからず…

 

 

勝負の世界は厳しいです…

 

 

裕坊は最近は家に帰ってくると、もっぱら息子くんの運転のお付き合い。

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先日は学校の課外活動でやっている音楽演奏にお出かけしておりました。

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州外での演奏を控えて、人前で演奏の練習を兼ねた演奏会。

 

終わる頃には、外は雪がチラついておりました。
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翌日には出勤。ここ最近は2日間の休日をいただいて、6日勤務というパターンを繰り返しています。
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従業員専用駐車場からは、専用のシャトルバスに乗って空港ターミナルまで。

 

1番下の階にある国際線到着階に着きます。

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ターミナルに入ると、各箇所に設置された出発便案内板で、出発ゲートの確認をして、

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出発ゲートまでやってきて、
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荷物を運ぶと、まずは外部点検。
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毎日数便を担当して、
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各目的地へと到着。

 

空港では各地方のシンボルがお出迎え。
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メイン州ポートランドでは、大きな鹿さんのお出迎えでした。

 

そしてホテルからの送迎シャトルに乗り込んで、1日が終了。
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航空会社の乗務員は、ずっとこれの繰り返し。

 

 

 

 

今日水曜日は3日目。お昼過ぎの空港出勤です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊日記(2月8日)

米系の地方路線航空便を担当している、裕坊といいます。

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今週のフライトは、先週と先々週に多く雪が降ったところをたくさん訪れています。

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それは裕坊が拠点とするデトロイトも例外ではなく、従業員駐車場にもたくさん雪が残っておりました。

 

最初に立ち寄ったのは、オハイオ州シンシナティ(空港そのものはオハイオ川の南側にあるので、所在地はケンタッキー州になります)。
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人気のチキンバーガー屋さんが、とうとう完全に閉店…
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最近レストランでは従業員確保が間に合わず、店舗を絞って営業しているところが増えているというニュースが入ってきたばかり。アマゾンを始めとするオンライン販売会社に勤務すると、お給料などの条件が既存のレストランなどと比べると遥かに良くなるらしく、人材がそちらに流れているらしいです…

 

ミネアポリス到着。1月2月は極寒の世界で、気温も氷点(摂氏0度)を上回ることは、ほとんどありません…

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この日の気温も、マイナス16度でした…

 

もしこんな気温の中でサッカーをやっていたとしたら…
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フィールド内を走っている選手はまだいいかも知れませんが…

 

ほとんどゴールポストから動かないキーパーは、寒さ対策をせんといかんのやろな…
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観客の皆さんも大変やろな…
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ところが、あろうことか…

 

それが現実に起きておりました……
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実はカタールサッカーワールドカップの、北中米カリブ海地域の地区予選……

 

2月2日(水)のアメリカ代表対ホンジュラスの一戦。開催地はミネアポリスのお隣、ミネソタ州の州都、セントポール。外気温、なんとマイナス18度………

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雪景色のミシガン州に住んでいても、コートを羽織っていても外に出たくない気温だというのに…

 

ましてや北アメリカ大陸南アメリカ大陸のほぼ中間に位置し、年間の平均気温が25度という熱帯地方に住むホンジュラスの選手にとっては、ツラいなんてもんやなかったやろな…
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どんなに気温が下がった時でも、気温が1桁台になることがないホンジュラス
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よほどの気候変動でもない限り、ホンジュラスという国では雪をお目にかかることは絶対にございません…

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試合当日は雪こそ降ってはいなかったものの…
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雪が街じゅう至る所に残る中での、試合開催だったそうです…

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国土が広いアメリカであれば、
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温暖なマイアミでも開催は可能でしたし(ちなみに、当日の気温26度)、

 

西海岸のサンディエゴ(当日の気温24度)という選択肢もあったはずなのですが、
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蓋を開けてみると、““なぜか”“開催地となったのは極寒のミネソタ州
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”“アメリカの勝利に対する執念””をしっかりと見せていただきました…(試合は3−0でアメリカの勝利)。アメリカもワールドカップに出たいんやなぁ〜……よかった…よかった…

 

ニュースを読んでいると、ホンジュラスのサッカー関係者の皆さま、相当お怒りだったようで……

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腑が煮えくり返る思いもしっかりと伝わってまいりました……

 

 

 

次回は開催地もしっかりと交渉しておいた方がいいのは間違いないでしょう……

 

 

 

裕坊はその日は、アイオワ州のデモインにて宿泊。
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ダウンタウンのホテルに宿泊して、翌日はフライトがない1日でした。
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そしてその日は、アメリカの航空業界に新たな動きが始まった1日でもありました。

 

格安航空会社同士の合併の発表…

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対象となったのは、スピリット航空(本社、フロリダ州)と、

 

コロラド州デンバーに本社を置く、フロンティア航空。
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直近の旅客輸送実績などを見ていると、

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スピリット航空がフロンティア航空のそれを大きく上回っていて、

 

例えば旅客輸送人員実績では、2019年度のスピリット航空がおよそ3,400万人だったのに対して、フロンティア航空が2,100万人。
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運航規模でも、稼働機数がスピリット航空の157機に対して、フロンティア航空が112機(2021年12月末現在)。

 

ただフロンティア航空の親会社は、計4社の格安航空会社などを傘下に収めるインディゴー・パートナーズ。その影響力が大きく、合併後の新会社はフロンティア航空が主導権を握ることになるんだそうです。
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12名の新しい重役クラスのうち、7名がフロンティア航空からの選出。

 

そしてその実質的な権限を握ることになりそうなのがこの方。インディゴー・パートナーズの創設者であり代表者でもある、ビル・フランク氏。

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昨年11月、傘下に収める航空会社向けのエアバス機の大量発注で航空業界における注目を一身に浴びた方なのですが、ここでも大きなサプライズを成し遂げました。

 

フロンティア航空の現在の稼働機数は112機なのですが、発注機数がなんと242。
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全機の納入が終わる2029年末には、現在の3倍にも及ぶ稼働機材になることからも、格安航空会社ビジネスへの思い入れが伝わってきます。

 

フランク氏の思惑通りにビジネスが拡大すれば、アメリカの航空業界の勢力図が大きく変わることだけは間違いありません。
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どこまで路線網を広げるのか、大西洋路線、太平洋路線を含む国際線へも大きく進出していくのか、既存の大手航空会社への影響は、同業他社との新たな合併などまで模索するのか、などなど、裕坊も固唾を飲んで見守っています。

 

 

フライトが入らない宿泊滞在の日は、ダウンタウンをちょっと歩いて、
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近くのスーパーまで…
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こちらはお惣菜類がとても充実していることで、お昼などは近くのビジネスマンたちがしばしの休憩を取っているのをよく見かけます。
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裕坊はここでパック詰めのお寿司を買って、
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再びダウンタウンをホテルへと戻り、
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翌日の早朝出勤に備えるだけの、しばしの充電時間となりました。
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土曜日まで、残り3日勤務です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊日記(2月3日)

アメリカの地域航空会社の操縦担当、裕坊といいます。

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合計6日勤務(そのうち初日は自宅待機)のフライトをこなし終えて、4日間のお休みをいただいています。

 

中国の旧正月(今年は2月1日だそうです)の休暇期間に重なるように、北京冬季オリンピックが始まります。

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アメリカを始めとする西側各諸国が政府首脳の北京訪問を中止するなど、競技以外にも色々な波紋を残すオリンピックになりました。

 

実は競技にも影響があるようで…

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オリンピック史上、初めて100%人工雪に頼るオリンピックになりそうなのだとか…
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北京の中心部の緯度は、北緯40度線よりやや南。

 

アメリカの都市に当てはめると、中西部の代表的都市になるオハイオ州シンシナティであったり、

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インディアナ州の州都、インディアナポリスとほぼ同じ緯度になります。

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アメリカの中西部は、メキシコ湾などからの湿った空気が入りますし、五大湖に比較的近い地理的条件もあって冬は雪が降りやすく、

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ちなみにこちらは、今週水曜日から木曜日にかけての降雪に関する天気予報の番組。

 

デトロイトを含めた中西部では、ここ2日間で平均20から40センチほどの積雪になって、
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各都市で除雪に追われることになりました。

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こちらは我が家の窓から見える風景…

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各学校は3日間に渡って休校になっています。

 

昨日水曜日は家族全員予定が入ることなく、行事類も全て中止…
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木曜日の朝になっての雪かきを頑張りました…息子くんが雪かき機を押すのを頑張ってくれたので、

 

裕坊は、外に止めたままになっている車の雪下ろし…
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それでも午後になってまた降り続いた雪が、また10センチほど…
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2日間でおよそ30センチほどの積雪にはなったものの、降雪量そのものは例年と比較してもさほど多くはありません。

 

アメリカ中西部と同等の積雪があれば、冬季オリンピックの開催は不可能ではないでしょうが……

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北京は地理的条件からいって、非常に降雪が少ない都市…

 

温暖化云々以前に、恐らくスキー競技開催そのものが本来かなり困難だったはず…
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スキー競技は人工降雪機に頼る以外には、方法がなさそうです…

 

ただプロのスキーヤーの方に言わせると、人工雪だとどうしてもアイスバーンができて転倒に繋がりやすいのだとか…

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政治的な問題もさることながら、参加選手の方にはぜひ怪我なく競技を終えていただきたいです。

 

 

先週の日曜日から勤務が入る予定だった裕坊。東海岸地域のニューヨーク、ボストン付近などでは週末からブリザード級の暴風雪が吹き荒れ、

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東海岸地域を行き交う航空便は、正味2日間に渡って全便が欠航…
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ニューヨークを基点とする担当便が多く入っていた裕坊のスケジュールは、全面変更になり、
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初日は結局自宅待機…

 

シカゴ経由でミネアポリスへと向かうことになって、出勤することになりました。

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雪が多いこの時期の風物詩といえば、地表面の除雪作業に、機体の除氷作業。

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滑走路に積もった雪は着陸時の飛行機の減速の妨げになるので、除雪隊が一気に除雪していきます。主要空港ともなると、10台連なっての除雪という圧巻の大部隊…

 

そして飛行機の除氷部隊がこちら…
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主要空港では専門の除氷作業隊が待機しているのですが、地方空港だと荷物の積み下ろしなどを担当する地上係員が、兼用で作業をすることがほとんど。

 

主翼などに氷が張り付いたままだと、設計上の揚力が生まれず、機体を空中へと送り出すことができないので、氷の除去作業は済ませておかないといけません。

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除氷に使われる液体は用途に応じて色分けされていて、氷を除去するのは大抵オレンジ色で、主成分はグリコール。
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降雪が続いている時などは、離陸滑走の際に主翼に積もった雪を払い落とすための、『防氷』の液体もかけておきます。
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第4種と呼ばれる液体が使われることが多く、緑色になっていて見分けがつきます。

 

飛行機を除氷作業専用車が取り囲んで、液体を次々にかけていく風景を見るのは、冬ならではの風物詩。

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ちなみに以前の除氷用トラックといえば、トラック運転と除氷作業が全く別個になっていたのですが、

 

最近では、ゴンドラからトラックの運転と除氷作業を同時に行えるタイプもお目見えするようになりました。
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人手が不足がちな地方空港における主役になりつつあります。

 

そしてこちらが、先日のシカゴ・ミッドウェイ空港における作業中の一コマ……
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除氷用の液体が噴霧されている写真を撮った直後に…

 

69名仕様の飛行機に、満席のお客さまをお迎えしていて…
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機内が全消灯……
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こんなお客さまも、いらっしゃったかも知れません……
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飛行機には地上にいる際、電源を取ったりエアコンを効かせたりする第3エンジンがあるのですが、その吸気口に除氷液が入って第3エンジンが自動切断してしまっていたのでした…

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旅客機では、第3エンジンは機体最後方に据え付けられています。

 

蓋を下から開けてみると、こんな感じ。

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基本的にはジェットエンジンと同じ仕組みです。ただサイズが小さいので、飛行機を動かす動力となる推力までは生み出すことはできません…

 

第3エンジンが使えないとなると、ジェットエンジン立ち上げに必要となる圧縮空気が送れなくなるので、

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仕方なく地上設備を使ってのエンジン発動となりました…

 

目まぐるしくスケジュールが変更になり、実は最後までバタバタだった6日間…
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自分へのご褒美…
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和牛バーガー…

 

この勤務の最後の担当便の出発前の風景…
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アラスカ航空の特別塗装版…鮭のようにも見えるのですが、何のお魚なのか、よう分からん…

 

降雪の警報が発令になる前に帰宅して、今もシンシンと雪が降るのを眺めながら、しばらくゆっくりしています。
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次回は日曜日出勤。またも6日連勤です。