Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、日帰りのフライトから帰宅

アメリカの地域航空会社で、小型旅客機に乗っている、裕坊といいます。こんにちは。

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先日木曜日に5日間のフライトを終えて、4連休が入っていたのですが、今日自ら休日を返上して日帰りのフライトを入れました。

 

気温が下がり、ここ最近になって急激に再拡大しつつあるコロナウィルス。ミシガン州でも一時は3桁台で推移していた陽性診断報告数が、ここ最近ではまた4桁台に推移。11月10日(火)などは、9,011の陽性診断報告。さすがに州知事も手を打たざるを得なくなったようで、

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11月18日(水)から一部で、3週間をメドに制限が再開。5月には州都ランシングで州議会議事堂の占拠事件が起きたりして不名誉を晒してしまったミシガン州ですので、州知事も知恵を絞った上で、「3週間の休止(3 week pause)」という柔らかい表現を使っての制限を発令しています。

 

レストラン内での飲食は再び制限されるようになり、デトロイト空港内のレストランでも持ち帰りのみになりました。

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こちらはAコンコース内のほぼ中央にある日本食レストラン「空」。

 

Bコンコースの中央にある「チリーズ」でも、店内飲食はできなくなっています。
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裕坊が勤める地域航空会社でも、コロナウィルスの診断が陽性になる社員が急激に増えてきています。現在ここまで陽性と診断された社員は、全社員のうちの4.5%(5,000名強の全社員のうち、226名が陽性)。そのうちの26%(59名)は、11月に陽性と診断されています。

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我が社では仮にコロナには陰性だったとしても、それに相応する症状があった場合は出勤はしないようにとの通達が全社に出されています。平常時などは、本社ではちょっとした風邪くらいなら出勤していた社員も多かったようですが、現在では「足止め」……

 

フライトのスケジュールが入っていながら、病欠を申し出る乗務員も増えているのでしょう。最近では担当乗務員が空欄になるフライトが、次々に上がるようになってきました。

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昨日などは1日だけで、4日間パターンのフライトに3つも病欠が出たせいもあり、本社の乗務員管理課もさすがに慌てていたようでした。

 

通常は「リザーブ」と呼ばれるスタンバイ要員を当てがって、乗務員がいなくなった便の穴埋めをします。担当する乗務員が決まると、本社から電話にて通達。

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1日あたりのフライトを考慮した上で、スタンバイ要員の数も変わります。ただ病欠が増えすぎてスタンバイ要員が底をついてしまったり、感謝祭やクリスマスなどの大型の祝日が入るときは、スタンバイ要員を確保できない時もあり、そんな時に乗務員管理課が使う手段はというと……

 

ちなみにこちらが、ミネアポリス空港の敷地内にある、エンデバー航空本社。
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かつてここには、ノースウエスト航空の整備課本部などもありました。

 

この建物の4階に、乗務員管理課、運航管理課、整備課本部などが全て集められています。

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この事務所の中の一角を占めるのが、乗務員管理部。各担当便の乗務員の割り振りを追跡し、乗務員が確定していない便があったりする場合は穴埋めをし、欠航便などが発生すると、担当の乗務員のスケジュールの調整などをするのですが、

 

病欠が多く出てスタンバイ要員が不足してくると、

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こんなソフトウェアを使って、

 

4日間のパターンのフライトなどを細切れなどにして、乗務員が休日を返上してフライトへと出勤しやすいパターンへと変えてきます。
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地域航空会社の場合、4日間から5日間まとめて出勤して、間に3日間から5日間のお休みをもらうことが多いので、4日間まとめてはなかなか出勤できないという事情があるのですが、細切れにすると休日を返上してのフライトも、当然入れやすくなります。

 

 

おこづかい程度にしかなりませんが、お給料の加算も少しつくので、今日土曜日は往復便を担当。お昼過ぎに出勤しました。

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感謝祭が近づいていることもあり、アメリカはいよいよホリデーシーズン突入。
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空港内にも、クリスマスの装飾がたくさん見られるようになりました。

 

こちらは搭乗手続きカウンター。
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保安検査場を通過したところ。大きなリース…
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Aコンコースの中央にも、大きなクリスマスツリーが飾られています。

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こちらは空港内を走る電車乗り場の前にある、ミニツリー。
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ちなみに、電車は5月に運休になって以来、もう半年間動いておりません……

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ただ時々試運転のようなことはやっているのでしょう。
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中央コンコース付近にある乗り場では、2面あるホームのうち、保安検査場側に電車が止まっています。

 

まずまずのお天気になって、日の光がよく差し込んでいるデトロイト空港のマクナマラターミナル。
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土曜日とあって、ターミナル内は閑散としておりました。
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A57から2時過ぎに出発。
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向かったのは東海岸沿いにある、アメリカ海軍総司令基地もあるバージニア州ノーフォーク
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北東方向の滑走路を目指すときは、軍港を見下ろすような形で空港へと入っていくので、左側に座っていると米海軍所属の航空母艦なども見えます。
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ノーフォーク行きを担当すると、実際に乗ってこられる方の半数以上は、海軍関係者の方達。

 

ターミナルへと着いて、売店を覗いてみると、
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壁には戦艦を象ったような絵も描かれていたりします。
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デトロイトへと戻ってきたのは、6時過ぎ。
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エンデバー航空が保有する機材は全部で177機。一時は100機以上を保存状態に置いていましたが、

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現在では全機とも、運用体制に復帰しています。

 

ただ旅客便数は、昨年度の平均に比べると今でもおよそ2割減(昨年度の平均が1日あたり900便、11月19日(木)の旅客便数実績は748便)…
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各機体とも使用頻度がかなり低くなっているので、土曜日などは夕方でも到着後は一晩駐機状態になることも多く、そんな時は電源を落として飛行機を降ります。

 

ほぼガラガラになったマクナマラターミナルを、駐車場へと向かいました。
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日曜日と月曜日の2日間お休みをいただいて、ちょっと苦手な早朝パターンの4日間のフライトへ出勤です。