米国リージョナル航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。
コロナウィルスの影響で需要が激減する中、航空会社の乗務員も担当するフライトは半分以上が削減されています。出勤予定日に欠航が出るのも稀ではなく、フライト待ちの状態で自宅待機することもザラ。今日月曜日は本来であれば、5日間のフライトの中日だったのですが、昨日最初の2日間のフライトを終えて、帰宅しておりました…
出勤したのは土曜日。アメリカでは土曜日の午後になると需要はかなり減るので、平常時でも旅客便はそう多くありません。
国際線の土曜日に通常運航されるアムステルダム行き、ロンドン行きがない以外は、出発案内板も平常時とあまり変わらなかったのですが、
違うといえば、お店がとにかく開いていないこと。ここ最近はAコンコースをデルタ航空の本体の運用に集中させていて、裕坊が乗務するリージョナルジェット機による運航は、ほとんどがBコンコース……マクナマラターミナルのトンネルを抜けてBコンコースへと出ると、今は本当に昼食も夕食も手に入らないです……
Bコンコースにはファーストフードのお店が数軒。1つはポットベリーと呼ばれるサンドイッチ屋さん。
こちらは既に3月の中旬からお休みに入っていて……
お客さんの数が減ってきていた4月もまだ開けていた、ハンバーガー屋さんのウェンディーズ……
こちらも4月中旬から臨時休業……
Bコンコースには、レストランも1軒。こちらでは運が良ければ、お持ち帰りができるのですが、土曜日の夕方には既に閉店……
土曜日はデトロイト空港の一番端の出発ゲートになる、B21からの出発だったのですが、
そのお隣にあるサンドイッチ屋さんでは、商品ごと全て撤去になっておりました……
1便あたりの利用者数の数は、徐々に回復基調……ただ運航便数をかなり絞って上での利用者数…
当面9月までは現行体制で臨むことになりそうです。
最近ではボーディングブリッジにも、新しいステッカーが貼られるようになり、
よく目を凝らして見ると、
他のお客様と距離を保つように、但し書きも加えられておりました…
土曜日は1便だけを担当して、まずはインディアナポリスまで。
翌朝の日曜日は8時過ぎに空港へとショーアップ。
保安検査場を通ると、レーシングカーの展示がしてあります。
本来であれば、5月といえばインディ500レースの開催月。月初めからインディアナ州全体で大いに盛り上がり始め、
104回目となる今年のレースの決勝は、5月24日(日)に開催されるはずだったのですが……
既に8月23日(日)への延期も決まっています……
決勝の日ともなると、すごい数の観客でレース場(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ、インディアナポリス国際空港から、やや北東へと上がったところにあります)は埋め尽くされ、
周辺のフリーウェイなどは、レース場を行き来する車が埋め尽くし、渋滞もとんでもないことになるのですが、今年はまだレースによる渋滞は起きておりません……
2日目の行き先は、まずはミネアポリス…こちらもリージョナルジェット機が発着するCコンコースのフードコートは全店閉店中ですので、Dコンコースまで歩いて、マクドナルドに立ち寄ります。
従業員の皆さんは大変でしょうが、マクドナルドはほぼ全店通常営業中。軒並み他のお店が閉店している中、本当に助かっています。
ミネアポリスからは、さらに1往復を担当。
港町であるダルースで有名なものといえば、これ。空港から行くと急傾斜の坂を下って、ダウンタウンへと入るのですが、
坂を下り始めると、この街のシンボルでもあるエアリアル・リフト橋が見えてきます。大型船の通行がある川などに架ける橋といえば、アメリカでは大半が跳ね上げ式なのですが、こちらダルースにある橋は川の両側にあるエレベーターにて吊り上げる方式。
冬の真っ只中にもなると、スペリオール湖に厚みのある霧が出ることも少なくなく、(俗に霧の津波と呼ばれるそうです)
その中に浮かび上がるエアリアル・リフト橋は、とても絵になるようです。但し湖の水が暖かく、周辺の大気の気温が氷点下20度といった、厳しい寒さになることが条件ですので、霧の津波が観測できるときは、厚着の準備はしておいた方がいいです。
フライトの折り返しの際には、必ず消毒作業が最近では入りますので、裕坊が乗務するリージョナルジェット機でも洗浄作業に30分を要して、昨日は1時間20分で折り返し、
ミネアポリスに再び戻ってからは、通路を走るようにデトロイト行きのフライトの搭乗ゲートへと向かいました…
日曜日の夕方だったとあって、既にスターバックスも閉店……
ゲートに到着した時には、既に搭乗が始まっておりました……
見た目換算で、およそ3割ほどの搭乗率。デトロイトには、7時半ごろの到着。
明日火曜日と明後日水曜日に、2日連続で日帰りのフライトが急遽入り、この5日間では合計で8便を担当です。
そして今日月曜日になって、また1つニュース……
デルタ航空では、近距離路線を中心に運航されていたボーイング717型機の一部の運用を、長期間に渡って中断するそうです。
現在ある91機のうち6割ほどの機体の運用を、今後2年間に渡って中断するのだとか……
ちなみに現在デルタ航空で使用されているボーイング717型機は、そのほぼ全機が元々エアトランという、格安航空会社で使用されていた機体です。
デルタ航空と同じくジョージア州アトランタを、最大主要基幹空港として使っていたエアトラン(本社は、フロリダ州オーランド)。
保有機の1番の主力だったのが、ボーイング717型機。当時は88機を保有。ボーイング737型機も52機保有していた航空会社だったのですが、
今からおよそ9年前の2011年5月に、サウスウエスト航空がエアトランの買収を発表。
サウスウエスト航空は、創業時から使用する機材をボーイング737型機に限定しておりましたので、
エアトラン保有のボーイング737型機は、全機サウスウエストへ移管され、
100名前後の座席を積む旅客機を探していたデルタ航空のニーズに一致したボーイング717型機は、ほぼ全機がデルタ航空へと移管されました。
ほとんどの機体をこれまで自社名義で保有してきたデルタ航空にあって、このボーイング717型機は導入当初からリースで運用されていたのですが、サウスウエスト航空が実は今も所有者……デルタ航空にとって、ちょっと異色の機体です。
ハワイアン航空も、ボーイング717型機を現役で使っている航空会社の1つ。
最新鋭の機体に比べて航続距離がやや短いという欠点こそあるものの、導入から20年たった今でも、ランニングコストは最新の旅客機と比べても大きく見劣りはしておらず、
ハワイアン航空では、ハワイの各諸島を結ぶ路線用として、現役バリバリの活躍をしています。
こちらがハワイアン航空のボーイング717型機の機内。ちなみにハワイ諸島間のフライトですと、最長でも40分ほどにしかならないので、ハワイアン航空のボーイング717型機には、機体前方には化粧室がありません。
機動力に非常に優れる機体ですので、ボーイング717型機の未来は、個人的にはまだまだ明るいと考えています。