Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、5日間のフライト、中日

米国リージョナル航空会社に勤める裕坊といいます。こんにちは。

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アメリカの航空会社のスケジュールは、社歴順による入札制。社歴が長ければ長いほど、各自が要求するスケジュールを取りやすくなります。普段であれば、週末のお休み、各祝日での休日取得など……

 

各種ある祝日の中でも、クリスマスがアメリカ国内では最大の休日になり、多くの企業はクリスマスの数日前からおよそ1週間お休みを取った上で、ほとんどのところが元旦の翌日が始業。日本の企業、官公庁で12月27日、28日辺りが仕事納め、御用納めになり、1月3日までお休みになるのに比べて、数日ほど早い計算。

 

年間ほとんど休みがないウォルマートですら休業になってしまうクリスマス当日の12月25日。

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アメリカ人の多くは、家族や親戚同士で集まり、食事を並べてテーブルを囲んだり、プレゼントを交換し合ったり……

 

ですからアメリカの航空会社では、乗務員に限らず、整備員、運航管理担当者、乗務員配置担当など、皆こぞってクリスマスのお休みを申請………

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ですが、クリスマスの移動の時期ともなれば、航空会社にとっては掻き入れ時。各従業員の希望など聞き入れられるはずもなく…………

 

 

クリスマス当日の休日取得は、一部の社歴が長い「特権階級のみに与えられる権利」となります………

 

 

社歴の浅い従業員がクリスマスに休日を取る方法としては、アメリカの航空業界で「リザーブ」と呼ばれる、交代要員としてのスケジュールの取得の方法があります。「リザーブ」になると、一定日数の休日を取得(我が社の場合は、月当たり11日)。その他の日はスタンバイ要員として、会社からの電話を待ちます。

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一旦病欠などが発生して交代要員が必要になった時に、スタンバイ要員を使って「穴埋め」。航空機の運航に当たっては、法律で定められた一定数の乗務員を配置しなければ、飛行機は飛ばせませんから、欠員が出たときには、交代要員で空いた部分を埋めることに……「リザーブ」で待機している乗務員には、電話で仕事が入った旨が通知され、そこからお出かけ………

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リザーブ」としてスタンバイ待機する場合、一部の例外を除いて(デルタ航空の客室乗務員は、その例外中の一つ)、丸々1ヶ月を交代要員として過ごすことになり、大抵の場合休日日数は、契約上の最低保障日数………フライトをこなしているうちに、新たなスケジュール変更が入って、延長を通達されたりなどすることも多く、かなりの制約を受けることになるので、ほとんどの乗務員は敬遠するのです……

 

ですから、「リザーブ」は入社して間もない社歴の浅い乗務員の「任務」の1つ……

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乗務員リストの中で1番下での入札ともなると、まず選択肢はありません……大抵残り物をもらうだけ。お相撲の世界でいうなら序の口、序二段とほぼ同じ扱い……ちゃんこを準備していながら、自分が食べる頃には何も残らない厳しい世界……

 

でももしこれが真ん中辺りともなると………

 

裕坊の場合、デトロイト所属の機長の中で120人中56番目。ほぼ中間。通常のスケジュールのパターンを取得するか、敢えて「リザーブ」を選択するか………

リザーブ」であれば、クリスマスのお休みがほぼ確実に取得できるところを、通常のパターンを選択して、

 

 

 

結果は「末吉」………………………………

 

 

 

クリスマス当日の休日取得は叶わず、23日から5日間のフライトへとお出かけするパターンが入ることになりました………家族や親戚の元へと向かうお客様の移動のお手伝いをする「黒子」に徹していた12月……

 

実は23日から始まっていたその5日間のフライト。時々航空機の運用の関係で、2夜続けて滞在先で過ごすことがあるのですが、クリスマス当日12月25日は、ニューヨーク州のローチェスターにて、1日丸々宿泊滞在。そこに、我が愛妻ちゃんと息子くんが、家族で一緒に滞在しようと、裕坊の担当便(デトロイト発ローチェスター行き)にスタンバイでリストを入れておりました……福利厚生のスタンバイによるフライトで、座席に空きがあれば乗れる仕組み………

 

そしてその便の空席状況、76席ある座席のうち、空席は1………

 

本当に出発間際まで乗れるかどうか分からず、最後までドキドキ………

 

ところが、
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実は入社後のパイロット研修の締めとなる実機研修をこなし終えて、実家へと戻ろうとしていた我が社の新人パイロットも1人、搭乗券を持って控えておりました。そのコーディ君、コックピット備え付けのジャンプシートに座ってくれることに……

 

どうやらゲート係員が、コーディ君にジャンプシートに座ってもらえないか、と尋ねてくれていたそうです。

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お陰で空席が1つ増えて、結果的に2席の空席………愛妻ちゃん、息子君ともども搭乗することができ、家族で一緒に過ごすことができるようになりました。

 

ニューヨーク州ローチェスター到着は、夜遅くになってから……
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既に乗客は出口を通り過ぎて、ターミナルに人影はなし…
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そんな中、ローチェスター空港では、空港送迎のシャトル乗り場で、
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緑色と赤色のライトが交互に入れ替わって、クリスマスムードを演出しておりました…
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落ち着いた佇まいのホテルには、深夜の到着……
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愛妻ちゃんと息子くんが買ってくれていたステーキに舌鼓……
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実はクリスマスイブの晩の宿泊の乗務員のために、ホテルまでが軽食を準備してくれているという心遣い……
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お腹が少し痛いといいながらも、今日は息子くんが頑張ってロールケーキまで作ってきてくれておりました……
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スケジュールが上がってきた時には、諦めムードだった裕坊。思いがけずに家族と過ごすことができる「末吉」となりました。

 

 

ただ息子くんは、お腹の調子がまだ今一つ思わしくないようで、今日12月25日はホテルの部屋で「寝クリスマス」……

 

 

こちらはホテルからの景色……
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各種博物館がある、ここニューヨーク州ローチェスターですが、クリスマス当日はどこもお休み……

 

コダック本社も、部屋の窓越しに見ることができます。
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今日は1日ゆっくり家族との時間を過ごし、残りのフライトは2日です。