Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、リトルロックで1日のんびり

皆さんこんにちは、リージョナルジェット機運転手、裕坊です。

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今週火曜日に始まった4日間のフライト。数年ぶりにデトロイトを起点としてのフライトだけが入る4日間。

 

昨日水曜日は、夜遅くになってアーカンソー州の州都、リトルロックに到着…

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現在エンデバー航空の、リトルロック空港の直接の担当便があるのは、デトロイトへの早朝出発、デトロイト発深夜到着のパターンだけ。連邦航空法の規定で、夜間の宿泊滞在は、最低でも10時間を取らないといけないとあるので、機材の運用パターンの関係で、30時間の宿泊滞在が入ることもしばしば……

 

狭い部屋に泊まっていた一昨日から一転、お部屋も広々……

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今日木曜日はフライトが一切入らない、リトルロックでゆっくりの1日…

 

ということで、朝からダウンタウンを探検……
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ダウンタウンの規模自体は、それほど大きくありません。中心部には可愛らしいトロリーが走ります。ちなみにこのトロリー、ダウンタウン周辺の企業のスポンサーが多くついたらしく、社長さんの意向で昨年のクリスマスから、1年間無料で乗車することができるそうです。

 

運転手さんの案内つき…

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のんびりと走る電車で、街の様子をゆったりと堪能できます。

 

 

ここリトルロックには、いくつか見所もあり、本来訪れたかった場所はというと……

 

 

アーカンソー州リトルロックは、第42代アメリカ大統領、ビル・クリントンの出身地なのですが、

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そのクリントン氏が手がけた、クリントン・ライブラリー…

 

政界引退後は、クリントン財団を立ち上げ、財団が入るライブラリーを2004年にオープン。
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ダウンタウンからやや東へと行ったところに、大きな建物が聳えています。

 

アーカンソー川が北に見える広大な敷地にある立派な建物で、クリントン氏の州知事時代から大統領時代の、政治家としての経歴などが掲げられています。ただし英語でライブラリー(図書館)となっているものの、図書館とは一線を画しているようです。
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歩くとダウンタウンからおよそ30分。最高気温が33度になると聞いて、ちょっと躊躇してしまいました……

 

あともう1箇所、訪れたかった場所は、こちら。リトルロック・セントラル高校。
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1954年以降ブラウン判決によって、それまで公立学校における白人と黒人の分離教育が違憲となり、各地で白人と黒人が同じ学校に通う融合教育が進められていた矢先に起こったリトルロック高校事件は、ここが舞台となりました。リトルロックダウンタウンからだと、およそ西に5キロほど行ったところに建物は今も現存。現在は博物館として公開されています。

 

リトルロック市長が融合教育を積極的に進める傍ら、当時のアーカンソー州知事、オーバル・フォーバス(写真)は、自ら異人種融合教育に反対。州兵まで送り込んで、黒人の登校を阻止します。

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残念ながら、白人も大群衆となって学校を取り巻き、黒人の登校を阻止……最終的にはアイゼンハワー大統領が陸軍兵士を送り込んで、事態を収める事態になりました…ただそのアイゼンハワー大統領も、事態収拾にはあまり積極的ではなく、事態が大きく発展するまで、静観していたそうです。

 

その後入学した9名の黒人生徒は、激しいいじめや、命に関わる暴力や嫌がらせを受け続け、耐えかねた生徒が次々に脱落…それでも1958年に1人が立派に卒業を果たしました。

 

ただその後もフォーバス知事は融合教育に反対、融合を命じられた3校を突如閉校にするという暴挙にまで及びました。それでもフォーバス知事は、地元民の支持が大きかったらしく、その後も12年間、知事職を務め上げたそうです…アーカンソー州に今も付き纏う負の歴史が、ここリトルロック・セントラル高校で窺い知ることができます。

 

 

リトルロック・セントラル高校は、是非訪れてみたかったのですが、次回の宿題に残しておくことにして、今日木曜日は徒歩と無料で乗車出来るトロリーで行ける範囲に限定。

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アメリカのダウンタウンは、昔ながらのレンガ造りの建物が多く、どこを見渡しても絵になります。

 

ホテルを出て、まずはダウンタウンの北を流れるアーカンソー川を目指します。
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ジャンクション橋と名のついたアーカンソー川にかかる、エレベーター式の橋ですが、
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既に開通から135年が経過し、南半分の橋梁は上がった状態で固定されていました。

 

ですので、橋を渡るには階段を登っていかなくてはいけません…
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今日の散策に同行してくれた、副操縦士のロブ君も、インスタ用の写真を撮るのに一生懸命…

 

ブルックリンブリッジを思い起こさせる歩道…
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北まで渡ると、潜水艦が留まっておりました。
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既に引退してここに静止保存されている潜水艦。

 

海洋博物館として通常は営業しているのですが、週末にしかオープンしないため、今日は閉館……
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小さなカフェなどが立ち並ぶ北側の街をぶらぶら……
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昔ながらの雰囲気をよく残した、ドラッグストアなどもあります。
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そして無料で乗車できるトロリーへと乗り込んで…
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車内では南部訛りの英語で、運転手さんがいろいろと各地をご紹介…
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ダウンタウン周辺は、アパートもすっかり整備されておりました。
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再び川を渡って、街の南側へと戻ります。
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こちらが中心部になるのですが、こじんまりとした可愛らしい街並みのダウンタウンリトルロック
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今日の次のお目当て、リバー・マーケットに近づいたところで、トロリーを下車。
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3時間ほど散策をして、ちょっと喉も乾いていたきたので、リトルロックの目玉の一つ、リバー・マーケットへと立ち寄ってみます…
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中へと入ってみると…
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10種類以上のお食事のお店が、軒を連ねておりました。
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せっかくここまで来たので、お土産も1つ買っていきたい……
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ということで、こんなものを1つ調達…
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およそ8,000歩、距離にして7キロとそこそこいい運動もしましたので、

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ちょっと喉の渇きを癒します…
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数あるお食事もお店から、裕坊が今晩選んだのは、こちら……
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地中海料理のお店。

 

こちらのお店を切り盛りするご夫婦は、お二人ともギリシャ出身。
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チキンとライスにほうれん草をつけていただきました。
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ギリシャといえば、「オリーブオイル」。オリーブオイルにしっかりと浸けられて煮込まれた鶏肉には、しっかりと味が染み込み、それで肉汁が逃げずにお肉は全体がしっとり。ちょっとクセになりそうなお味でした。またリトルロックに長時間滞在が入るときには、間違いなくこちらに戻ってきます。

 

 

明日は早朝の出発で、5便を担当です。