Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、明日からまた次の4日間

皆さんこんにちは、航空会社サラリーマン、裕坊です。

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実は今、ブログで使っているアプリのデータの内部処理エラーが発生して、3時間かけて書き上げていた内容が全消去……

 

心がメゲそうになってしまう……

 

 

裕坊は、ブログだけでなく、自身用の日記に、iPad Air 2を使用。そのiPadにはブルートゥース経由で使える市販のキーボードを繋げて、文章を打ち込んでいるのですが、どうやらiPad Air 2も型がかなり古くなってきて、内部処理機能が最新のOSや画像処理などの要求に追いついていない様子…

 

 

そろそろ買い替えどきかも知れませんが、先立つものが……

 

 

こまめにデータ保存をしないといけません……

 

 

 

知っとるんなら、やれって……

 

 

 

コンピューターは、iPadに限らず、ノートパソコンなどでも、万が一データが保存されなかった時を想定して、数分おきにデータを保存する、というのは基本中の基本……製薬会社で営業を務めた経験まであり、そんなのは十分承知していたはずなのに……

 

知識はあっても、それを実践に移さなければ、意味はないってことやね……

 

 

王陽明さんのおっしゃる通りです。

 

 

裕坊が尊敬する哲学者の1人、王陽明氏。日本ではあまり馴染みがない『陽明学』の創始者です。宋の時代を代表する哲学者「朱熹」が説いた『朱子学』を批判し、読書のみによって理に到達することはできないとして、実践儒学陽明学』を起こした人物。

 

朱子学」は11世紀の宋の時代の儒教の教義の集大成。上下関係における「礼」を重んじ、「敬(つつしみ)」を持って礼を弁え、主君に従うことを教訓とすることを説いています。日本の江戸時代では、この「朱子学」がとても重用され、秩序を重んじる保守的な体制を作り上げるのに、大きく貢献。17世紀以降の、白人社会による大航海時代、植民地政策時代の大激動の時代にあって、2世紀半にも及ぶ天下太平の時代を作り上げるのに、大いに役立ちました。

 

 

その「朱子学」に真っ向から反論したのが、『陽明学』を世に出した、15世紀の「王陽明」。「礼」という形式的なものだけでなく、「孝」を実践することを説きます。心の正しさを尊重し、行動・実践することの肝要さに重点を置きました。

 

陽明学』の骨格を形成する格言の一つが、「知行合一」。漢文読み風に直訳すると「知(知識・学問)」と「行(行動・実践)」は同一ものである、となります。知と行を2つ別個のものとして分けることはできず、一体して連続したものである、というのが王陽明の考え方。「知行合一」とは、と弟子に問われ、「知って行わざるは、未だこれを知らざるが如し」と答えたのは、儒教の世界では有名なエピソード。「どれほど知識があっても、行動が伴わなければ、その知識は無駄である」という王陽明の自らの教義を示した言葉なのです。

 

 

実は今日月曜日、我がリージョナル航空会社から、2人の若手有望株が、本体であるデルタ航空での研修を始めました。2人とも、新人時代は裕坊の相棒として、副操縦士として飛んでいて、今日から本体の社員…この2人に限らず、かつて裕坊の副操縦士として一緒に飛んだ若手のパイロットたちは、既にかなりの数が、デルタ航空の本体のパイロット。

 

お給料が倍以上の差…福利厚生も、我がリージョナル航空会社とは雲泥の差。休日にスタンバイなどで旅行へ行く際にも、デルタ本体の社員が、いつも例外なく優先搭乗…

 

 

ハワイへ行く際に、リージョナル航空会社の社員である裕坊の一家は、座席指定が受けられず、西海岸で3日間身動きできなくなったことも……

 

 

それなら本体へ行けばいいやん……

 

 

実を言いますと、5年ほど前にデルタ航空の面接へは赴く機会があり、裕坊なりには準備をしたつもりだったのですが、残念ながら不合格…筆記試験や心理学テストなどには合格していたのですが、3名の面接官との面接において、不合格……

 

しかも数日後には、「デルタ航空における採用は今後いかなる事情があってもありません」旨を明記した手紙まで受け取ることになり……今後、デルタ航空への就職の道は、一切閉ざされることになりました……

 

 

裕坊とかつて一緒に飛んだ若手のパイロットたちは、粛々と準備を進め、各自が持ち得るポテンシャルをフルに発揮して、次々と大手航空会社へと旅立っていきます…それを羨ましい眼差しで見つめる日々…

 

大手航空会社への採用に必要な、面接への準備の心構えを知っているなら、もうちょっと「実践に移すべき」だった……

 

反省……

 

 

ただ、裕坊自身は、薬学部へと進学して、薬剤師の免許を取得。そこから5年間製薬会社の営業として務めた経験がありながらの、転職組。先が全く見えない中での転職から、途中大いにもがき苦しみながらも、ここまでの地位には辿り着くことができました。

 

薬業界から航空業界へと転身を「実践し」、家族や周りの協力や支えを受けながら、「エアラインパイロットになる」という『夢』は叶えました……そこまでの「行動」ができたことには、裕坊自身は充実感に満ち溢れています。「大手航空会社のパイロットになる」には「行動力」が足りませんでしたが……

 

 

息子が今月になって高校に通い始め、大学入学を視野に入れている今日この頃。学費を工面していかんといけん……しかもここ最近ずっとになって、尋常とは思えない医療費に現実を突きつけられ…

 

まだまだ飛べる時は飛んどかんと……

 

 

来月以降、補欠要員である「リザーブ」へと回帰して、しばらく「羽休め」をすることを考えたこともありましたが、それも延期。しばらくは、担当便が確定している通常のスケジュールで、ガンガン飛んでいきます。今月の休日は、3日。スケジュールも詰めまくり……

 

 

明日火曜日から、次の4日間のフライトへと出発です。