皆さん、こんにちは航空会社フラリーマン裕坊です。
昨日からリザーブと呼ばれるスタンバイシフトに戻って2日目。今日も電話はかからず……しかも明日の朝から連邦法で定められた30時間の休息に入ることを既に告げられていて、
このままでは火曜日までフライトなし……
休息をたくさんいただけるのは決して悪い気分ではないですが、あまりに時間が空きすぎるのはちょっと不安……なぜなら、裕坊自身、5年ほど前にそれを経験してきたから……
デトロイトからニューヨーク・ケネディ空港へと裕坊が強制移動を通告される前に見ていたのは、ダブつくパイロットたちの人員整理……
デルタ航空の出資によって何とか完全破産を免れたエンデバー航空の前身であるピナクル航空。破産法下からは抜けてはいたものの、人員整理はひたすら続き、裕坊が当時所属していたデトロイトから、ニューヨーク・ケネディ空港へと強制移動になったのが2013年10月。
この時は希望退職による退職者が会社の予想を遥かに上回る結果になり、特に入社経歴が浅いパイロットたちは迷うことなく、他のリージョナル航空会社へと次々に転籍……最大3,000名いたパイロットは、破産法申請から僅か1年ほどの間に1,700名ほどまでに減る事態に陥りました……
結果的に残ったパイロットたちの一時解雇の事態は免れました。
航空会社が一旦不景気に陥り、パイロットがダブついたときによくやるのが、一時雇用凍結。英語で『Furlough』と呼ばれ、各航空会社の契約内容には寄りますが、大抵の場合お給料だけでなく、福利厚生から健康保険、或いは会社施設の使用権利まで失うことになります。
ただでさえ航空会社は景気に影響されやすく、不景気はパイロットの雇用体系に大きく響きます。入社経歴が浅いと、航空会社が人員整理を始めたときに、すぐその対象にさらされることに………景気が安定してるからといって、明日の保証がないのが、フライトクルーという世界………
つい最近、身近なところでは、デトロイトのダウンタウンに大きな自社ビルを構えるゼネラル・モータースが人員削減を発表したばかり………
これはつい先日の記者会見で14,700名の削減を発表したメアリー・バラ、ゼネラル・モータース最高経営責任者。
『再び誇りあるアメリカを』を謳い文句にしてきたトランプ大統領も、このゼネラル・モータースの決断にはかなり渋い表情だったのが印象的でした。ミシガン州でも工場が一つ閉鎖されることに………
裕坊の知り合いの中にもゼネラル・モータースの電気関係の責任者をしている男性がいるのですが…………果たして彼の運命や如何に…………
何とか彼には現職でいて欲しいのですが…………
アメリカという国には雇用の保証はなし。ただ50を過ぎるまでほとんど終身雇用同然で勤めてきたのを、ここに来て切られてしまうのでは、あまりにも辛すぎます……
そろそろ企業や銀行の一部、そしてほんの一握りの富裕層だけが絶対的な権利を持つ、現状の資本主義、さらにそれを支える貨幣制度は、本気で見直す時期に来ていると思います。世界で100名にも満たない超富裕層の総資産が、世界中の約半分の人たちの資産の合算とほぼ同等という現状は、どう考えても尋常ではないでしょう………
あまりに根が深過ぎる上に、裕坊自身経済のプロではありませんので、確かなことは言えませんが、おぼろげながらもアイデア自体は持っていますので、また少しずつ裕坊の考えを書いてみたいと思います。
世界中の至る所で、まだこういった光景が見られるということ……インフラの発達とともに、人類の歴史の中で最も生活が便利にはなりました。がしかし、人類が本当に求める世界の実現には程遠い現状があることを、そろそろ我々自身が気づくときではないでしょうか………
我が家はそんな中、今日はささやかなホリデーシーズンを楽しんだ1日でした…ミシガン州は穏やかな好天に恵まれて……
クリスマス用のお飾りを少しばかり継ぎ足し、やっとのことで完成……
明日8時までスタンバイ待機……それまでに電話がかからなければ、火曜日までがお休みになります。
裕坊