Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、束の間の休日

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

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先週は4日間のフライトをほとんど奇跡ともいうべくこなし切って、今日は束の間の休日。明日は直接担当をするフライトは入っていないのですが、次の4日間のフライトはニューヨークから。飛行機で「通勤」をしてニューヨークまで向かいます。明日は休日返上で制服を着て「飛行機通勤」。

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福利厚生を使うと系列会社の場合、基本的には座席さえ空いていればどこに行こうがタダ………但し空きがあれば、の条件つき。あくまで座席の優先権はお客様にあります。なので、客席に空きがない場合は、こんな切り立ったジャンプシートと呼ばれる補助席に座ることも………

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今日は午後になってまずまずの秋晴れも広がり、ルーティンに少し精を出したり…………

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もうこの時期は芝刈りというよりは、落ち葉集めになります…………
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松の葉がかなり落ちてくるので、それはさすがに拾い上げきれず…………また時間があるとき、松の葉拾いもせんといかんな〜…………………
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表側の方はまずまずスッキリ………
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息子くんのサッカーの試合にも出かけます。気温も下がって、サッカー日和。

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試合はかなり拮抗。ただ後半に立て続けに3点を失って、5対4の惜敗………
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残念………ただ息子くんは今日は動きもよく、頑張っていました。来週がいよいよこのシーズン最後の試合になります。

 

明日の準備をしながら、日本人パイロットとして、目を奪われたのが三菱リージョナルジェット機の話題。

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どうやらカナダのボンバルディア社が、日本の国産旅客機「MRJ三菱リージョナルジェット)」を開発している三菱航空機や関連する協力会社などを、米ワシントン州の裁判所に提訴したということらしいです。ボンバルディア社の「機密事項」を持ち出しとか……………ちなみに今回訴えたボンバルディア社、裕坊が今乗っている機体、CRJシリーズの航空機メーカーでございます………………なんでまたボンバルディア社なの………………………

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よくよく読んでいると、提訴のきっかけになったのは、形式証明取得におけるデータの持ち出しに対するものだったらしいです。そもそも形式証明取得に関するデータとは特別に個別のメーカーに帰属するわけではなく、米連邦航空局やカナダの航空局が必要とするデータの基準を羅列したものに過ぎんのやけどな〜〜………………

この提訴はむしろボンバルディア社による、三菱航空機への牽制的な意味合いが大きいと裕坊は感じました………それだけ、この市場における競争が激しいということなのでしょう。

三菱航空機としても、この提訴の関しては全く引く考えはないようで、全面的に争う姿勢を示しています。国産旅客機は今後さらに広がる航空機市場への参入の大きな足がかりになります。裕坊的にはこの一件に関しては、三菱航空機に頑張って欲しいですね。

 

MRJは既に納入遅れが5年以上に及んで久しいですが、まだまだ問題は山積のようです。日本には国産プロペラ旅客機YS−11以来、旅客機製造の実績がありませんでしたし、ジェット旅客機に関してはまさにゼロから。

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日本には旅客機製造のノウハウがなく、しかも製造実績もありませんでしたから、主要部品の製造は経験豊富な海外大手メーカーが請け負うことになります。だが経験や実績のない三菱航空機は海外大手のサプライヤーメーカーから足元を見られ、発注元とサプライヤーの「主従逆転現象」が起こっているのだとか………………

 

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この課題を解決するために、三菱航空機では海外での旅客機開発に携わった人材をヘッドハンティングで5年ほど前、10名ほどを採用したそうです。恐らくその中にはボンバルディア社の元従業員も入っていたことでしょう。

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航空機の開発には長い年月を要します。ボーイング社のような経験豊富な航空機メーカーでさえ、ドリームライナーと呼ばれるボーイング787型機開発に当たっては、バッテリーなどの主要部品にトラブルに悩まされて、安全飛行に確証が得られるようになるまでにかなりの時間を費やしました。

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現在ではボーイング社と中型大型旅客機でシェアを争う関係にまでなったエアバス社。このエアバス社とて立ち上げの際に製作されたエアバスA300では航続距離不足や信頼性不足などを指摘され、売り上げは苦戦。一時は膨大な赤字を抱えましたが、フランスと当時の西ドイツ政府の全面支援と補助によって乗り切り、今では全2階建てのA380を製造するメーカーにまで成長。

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航空機製造は時間がかかる上に費用も膨大なものになります。三菱航空機も現在は孤軍奮闘が続きますが、エアバス社などの過程を教訓に日本の重工業の各社が得意分野を分担して力を出し合って、「メイド・イン・ジャパン」の最新鋭機を是非作り上げていただきたいです。MRJの教訓は、今後間違いなく日本の財産になります。5年以上にも渡る遅延を教訓に、日本の製造業の底力を是非発揮していただきましょう。

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明日は午後に我が家を出発して、ニューヨークへ向かいます。