Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、明日から4日間お出かけ

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

f:id:Yuichibow:20181003102512j:image

息子くん、友人からいただいていた剣道の防具を、今日師匠の指導の元、初試着。写真についてのお話はまたのちほど………

 

今日は日本の医学界にとっても嬉しいニュースが一つ入ってきましたね。京都大学特別教授・本庶佑(ほんじょ・たすく)さんがノーベル医学・生理学賞受賞。
f:id:Yuichibow:20181003102507j:image

航空業界へと足を踏み入れる前は医療関係に従事していた裕坊にとっても、とっても嬉しい1日となりました。本庶教授、受賞おめでとうございます。

抗がん剤治療における画期的なアプローチを可能にした新薬オプシーボ。

f:id:Yuichibow:20181003111832j:image

正式には「抗PD−1抗体薬」と呼ばれ、「免疫チェックポイント阻害剤」として癌治療における進歩に多大な貢献を果たしています。

日本において1980年以降最も高い死亡理由となっている癌。現代では2人に1人がかかるとまで言われています。そのがん治療、治療法としては外科的手術、放射線治療、化学療法(主に抗がん剤治療)などがありますね。

f:id:Yuichibow:20181003110904j:image

基本的には人間の体は免疫系で守られていて、体内に異物が入ると、まずは免疫系の最先端、アメーバ状の細胞、マクロファージが自らの中に次々と異物を取り込んで貪食処理をします。

f:id:Yuichibow:20181003113025j:image

そしてマクロファージが貪食処理をしきれない場合は、異物(抗原)として表示し、ヘルパーT細胞に情報が伝わります。

f:id:Yuichibow:20181003113830p:image

免疫系統の司令塔であるヘルパーT細胞、マクロファージからの抗原(病原菌)の情報を受け取り、T細胞と同じリンパ球のB細胞に命令して病原菌に応じた抗体を産生させたり、キラーT細胞へ指令を出して、感染した細胞に取り付いてその細胞を殺したりします。

f:id:Yuichibow:20181003115256j:image

またナチュラルキラー細胞(NK細胞)と呼ばれる、文字通り生まれついての殺し屋も存在し、常に体内をパトロールし、ウイルスやがん細胞を単独で直接殺す殺傷力の高いリンパ球も存在します。白血球全体の15〜20%存在。

f:id:Yuichibow:20181003115835j:image

免疫系統のがん細胞攻撃の1番の障壁は、癌細胞が「カムフラージュ」をしてヘルパーT細胞に感知されないことでした。

体内にがん細胞があると、ヘルパーT細胞はPD−1という物質を作り出し、がん細胞を攻撃します。ところががん細胞も攻撃を避けるためにPD−L1という物質を作り出し、T細胞のPD−1と結合することによって免疫機能にブレーキをかけていたのです。これが正しくがん細胞増殖の温床でした。

 

従来の抗がん剤は「キラーT細胞のアクセル強化」という発想をもとに開発されたものがほとんどでした。癌を直接攻撃して進行を食い止める効果がある反面、がん周辺の健康な細胞にまでダメージを与えてしまうという致命的なデメリットがあったのです。

f:id:Yuichibow:20181003121109j:image

本庶教授の発見した「免疫チェックポイント阻害剤」、抗体PD−1抗体薬(商品名:オプシーボ)、従来の抗がん剤治療に大きな革命を与えることになります。

このオプシーボを使用すると、体内で癌を攻撃するヘルパーT細胞が作り出すPD−1にオプシーボが結合します。これによりがん細胞が作り出すPD−L1はPD−1に結合できなくなり、T細胞は免疫機能を落とすことなくがん細胞を攻撃し、がん細胞の増殖を抑制することができるのです。

f:id:Yuichibow:20181003121641j:image

つまりオプシーボは免疫機能にブレーキをかける物質にピンポイントで作用し、T細胞ががん細胞を攻撃する力を高める薬剤ということになるわけですね。

 

既に2017年4月において、手術が困難とされる皮膚がんの一種であるメラノーマ、根治切除が難しいとされる転移性の腎細胞がんなどに適用されているようですね。将来的には消化器系分野、泌尿器科、婦人科の分野、乳がん卵巣がん、子宮頚がんへの適用の拡大も期待されています。現在の臨床実験が進み、多くのがん治療への貢献がされることを、裕坊は切に願います。

この人類への多大な貢献が期待される大発見を成し遂げた本庶教授。凡そ5,700万円に昇る賞金は、若い研究をサポートするために、大学の基金にしたいと記者会見で述べられました。その本庶さんが会見で強調されたのが、基礎研究の重要性。基礎研究にきちんとしたシステマチック、なおかつ長期的な展望でサポートして若い人たちが基礎研究への人生の充実感を高めることの重要性を説いていらっしゃいました。その一つ一つの本庶教授の発言に裕坊は大きく同意します。現在先細りする生命科学分野への国による投資、今一度政府には大きな見直しをお願いしたいと思います。

 

明日から4日間のフライトへと出かける裕坊、5連休の最後のお休みをゆったりと過ごしました。またもやってきてしまったゴルフ練習場。

f:id:Yuichibow:20181003102500j:image
今日は息子くんがまだ学校に行っている間でしたので、1人で集中的に練習………
f:id:Yuichibow:20181003102519j:image

午後には同業界に勤める友人の招待で、他の追随を許さない激ウマのラーメンをいただいてまいりました。
f:id:Yuichibow:20181003102503j:image

お店にいるって言われても納得してしまうほどの出来栄え。昨夜時間をじっくりかけて作り上げた出汁は、まさに本物のプロの味でした……

 

さらにその友人は剣道の有段者。食後には剣道の練習にも参加している息子くんに、剣道の道具のつけ方、外し方、さらにはしまい方まで一つ一つを伝授。

f:id:Yuichibow:20181003123923j:image

その友人のM氏、かなりの博識、自らの行動に揺るぎない信念を持つ、大手航空会社のバリバリの現役国際線パイロットです。懐かしい話題にも話が弾んで、とても有意義な時間を過ごさせてもらいました。

 

裕坊、5連休が終わって、いよいよ明日から4日間のフライトへと出発です。