皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。
家を出発してから今日が5日目。取りあえず5日間のフライトを締めて、誰もいない家に帰ってきました。4日間のフライトの4日目、5日間のフライトの5日目、大抵何かが起こります。これを航空会社クルーの法則といいます。今日もやっぱりいろいろとあって、帰ってきたの予定よりも3時間遅い7時ごろ………………………………
我が家の外灯の上のお家でスクスクと育った4羽のロビンくんたちも既に皆巣立っていて、本当に1人。デトロイトからミシガン州のやや北西に位置するトラバスシティーを往復する便が遅れて、家に帰ってくるのも2時間遅れ………………まだ1羽でも残ってるかな〜、と期待して外を覗いてみたら、やっぱりおらんかった………………………………
大きさや習性、食べるものなど、日本でよく見かけるツバメによく似ているロビンですが、実は立派な渡り鳥。北アメリカ大陸にはかなり広く分布していて、南はメキシコから北はカナダまで。そしてアメリカ国内ではほぼ全域に渡って生息していて、しかも冬になると北へ移動し、夏になるとまた南へ移動するのだそうです……………………………何度読んでもよく分からん……………………………
ただ野鳥のプロに言わせると、子育てがうまく行った場所には、母鳥は何年も続けて戻ってくるのだそうです。古い巣はノミなどが発生して不潔になるだけでなく、冬を越したときに巣の強度自体が弱くなってしまうため、同じ巣自体を使うことは稀らしいのですが、場所はよく覚えているらしい…………………………ということは、4羽とも順調に巣立った我が家を、あの母鳥は来年も選んでくれるのか?………………お願いやから、帰ってきてね…………………
今日はそのロビンさん家族にお話を聞いて欲しいくらい、いろいろとあった1日でした。今朝も苦手の3時起きで暗いうちからホテルを出発……………………
クリーブランドを経由し、
デトロイトまで、ここまではまずまず順調。
人がほとんどいないゲートの待合用の椅子に腰掛けてコーンサラダをいただきながら昼食。あとは1往復を残すのみ……………
しかしここでよりにもよって遅れが発生……………
どうやら使う予定になっていた機体の整備がどうも間に合わなかったらしく、結局遅れてやってきている機体を使うことに…………………
ニューヨークのケネディ空港を出発して飛んできていた機体、最近恒例になった積乱雲の影響も今日もまたモロに受ける形になり、先週の裕坊と同じパターンで離陸までに2時間を要していました。当然デトロイト到着も大幅遅れ………………………ここまではよくあること。今日はそこにおまけがついてきてしまいました。
実は本社の運航管理課から送られてくるフライトに関する情報、これをフライトリリースといい、一旦担当者が本社でコンピューター上で作成。するとその情報はオンラインでデルタ航空本社のコンピューターに送られます。その情報は各出発ゲートのコンピューターとも共有されて、フライトリリースが出発ゲートにあるプリンターで印刷されて、それをパイロットたちが受け取るという仕組み。見た目は大抵こんな感じ。
実際の様式は各社かなり異なりますので、実際の我が社のフライトリリースと比べると全く見た目は違いますが、内容はほぼどこも同じ。使う機体の登録番号、燃料搭載量、巡航高度、巡航速度、飛行計画路、天候状況、滑走路の状況予想、などなど、各フライトに必要な情報が入力されていて、A4の用紙で印刷すると、主要空港同士を結ぶフライトでおよそ平均15–20ページほどになるのですが、それが印刷できない………………………………
その間にも遅れているフライトとあって、乗客は急ぎ足で飛行機へと次々に乗り込みます。
それでも仕事の切れる女性のゲート係員、乗客の搭乗券を機械にスキャンしながらもフライトリリースを印刷しようと片手間にパソコンのキーボードを叩きます。その度に上がってくるのが、こんなメッセージ………………………
『フライトリリースの情報、届いてねーよ』
3人ほどの乗客を迎えては、その女性係員キーボードを叩きます。そしてプリンターにほんのちょっと印刷がなされます。
『フライトリリースの情報、届いてねーよ』
またトライします。また一行だけ印刷されます。
『フライトリリースの情報、届いてねーよ』
懲りずにまた女性係員、キーボードを叩きます。また一行だけ印刷…………………
『フライトリリースの情報、届いてねーよ』
もう3回トライしてみます………
『フライトリリースの情報、届いてねーよ』
『フライトリリースの情報、届いてねーよ』
『フライトリリースの情報、届いてねーよ』…………………………
仕方なく、運航管理課の担当者に裕坊、直接電話をかけてみました。電話の向こうで担当者のアンソニーくんもいろいろと頭を捻ります。
アンソニーくん:ゲート以外の場所で、直接プリンター使える場所があったよな、確かスカイラウンジかどこかで。そこに行けるなら、裕坊のメールアドレスにフライトリリースの情報、直接送るけど、どうする?
裕坊:それいい案やな。それで行こう!
ゲート設置のプリンターが使えないのであれば、場所を移動して印刷できないか、というのがアンソニーくんの考え。裕坊もそれに乗って女性ゲート係員に応援を呼んでもらい、責任者に頼んでこんな所までやってきてしまいました。本来ファーストクラスをよく利用するビジネス客が中心に利用するスカイラウンジ。
ここにはビジネス客の需要に応じたサービスがたくさん用意されています。プリンターもその一つ。普段は裕坊はこんな所にはやってこないので、使い方もよう分からん………………でも親切なスカイラウンジの係員がていねいに説明してくれて、やっと印刷まで漕ぎ着けた。これで出発できる……………………………………はず………………………………………
で、いざ飛行機へと戻ってみると………………………………
どうやら出発前になって、またも一つ見たくない警告が計器画面に上がってきていたみたいで、整備員を副操縦士のウィリアムくんが呼んでくれていました。整備員曰く、どうやら飛行機の電源を一度完全に落として、電源を切っている間にサーキットブレーカーを一旦外してシステムをリセットさせるのだとかで………………………何か我が家のインターネットのモデムみたいなことすんやね…………………………
既に2時間半も待たされてくたびれ切っているお客様に事情を話して、一旦飛行機の電源を落とします。ただでさえ暑い機内はさらに暑くなっていました…………………………
やっとのことで警告灯が消え、出発準備ができたの、既にトラバースシティー行き往復便を終えて終わっているはずの時刻、時計を見ると午後3時。既に寝起きから12時間を経過していて、裕坊の気分はこんな感じ……………………
それでも気力を振り絞って、何とかトラバースシティー往復便をこなし、7時ごろ帰宅して……………………ロビンさんにお話を聞いてもらおうと思って外を覗いたら、こんな感じになってました………………………
誰もおらんし……………………………たまにでいいから、元気な姿見せてくれよ〜…………………………
明日は日帰りのフライト。今日往復便をこなしたトラバースシティーにピッツバーグ、この2都市をそれぞれ往復します。そのあと、3連休や〜〜〜〜……。
裕坊