Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、復帰前の寝休日

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

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今日は復帰前の最後のお休み。ひたすら寝休日。普段でも2週間に一度、こんな日を過ごしてしまいます。普段からあくせく動き回っている皆さんに本当に申し訳ありません…………………でもおかげで体は休まりました。もー明日からの復帰に言い訳はできん……………………

本当なら息子くんの剣道の練習について行く予定にしていました。いただいた防具をつけて、掛かり稽古も始められるはずだったのですが、いざ袴をつけて行く準備が整った頃になって、息子くんひとこと………………………………「熱がある」………………………………

測らせてみると38度。結局練習も断念……来週以降のお預けとなりました。

今日の裕坊の頭の中をグルグルしていたのは、単独操縦による旅客機運航の話題。どこまで具体的なことが連邦議会で取り上げられたのか、検索してもすぐには回答が出ませんでしたが、議題に挙がっているのは確実なようです。

機械化技術の発展とともに省力化が進み、既に旅客機の世界でも2名運航が当たり前になった昨今。旅客機の世界でも今からおよそ40年前、裕坊が幼少の頃といえばナビゲーションに燃料の計算、油圧装置や与圧装置などの調整、監視をするのは航空機関士の役目でした。

こちらが40年前の旅客機の代表、ボーイング747−200型機との操縦席。丸い計器が無数に並んでいるのがよく見えます。

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そしてこちらがデルタ航空でも採用されている最新型のエアバスA350

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表示されている内容自体はほとんど同じなのですが、コンピューター画面に表示がほとんどまとめられ、かつて航空機関士が担当していた作業はコンピューターが全てを担うようになりました。

では省力化がさらに進んで単独運航が実現するのはいつになるのか、裕坊が思うに5年、10年の単位ではないでしょう。今の旅客機の場合、2名運航を前提にコックピットが設計されていますから、装置やスイッチによっては機長席からだと届かないものも。裕坊が現在乗っているリージョナルジェット機などの場合、パイロットによる入力がなければ全く動かない、人間の操作の必要なものもあるので、少なくともCRJシリーズで単独運航が実現するのはかなり困難だと思われます。スラストレバーなどは今でも我々が動かしていますから、単独運航も不可能ではありませんが、まだまだかなり困難……でももしこの写真にようなコックピットデザインの飛行機が出てきたとすると……………………

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実際にパイロットはフライトスクールにおいてパイロットの免許を取得する際、セスナなどの小さい機体を単独で操縦することを前提にライセンスを取得します。また10人乗りの小型プロペラ機による旅客運航の場合も、単独運航をするのが基本。アメリカだと東海岸のボストンを中心に、小さなリゾート島を結ぶケープエア(Cape Air)などはその一例。

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ただ一般のジェット旅客機による運航の場合は、完全自動運航を操縦席に座るパイロットがモニターをする、というのが単独運航の際の大前提になるのではないか、と思います。それにかかる年数はというと、恐らく最低で20年はかかることになるでしょう。裕坊の場合、どんなに健康に過ごしても16年で強制引退の年齢を迎えますから、裕坊は安泰かも知れませんが次世代のパイロット達にはやはり影響があるかも知れません。時代の波とはいえ、やはり寂しいですね。

明日は早朝に出発して3本を担当。宿泊は東海岸きっての裕福な街、日本人の方も多くいらっしゃるというニューヨーク州・ウェストチェスターにて宿泊滞在です。

 

裕坊