Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、2日目

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

今日は予定の3本をこなして、ミラーというブランドのビールで知られる町、ウィスコンシン州ミルウォーキーへとやってきました。今日は3本のフライトの間にそれぞれ長い待機が入り、合計の待機時間5時間30分。

乗務員のスケジュールを作成は、コンピューターに入力されたフライトを、ソフトウェアがランダムに拾い上げて1回のお仕事を4日間分、5日間分になるようまとめ上げます。連邦法で定められた最低限の宿泊滞在時間や拘束時間、総飛行時間の規則に反することがないように必要とされる条件も合わせて入力。雪やハリケーンシーズンともなると、遅れを少しでも吸収できるよう、主要空港での待機時間を長くしたり、スケジュールのパターンは月によって様々。

今月はデルタ航空本体が使用しているという新しいプログラムが下請け先の一つである我がエンデバー航空でも採用されたのですが、ニューヨークでの滞在時間をいつも以上に長く設定したが故に、4時間待機があちこちで課されることに。操縦桿を触らず、眠そうな顔をして映画を見たりタブレットのゲームに勤しんでいるクルーがあちこちで次の担当便を待ちます。

昨日は夜のワシントン空港へと飛んで、10時間の宿泊滞在。とてもホワイトハウススミソニアン博物館などを訪れる時間はありません。そのワシントン、今日はアメリカ大統領のトランプさんがフランスのマクロン大統領を招いて首脳会談。アメリカの主要メディアは、そのトランプ大統領マクロン大統領の会合のニュース一色でした。

ワシントンといえば、ポトマック川の全米桜祭りが春の風物詩の一つ。第2次大戦前には既に日米友好の証として送られていたもの。伊丹市で育った苗木を移植したものらしく、今ではその木の数は2,000本を超えるのだそうです。裕坊は残念ながら今年はその桜を拝むことはできませんでしたが、川沿いを飛ぶ時には眼科にそれが見えることもあります。

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既にワシントンの桜のシーズンは終わっているようで、しかも昨夜ワシントンへとやってきたときには日が暮れた後でしたから、桜はおろか木の姿すら見ることができませんでしたが、ワシントン空港には風向きによってポトマック川の上空を降りながら滑走路へと入って行くアプローチがあります。その名もそのままリバー・ビジュアル。リバーとは川、ビジュアルとは有視界飛行で視界が効いている状態。早い話、本当に川を見ながら滑走路へと入って行くのです。

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緑色がそのポトマック川。赤で示したのが滑走路。実はワシントン空港からポトマック川を挟んで北側にはホワイトハウスアメリカ合衆国国会議事堂、或いは各国の大使館など重要な施設が立ち並びます。そこは例え民間の旅客機といえども上空を飛ぶことが許されない飛行禁止区域。南向きに離発着するときは、少々いびつになりながらも川をこうやって川沿いを飛びながら高度を下げるのです。ちょうど桜の時期に重なり、お天気がよければ満開の桜が眼科に拝めることもあります。もちろん確率としては100回飛んで1回あるかどうかなのですが。

貨物で軽飛行機を使った仕事をしていたという裕坊と同年代のマイケルくん、そのワシントン行きを担当。初めて訪れるワシントン空港へのこのアプローチに、さすがにちょっと緊張していましたが、飛行機での経験自体は裕坊に引けを取らないだけあって、その操縦はさすがでした。昨夜は東からの風でしたので滑走路へ向かっての最後の旋回も緩やかにできたのですが、西から強い風が吹くと追い風になって対地速度が速くなるので、そんなときは最後の旋回もやや急になります。気象条件によってはちょっと緊張を強いられることがある、パイロットの技術を試されるアプローチの一つです。

明日はお昼以降ゆっくりのショーアップ。既にチョコクロワッサン2切れを買い込んでお部屋でゆっくり。超がつく夜型人間の裕坊、夜更かし体制は既にバッチリ整っています。

 

裕坊