Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、ボストンでゆっくり

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

今日は1本のフライトに乗って移動だけの日。航空業界ではデッドヘッドといいます。頭が死んでてもフライトに影響がないというアメリカならではの発想の業界用語。ミネアポリスからボストンへとやってきて、空港を出発する前に食料を買い込んで、サナギ状態になって部屋にこもります。あー、しあわせ……………………

今朝出発する前にホテルのカーテンを開けると、こんな景色が目に入ります。あの、皆さん、カレンダー見ない方がいいです。感覚がおかしくなります。

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昨日はニューヨークのラガーディア空港を10時ごろには出発するはずだったのが、予定の担当便が欠航になり、スケジュールが変更になってミズーリ州カンザスシティーを経由してミネアポリスまで行くことに。しばらく出発を待つことになり、裕坊の他にもう1人在籍する日本人機長のHくんとゆっくりとお話をしたりしながら時間を過ごします。そのHくん、ミネアポリス近郊に住んでいながらニューヨークに所属する通勤組。直線距離にして1,600キロの距離を通います。車では到底通えるはずありませんから、福利厚生の一部でもあるスタンバイのフライトを使っての通勤。Hくんも苦労が絶えません。

カンザスシティー行きの定刻出発は2時20分。1時半ごろには飛行機も入ってきて、欠航が相次ぐ中この便は何とか定刻で出発できそうとあって、ゲート係員の表情も明るいです。ところがいくら辺りをキョロキョロと見渡してももう1人のパイロットの姿はなし。ふとクルーのスケジュールが見れる会社のウェブサイトを開けてみます。どうやら担当の副操縦士のアンドリューくん、まだこちらに向かってます。もっと正確に調べてみます。アイオワ州のデモインからまだ離陸すらしてねーし……………………

もう一つ、別のウェブサイトを開いてみます。アンドリューくんがダメならリザーブがいるだろうと期待してそのウェブサイトを開けます。ニューヨークには10人ほどのリザーブが待機中。リザーブとは要はスタンバイ要員。病欠が出たりクルーが時間切れになったりして交換要員が必要となったときに駆り出されます。10人いるんだからリザーブのクルー、1人送ってよ、と本社の乗員配置課に電話を入れてみます。でも他も欠航が相次ぎまくって恐らく本社はてんやわんや状態。電話を取る気配全くなし。待てど暮らせど状況は変わらず。

他の欠航便の影響を受けた乗務員のスケジュールの作り直しが優先されたようで、カンザスシティー行きの乗員配置は完全に後回しにされていました。代わりの副操縦士が姿を見せたの結局夕方5時過ぎ。午前中土砂降りの雨が降っていたニューヨーク、出発前にはこんな感じになってました。

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4時間遅れです。それでも最後まで欠航にならず、ちゃんと出発できましたので、乗客の皆さんからは一言も文句出ません。

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3時間半ほど遅れたままカンザスシティーからミネアポリスに到着し、昨夜も法律上最低限必要とされる10時間の宿泊滞在を経て、ボストン行きのフライトに乗客として飛び乗り、3時ごろに到着。シーフードがおいしいボストンに着いてから、空港を出る前にレストランで食料を調達。部屋に入ってこもりきりになって、夕方まだ5時だというのに既にパジャマにも着替えて寝る態勢を整えています。寝る気マンマンです。クタクタになっているときは、寝るのが一番……………………

ところでここボストン空港のデルタ航空の発着するAターミナルにあるシーフード屋さん、ここに来たら是非皆さんにクラムチャウダーを試していただきたいです。裕坊もそのクラムチャウダーとサンドイッチ、さらにはサンドイッチを買い込んで部屋に持って入りました。

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ここのクラムチャウダー、具がかなりたくさん入っているので、昼食であればもうこれだけでも十分です。お腹いっぱいになります。カニサンドイッチやロブスターサンドイッチなども売っています。クルーの間でも人気のシーフード屋さん、Legal Sea Foodsという名前のお店です。

明日はまた早朝早起きのパターン。3本のフライトを担当。目指すは歴史のある街、ジョージア州サバンナです。

 

裕坊