Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

愛妻ちゃん、また発熱で寝込む

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

タイトルにある通り、また愛妻ちゃん寝込んでしまいました。一昨日は熱も下がり、このまま回復すると気軽に構えていたら、昨日また悪寒がしたらしく体調も逆戻り。今日から3日間のお休みが入る裕坊。しばらくは看病生活になりそうです。

愛妻ちゃんの勤める幼稚園のお仕事、3歳児、4歳児相手ともなるとまさに体力勝負。寒いミシガン州では風邪も猛威をふるいます。園長先生ですら体調を崩す羽目になった今年の冬のミシガン州。他の家族も皆揃ってバタバタと発熱で倒れたりと、深刻な脅威となりました。普段からの予防はやっぱり欠かせないですね。かくいう裕坊も少し喉を痛めています。この3日間の間に、自らもしっかりと養生しないといけません。

昨日は雪がチラつくカナダのアルバータ州エドモントンを出発して、まずはミネアポリス行きを担当。まだまだエドモントン、氷点下です。気象状況を示す情報を取り出すと、普通に外気温氷点下10度。それが当たり前の極寒国カナダ。外の作業員、マフラーをつけて毛糸の帽子をかぶるフル装備ではあるものの、それが普通といった表情。寒さに震える様子が全く見せないあたりはさすがです。

豪雪地帯を多く抱えるカナダ。飛行機の離陸前の除氷作業は冬の間の風物詩。出発前には除氷をするのが前提で空港も建設されていますから、除氷の作業もとても効率的。作業場もとても合理的な作りになっていて、まず迷う心配はなし。作業場に入る際には、便名が表示された掲示板までが用意されるというサービス付き。迷いようがありません。作業員とのコミュニケーションもとてもスムーズに進みます。

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一昨晩から降っていた雪が機体に積もっていて、今朝はまず雪を振り落とす作業から。除氷に使われる液体はグリコール。粘性が高いのが特徴、それを温めて飛行機に振りかけます。粘性がとても高いために雪を溶かしながら金属の表面に付着した雪や氷、あるいは霜などを除去できるという仕組みになっているようです。金属のホースからそれが放たれて、飛行機の表面についた雪を振り落とすのですが、その場こそまさに雪国カナダのプロが本領を発揮。

付着している雪の量をよく把握し、かける量はいつも必要最低限。それでいて飛行機に付着している雪や氷などが完全に除去されてしまいます。除去液、グリコールはとても粘性が高く、窓に付着するとかなり厄介なので、それが垂れにくいように工夫を凝らすのです。さすが何事にも完璧を目指すカナダ。毎回披露されるプロの技に、裕坊も舌を巻きます。それに引き換え、アメリカでの除氷作業と来た日には…………………………………

自らが財布を傷めることはないということもあるのでしょう。湯水の如く何の遠慮もすることなくジャンジャン除氷液をかけてくれます。ちなみに除氷液にはオレンジ色がついていて、耐氷液(種類はいろいろありますが、旅客機は緑色を使うのが基本)との違いが分かるように工夫されているのですが、当然のようにコックピットの窓にもガンガン垂れてきて、全く前が見えなくなります。視界に入るのはダラダラと垂れるオレンジ色の液体だけ………………

このオレンジ色のグリコール、ワイパーで払おうとすると余計大変なことに。粘性が高いが故に、下手にワイパーで振り払おうとすると、その液がモロに窓の表面にへばりついて視界を遮ってしまうのです。気を長くして液が自然落下するのを待つしかありません。レストランへ行ってコーラなどを注文すると、日本なら家庭の冷蔵庫用の大きさのカップで出てくるお国柄。ファーストフードのマクドナルド辺りで大きいサイズのコーラを注文しようものなら、日本だと家族一週間分の量が巨大カップ(2リットルは優にあると思います)に並々と注がれて出てきます。それをしかもちゃんと飲み干します。おかわりをするツワモノも普通に見かけます。細かいことを気にしてはいけないということですね。雪や氷が振り払われているのですから、取りあえず満足しておきましょう。

春休み前の最後の息子くんの登校日、眠い目をこすりながら起きてきた息子くんを後部座席に乗せて、ひとっ走り学校まで送ってきます。

 

裕坊