Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、家路の日

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

昨日は我がエンデバー航空の本社があるミネアポリスからひとっ飛び、アルバータ州エドモントンまでやってきて、今朝はちょっと早起き。同じ陸続きではありますが、EUのようなパスポートなしのままフリーパスの自由はないアメリカとカナダ。一度国境を越えると例外なく入国管理局を通過。

アメリカからカナダの空港へ到着すると、ほぼ例外なくお散歩コースへと入ります。カナダだと大抵どこの空港でも到着ゲートから入国管理局までの距離が離れていて、1キロほどの距離を歩くことに。アメリカからの到着便の乗客には、理想よりも大きめの服のサイズを身につけている人が多いことにカナダ政府もきっと目をつけたのでしょう。隣国の国民の健康にまで気を使うことができるとは、カナダ政府もなかなか見上げたものです。

昨晩から今朝のショーアップまでの紙面上の宿泊滞在時間はちょうど11時間。これがアメリカ国内の地方の小さな空港だと、到着ゲートから送迎シャトル乗り場までは、歩いてせいぜい約5分。たっぷり時間を有効に使えます。カナダでの宿泊になるとまず到着後に入国管理局を通過。そして今朝も入国管理局を通過。昨夜はカナダの入管で今朝はアメリカの入管。宿泊滞在のうち、入管通過、シャトルでの移動だけで1時間は費やしてしまいます。実質のホテルでの滞在は、よくて9時間半。今回の宿泊滞在もバタバタ。

実はアメリカとカナダの間では出入国管理に関する申し合わせがあり、主要のカナダの空港からアメリカに向けて空路にて出発する場合、アメリカの入国管理局通過をカナダ側で、即ち出発前に済ませてしまうのです。トロント、オタワ、モントリオールバンクーバーカルガリーなどもこの対象に。当然セキュリティーも通らなければならないので、ショーアップまでに多めの時間を確保しておかなくてはいけません。

今朝の定刻出発は8時ちょうど。空港ショーアップは定刻の45分前ですから7時15分。送迎シャトルは6時45分を予約。今朝は久しぶりに早起き。5時前起きでコーヒーで無理やり目を覚ます裕坊…………………いしのようこさんが嘗て志村けんさんとの夫婦コントでよく口にしていたフレーズが、頭の中をグルグルと駆け巡ります。ご、ご、ご、ご〜じ〜〜〜〜?

ちなみに我がエンデバー航空、初夏から初秋にかけての限定にはなりますが、ニューヨークのケネディ空港からケベックへのフライトがあります。1608年にサミュエル・ド・シャンプランという人がヌーヴェル・フランスとして植民地経営を開始した都市なんだそうです。オールドダウンタウンを訪れると、古いフランスの街並みを楽しむことができます。かわいい建物がたくさん並んでいます。

また夏休み期間限定で赤毛のアンでも有名なったプリンセスエドワード島へのフライトも担当することがあります。これらの空港は規模も小さく、利用者もかなり限られているので、アメリカの入国管理局はありません。こういった小規模のカナダの都市を出発する際は、ケネディ空港に到着後の入国管理局通過となります。

アメリカ政府はカナダ政府以上に自国民の健康に気を配ります。ケネディ空港ではカナダの空港以上に到着ゲートから入国管理局を引き離します。ニューヨークに来た以上取りあえず3キロは歩きなさい、ということなのでしょう。1日に歩く距離の目安を教えてくれる空港利用者向けのアメリカ政府提供の素晴らしいサービス。飛行機を降りたばかりでお疲れの乗客の皆さま、重いカバンを引きずり肩を上下に揺らしながら、しっかりと汗をかきます。普段は車ばかりでの移動で歩くことに慣れていない自国民を空港にて歩かせるサービスを考えつく辺り、アメリカ政府はカナダ政府以上のプロに違いありません。赤毛のアンをお楽しみ頂いたお客様、ケネディ空港到着の際にはしっかりと足の準備体操をお忘れなく。

今日はまずはミネアポリスを目指し、テキサス州はダラスを経由して、我が家のあるデトロイトを目指します。愛妻ちゃんに会える日です。

 

裕坊