Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、4日目

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマンです。

昨日、ビール会社のミラーの本社があるウィスコンシン州の最大都市ミルウォーキーにやってきて、出発はお昼頃。少し気落ちしながら肩を落として1人チョコクロワッサンをかじります。昨日は来月のスケジュールの発表日……………

ちょうど3月末から4月の頭にかけて多くの学校で春休みに入るアメリカでは、フライトも当然忙しくなります。担当便数が増え、普段は直行便がない都市の組み合わせをリージョナルジェット機が担当したりすることも。そのせいか会社全体でパイロットの来月の平均休日日数、かなり減ってました。特に春休みにかかる月初めは、優先順位が低いクルーがほとんど全員駆り出されるスケジュール。

裕坊も自分のスケジュール見て、もうガッカリ……………一週間しかない息子くんの春休みに合わせて計画していた旅行、月初めの3日間さえお休み取れれば何とかなると踏んでいたのが、エープリルフールからいきなり4日間のフライトが入って結局オジャン…せっかく夢にまでみたシルク・ド・ソレイユ、見れると思ったのに……社内でもブーイングの嵐、クルーの集うラウンジはお通夜状態………………

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フライトクルーのお給料は出社から退社までの総時間数ではなく、出発地で搭乗口が閉まった瞬間から到着地で搭乗口が開くまでの時間がお給料になります。地上で待機している間はお給料はなし。厳密には出張手当のようなものはつくものの、せいぜい1時間当たり1ドル50セント。スズメの涙。フライトクルーは飛んでいる時だけ、お給料を貰えるのです。

我がリージョナル航空会社、デルタのお気に入り(!??)なっているようで、フライトが遅れがちになりやすいニューヨークの担当便がここ数年で増えています。確かに他のリージョナルに比べれば頑張っているのかも知れませんが、お天気には逆らえません。雪が積もり出すとフライトは欠航が相次ぎますし、ちょっと風が強く吹いただけで、先日の金曜日のように1時間とか2時間とか平気で遅れてしまいます。

それを少しでも取り返せるように、ということで我が社はニューヨークでのフライト間の地上待機の時間を大幅に増やしました。何でも会社によれば1時間や2時間遅れても、初めから3時間4時間空港で待機させる時間を組んでおけば、遅れを取り戻せるという理論。それって飛行機が時間通りにやって来ればこそ、と裕坊は思うのですが……クルーは3時間4時間の待機を入れることができても、飛行機は到着後平均的に40分程度で折り返すようにスケジュールを組まれているので、クルーが準備出来てはいても、飛行機が来ないことは日常茶飯事。

お給料をもらえない拘束時間だけがいたずらに増え、1日あたり稼げる時間数がグンと減って、平均75時間のお給料分を確保するために拘束日数までもが増えてしまい、会社全体で平均休日日数が3日も減ってしまいました。さすがに今回の落胆度、ハンパないです。せっかくの楽しみを奪われて、何をモチベーションに仕事しよう…………有給休暇、5月に1週間分、8月に2週間分、それまで待つしかなさそうです……………

今日はここミルウォーキーをお昼の2時半頃発って、ニューヨークのラガーディアを経由し、今晩はかつて我が社の本社が存在したテネシー州のメンフィスを目指します。

 

裕坊