Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、2日目

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマンです。

今朝も早くからクロワッサンとコーヒーの組み合わせ。今泊まっているインディアナポリスのホテルでは無料で朝食が食べられるのですが、朝が早すぎるためまだ朝食の用意はなし。仕方なく部屋の中で持参のクロワッサンをかじる裕坊。朝がめちゃ早いか、夕方極端に遅く出発するか、究極のスケジュールを行ったり来たりするのが、ザ・リージョナル。

昨日はデトロイトを出発からお客さんとしてピッツバーグまで。夏時間に変わって1時間寝る時間を損したあとの早朝の朝一のフライト。普段はそれなりに混んでいる日曜日の早朝もさすがに昨日はガラガラ。空席も多く、座席はファーストクラスへとアップグレードされてご満悦。でも一旦離陸したあとの飛行時間はせいぜい40分ほど。仮眠を取る間もなく終わってしまいます。唯一残るのは中途半端感…………

ピッツバーグでは次のケネディ空港行きのフライトまで2時間待ち。1時間ほど待ったところで飛行機がやってきて、パイロットが交代。ボーディングブリッジでフライトを終えたクルーを迎えます。そこで降りてきたのは、裕坊ともう1人同じ会社に所属する日本人パイロット。今勤めるリージョナル航空に在籍する日本人は裕坊とその彼の2人だけ。ずっと長らく他の副操縦士から彼の名前を聞いてはいたものの、なかなか会う機会に恵まれでいなかったのが、ようやく昨日会う機会に恵まれました。

我がリージョナル航空、今は4つの配属先があり、パイロットは合計で1,600名ほどが在籍。リージョナル航空会社はほとんどのパイロットにとって初めて勤める旅客航空会社。しばらく経験を積んで、大抵は大手へと移っていきます。裕坊が入社した当時にいた日本人女性パイロットは、裕坊が入社して3年ほどで大手へと移り、他にも1人がやってきては他へと移っていきました。寂しいですが、リージョナルの航空会社の性質上仕方ありません。

裕坊が日本人同士で飛ぶ機会に恵まれたのは2回。一度は副操縦士として、一度は機長として。日本語でお話ができる貴重な機会です。普段は話を半分ほど聞いて、数日経つと内容を忘れてしまう裕坊の頭にも、話した内容が細かく記憶に刻み込まれます。改めて裕坊は日本人なのだ、と実感する瞬間。

各航空会社とも数は決して多くはないですが、確実に存在する日本人のクルー。他のリージョナル航空会社にも数名裕坊の知り合いが働いていますし、大手で既に国際線専用の大型機材に乗っているものも。日本人しか知らないテレビの話題などで花が咲いたりなど、とても楽しいひとときを過ごせます。

昨日初めて会うことができたSくん、既に機長に昇格済み。ミネソタ州に住みながら今はニューヨークへと通い、お客さんを各地へと運びます。既に大手航空会社本体から内定をもらっていて、機長としてもうしばらく飛んだあとはそちらへと転籍。大手の航空会社はパイロットの大目標。その中でもアメリカのパイロットの多くが憧れる航空会社への内定を得ました。彼の大目標達成はもうすぐそこまで迫っています。彼がひとたび去ってしまうと今のリージョナル航空会社では日本人パイロットはまた裕坊1人だけになってしまいますが、Sくんの大手航空会社移籍の際には、快く送り出したいと思います。

今日はインディアナポリスを出発してまずはノースカロライナ州のローリーを経由し、我がリージョナル航空会社の本社があるミネアポリスまで。そしてしばらくぶりにカナダの最大都市トロントへと飛んで宿泊です。

 

裕坊