Yuichibow’s diary

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊、歯医者へ

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマンです。

昨日4日間のフライトを終えてデトロイトまで帰って来た裕坊、昨日は1日お腹がシクシクしてしまって、フライト中はずっと屈んだまま。正露丸ですら効果がないお腹の痛みには少しまいりました。体が冷えたのか、食べたものが何かよくなかったのか。ただトイレに走るほどではなかったのが不幸中の幸い。

ワシントン・ダレス空港からミネアポリスのフライトは2時間とちょっと。ミネアポリス空港に到着後、次のフライトまで4時間の待機。お昼を食べたり本を読んだりして時間をつぶします。タブレットに入れた野球ゲームをやったり、日記を書いたりも。この休憩中、お給料は一切出ません。いや、ほんのちょっとは出ます。お昼を食べるくらいのおこづかい(英語でPer diemと呼びます)は供給されます。1時間当たり1ドル80セント…………

出発前1時間くらいにゲートへと向かいます。フライトに必要な書類を受け取ります。まだお給料は出ません。搭乗が始まって客室乗務員が笑顔で乗客の皆さんを迎えます。まず最初はファーストクラスのお客様から。まだお給料出ません。搭乗が終わり、ゲート係員がやってきてお見送りのご挨拶。ボーディングブリッジを引きます。まだお給料出ません。

CRJは階段式の搭乗口。ボタンを押すとモーターが動いて、その搭乗口が上がり、レバーを引くことによって完全に閉まります。そこで操縦席に座っている裕坊が駐機ブレーキを解除。ここからです、お給料が支払われるの。実はフルタイムでありながらも、アメリカの航空会社のお給料は時給制。しかも搭乗口が閉まっている間だけがその対象。待っている間は一銭にもなりません。あ、いや1時間当たり1ドル80セント…………

ニューヨークのケネディ空港を出発してフィラデルフィアへお客さんを運ぶ便が入っていたとします。電車でも十分行ける距離。出発ゲートから到着ゲートまでの時間はせいぜい1時間。そのフライトを担当しましょう。操縦席の中はバタバタ。離陸直後から着陸準備。息つく暇もなく着陸。ゲートに到着して搭乗口が開きます。時計が止まります。お給料が支払われるのここまで。1時間のお給料。そこで4時間の待機が入ったとしましょう。その間払われるのは昼食代のみ。1時間1ドル80セント(この金額は会社によって違います)4時間で7ドル20セント……………

次にケネディ空港へと戻りましょう。フライトは合計でまたも1時間。ケネディ空港へ戻ってその日の業務完了。合計2時間分のお給料の1日。ケネディ空港には恐らく定刻出発時刻の1時間前には来ていますから、実質の拘束時間は7時間。実際に支払われるお給料は2時間のみ。仮に時給が30ドルだったとしても、実質の時給は下がります。この例でいくと8ドルくらい。

リージョナルは短距離線も多く、空港で次のフライトを待つ待機の時間も長くなる傾向があるので、実質のお給料は下がります。1時間のフライトを担当して2時間休憩、また1時間のフライトをこなして次また2時間待機、よくあります。拘束時間が平均で160時間くらいで、75時間分のお給料というのはザラ。これもザ・リージョナルの一幕です。

お腹は昨日に比べると、少しマシになりました。どうやらお医者さんに行く必要はなさそうです。でも歯医者さんへ行く必要があります。1ヶ月も前から予約を入れていたので、すっぽかすことはできません。すごく眠いのでコタツに潜って口を開けて寝ていたいのですが、ひとっ走り行く時間です。診察台に上がって口を開けてきます。多分診察台の上で寝ていると思います。

 

 

裕坊